高い文章力を持ち、何をお願いしても気持ちよくすぐに答えてくれる「ChatGPT」は、まるで“シゴデキ”な同僚。ビジネスメールの作成や添削も、ChatGPTを活用すれば数秒で完了するので、仕事の作業効率を大幅に上げることが可能です。『AI仕事革命 ‐ChatGPTで仕事を10倍効率化‐』(リチェンジ)の著者で、AI活用コーチとしても活躍する谷口恵子氏が解説します。

気の重くなるような「謝罪メール」も、数秒で完成

ビジネスメールを作成する際に、少し気を遣う内容や、書くのに気が重くなるようなメールを書かなければならないことがありますよね。そんなときにはChatGPTに手伝ってもらいましょう。

例えば、お詫びのメールです。このように、メールの宛先、内容、含めたいことを書いて、以下の内容でメールを作ってください、というプロンプトを入力します。

【プロンプトの型】

以下の内容でメールを作ってください。

宛先:田中太郎様(お客様)(1)

メールの目的:誤った商品を送ってしまったお詫び(2)

以下の内容を含める(3)

①交換の商品をすぐに送る

②次回から使える30%OFFのクーポンコード「ap0023」を伝える

③誤って送った品物は着払いでお送りいただきたい

④問合せ先 ABC株式会社カスタマーサポートセンター

03‐××××‐××××

(1)宛先とその立場を記載します。立場も記載しておくと、その相手にふさわしい書き方、丁寧さでメールを作ってくれます。

(2)メールの目的を記載します。できるだけ具体的に記載しましょう。

(3)必ずメールに含めたい内容を記載します。箇条書きでなくても構いません。

そのほか、メールのトーンや文体(非常に丁重に、カジュアルに親しみを込めて、など)を記載してもいいですね。

ChatGPTとの会話例】

(依頼)

以下の内容でメールを作ってください。

・宛先:田中太郎様(お客様)

・メールの目的:誤った商品を送ってしまったお詫び

・以下の内容を含める

①交換の商品をすぐに送る

②次回から使える30%OFFのクーポンコード「ap0023」を伝える

③誤って送った品物は着払いでお送りいただきたい

④問合せ先 ABC株式会社カスタマーサポートセンター

03‐××××‐××××

ChatGPTの回答)

件名:お詫びと対応について:最近のご注文について

田中太郎

いつもご利用いただき誠にありがとうございます。

先日のご注文につきまして、誤って違う商品をお送りしてしまったことを、深くお詫び申し上げます。私たちのミスでご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。

本件につきまして、以下のとおり対応させていただきます。

①正しい商品の発送

正しい商品の発送手続きをすぐに開始いたしました。数日中にはお手元にお届けできる予定です。商品が届きましたら、ご確認をお願い致します。

②クーポンのご案内

この度ご迷惑をおかけしたお詫びとして、次回のご購入時にご利用いただける30% OFF のクーポンを差し上げます。クーポンコードは「ap0023」になります。ぜひお好きな商品にご利用ください。

③誤送商品の返送について

大変お手数ではございますが、誤ってお送りした商品を着払いにて弊社までお送りいただきますようお願い申し上げます。

以下に弊社の住所を記載いたします。 (弊社の住所をここに記載してください)

④問い合わせ先 何かご不明な点やご質問がございましたら、ABC株式会社カスタマーサポートセンター(03‐××××‐××××​)までお問い合わせください。

お客様には大変ご不便とご迷惑をおかけし、重ねてお詫び申し上げます。今後このようなことがないよう、サービスの改善に努めてまいります。

何卒ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

敬具、

[あなたの名前]

[あなたの肩書]

[あなたの連絡先]

このように数秒でメールを書いてくれました。非常に丁寧にお詫びの気持ちを伝えています。必要な箇所だけ書き換えて、このまま送っても問題ないメールです。

気が重いメールはなかなか書き出せなくて、送るのが遅れてしまい、余計に相手を怒らせてしまう、なんていうこともあります。ChatGPTに手伝ってもらうことで、スムーズにメールを作ることができますので、ぜひ活用しましょう。

お詫び以外にも、よく使うパターンのメールがあれば、ChatGPTにメールのテンプレートを作ってもらうのがおすすめです。

誤字脱字だけでなく、表現の添削も得意なChatGPT

仕事で作成する文書やお客様宛、上司宛のメールなどは、誤字脱字があると失礼な印象を与えてしまいます。また、ミスの多い人なのではないかと信頼を失ってしまうかもしれません。

ChatGPTを使えば、自分の書いた文章をもっと丁寧な表現に変えてもらったり、魅力的な文章にしてもらったりすることができます。ぜひChatGPTに手伝ってもらい、文章を添削してもらいましょう。

【プロンプトの型】

以下のお客様宛のメール(1)を、より丁寧で感じの良いメールに(2)変えてください。

誤字脱字があれば修正してください。(3)

最後に、修正した箇所と修正した理由を教えてください。(4)

【メール】

(メール文を貼り付け)

(1)誰宛かを書いておくと、それに合わせて修正してくれます。 (2)どのように変えてほしいかを明記しましょう。 (3)これを書いておくと、誤字脱字を修正してくれます。 (4)これは必須ではありませんが、書いておくと今後の参考になりますので、 ぜひ書いておきましょう。

ChatGPTとの会話例】

(依頼)

以下のお客様宛のメールを、より丁寧で感じの良いメールに変えてください。

誤字脱字があれば修正してください。

・最後に、修正した箇所と修正した理由を教えてください。

【メール】 件名: 打ち合わせ日程の変更についてお知らせします

お疲れ様です、

私たちの上司が急遽出張に出ることになりましたので、御社とのすち合わせの日程変更をお願いいたします。

変更前:7月10日(金)午後2時

変更後:7月12日(日)午後3時

上司のスケジュールの調整が必要ですので、早めの返信をお願いいたします。

お手すをおかけしますが、何卒ご理解とご協力をいただけますようお願い申し上げます。

何かご質問やご要望がありましたら、お気軽にお知らせください。

よろしくお願いいたします。

ChatGPTの回答)

【修正後のメール】

件名: 重要:打ち合わせ日程のご変更につきまして

いつも大変お世話になっております。

私どもの責任者が、突然の出張が決定しましたため、ご面倒をおかけいたしますが、御社とのお打ち合わせ日程を変更させていただきたく思います。

変更前:7月10日(金)午後2時

変更後:7月12日(日)午後3時

責任者のスケジュールの調整をするため、お早めのご返信をいただけますと幸いです。大変お手数をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

ご不明点やご要望などがございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。 何卒よろしくお願い申し上げます。

【修正した箇所とその理由】

1.「お疲れ様です」を「いつも大変お世話になっております」に変更:メールの初めには相手への敬意を示す言葉を選ぶべきです。後者の方がよりビジネスライクで丁寧な表現です。

2.「私たちの上司」を「私どもの責任者」に変更 :「上司」より「責任者」の方が公式なコミュニケーションに適しています。

3.「すち合わせ」を「お打ち合わせ」に修正:この箇所はタイプミスで、「お打ち合わせ」が正しい表現です。

4.「早めの返信」を「お早めのご返信」に変更:「ご返信」の方が丁寧な表現です。

5.「お手す」を「お手数」に修正 :「お手す」は誤字で、「お手数」が正しい表現です。

6.「何かご質問やご要望がありましたら、お気軽にお知らせください」を「ご不明点やご要望などがございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください」に変更 :「ご連絡ください」の方が、「お知らせください」よりも具体的で自然な表現です。

このように数秒で添削をしてくれます。「修正した箇所とその理由」で記載されている箇所以外にも、細かく修正してくれています。例えば、「急遽出張に出ることになりましたので」を「突然の出張が決定しましたため」に修正してくれていますね。

特に有料版のGPT‐4では日本語力が非常に高く、きれいな印象の良い日本語に変えてくれますので、ぜひChatGPTの力を借りて、自分のミスしやすいところを知り、日本語力も上げていきましょう。

谷口 恵子

AI活用コミュニティ

代表

(※写真はイメージです/PIXTA)