花と緑に関する事業を展開する第一園芸株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:山村勝治、三井不動産グループ)は、コロナ禍における2023年の花き業界の変化をまとめました。

  • 猛暑とコロナ禍での作付面積減で品薄傾向、更に原燃料高と物価高が伴って生花の価格が高騰

2023年の切花の平均価格はコロナ禍以前の2019年に対して26ポイント上昇、2022年からは4ポイント上昇しました。これは2022年から続く原油高や肥料などの原材料費、加温栽培を行う際に必要な燃料費、輸送費の高騰が価格に反映したためと考えられます。また、取扱数量は2019年に対して9ポイント減少し、品薄傾向になりました。これは猛暑の影響で8月から10月の平均取扱実績が昨年比8.2ポイント減少した事、2019年のコロナ禍でセレモニーなどの装花需要が落ち込んだことにより切り花の作付面積が減少した事が重なり品薄につながったと考えられます。

〈くすんだ色や自然にない花色がトレンド/デザイナー:志村紀子〉

2023年は「くすんだ色」の花で作るナチュラルな雰囲気のデザインが人気です。今までナチュラルといえば白×グリーンの花が定番でしたが、今年は「くすんだピンク」や「ベージュ」といった色の花で作る機会が増えました。個人的に注目しているのはグレーやブルーグレーなどの「グレイッシュな色に染めた花」です。こうした自然には存在しない色の花を使いつつ、シルエットはガーデンを切り取ったようなナチュラルスタイルにする、シャビーシックな雰囲気に仕上げたブーケやアレンジメントがこれからのトレンドになるように感じています。

〈来店者増、ニュアンスカラーと染め花、枝物が人気/店舗事業部:山口愛

店頭では2023年になって来店者数が増加傾向にあります。ギフトのご注文金額はコロナ禍以前から変化は感じられません。花の種類では2022年から引き続き「ニュアンスカラーの花」と「染め花」が好調です。ギフトではガーデンに咲いているようなナチュラルでロマンティックな咲き方のバラを主役に、染め花をアクセントに入れたブーケやアレンジメントが人気です。また「枝物」も人気です。以前は生け花や店のディスプレイなど限られた用途でお求めの方が多かった印象ですが、最近ではご自宅で観葉植物の代わりに枝物だけをシンプルに飾る方も増えているようです。

オフィス、イベント装飾が顕著な増加、結婚式や宴会装花に掛ける単価増/装花担当:鈴木大輔〉

はっきりとした増加傾向が見られるのがイベントやオフィスの装飾です。テレワークからオフィスワークに戻った企業や移転を機に植物を使った装飾を取り入れるケースが増えています。顕著な例としては、オフィス回帰と周年を祝うイベントとしてアーティフィシャルフラワーを使用したワーカー参加型のイベントが行われました。こうした例にも現れているように年々アーティフィシャルフラワーへの抵抗が薄れ、生花や観葉植物との区別がなくなりつつあります。結婚式や宴会は新型コロナが5類に移行した頃からコロナ禍前の状況に戻りつつあり、装花に掛ける価格は年々増加傾向にあるように感じています。

※2023.5.22リリース「第一園芸、日本橋室町三井タワーと中之島三井ビルディングにてワーカー参加型の周年記念装飾をデザインから施工まで担当」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000194.000028146.html

  • 観葉市場は落ち着きを取り戻すも平均価格が高騰。10、20代が観葉植物に参入、全世代で人気に

2023年の観葉植物の平均価格はコロナ禍以前の2019年に対して34ポイント増加しました。生花と同じく原燃料高と物価高による価格高騰が原因と考えられます。取扱数量は6ポイント減少しましたが、取扱合計金額は27ポイント増加しました。これは、物量が大きく動く競り取引だけではなく、注文での高額な買い付けが増加したことによると考えられます。

一般消費者の動向は、当社が8月に行った観葉植物に関する調査よると全体の3割が「1~2年以内から自宅に観葉植物がある」と回答し、その内約半数を10、20代が占めました。更に観葉植物を育てる中で「植物が好きになった」と回答した人を年代別で見てみると「よく当てはまる」または「当てはまる」と回答したのは10代が69%、20代が72%という結果になりました。こうしたことから、観葉植物を暮らしに取り入れる人は若年層にも広がり、世代を問わず親しまれていることがわかりました。

※2023.8.7付リリース「Z世代の約半数が1~2年以内に観葉植物を所有/観葉植物を通して6割の人が「植物が好きになった」/第一園芸調べ」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000208.000028146.html

マニア向けレア物高額品増、人気のサボテン多肉植物はインテリア雑貨に/鉢物仕入担当:鈴木智子〉

コロナ特需で起こった品薄状態が終了し、2023年は市場サイクルが通常通りに戻ったように思いますが、市場はこれまで取引の中心だった競りと比較して、最近では注文での取引が増えてマニア向けなどの高価な植物の取引が活発になったと感じます。コロナ禍前には行われていた各地の展示会も復活し、生産者や市場関係者の活気が感じられます。そうした展示会では新規参入した生産者による雑貨やインテリアショップでの販売を想定したサボテン多肉植物の商品が増えました。他にはビカクシダの生産者が急増していて商品のバリエーションが豊富になっているので、これが次のトレンドになるのではないかと見ています。

2023年、当社で承る社用の花贈りは贈り先のコーポレートカラーやロゴをイメージした、オンリーワンの花が人気です。

〈コーポレートカラーのスタンド花やアレンジメント〉

贈り先の企業のコーポレートカラーやテーマカラーの色を象徴的に使って作るスタンド花やアレンジメントが人気です。染め花を積極的に取り入れ、ひと目でそのテーマが伝わるようなデザインは贈り先からも依頼主からもご好評をいただいています。

〈企業ロゴやアイコンを花で表現する「ロゴプリ(R)」〉

企業ロゴやアイコンなどの象徴的なデザインを、生花を特殊加工したプリザーブドフラワーを使って表現する、フルオーダーのフラワーギフトに人気が集まっています。

プリザーブドフラワーはカラーバリエーションが豊富なため、デザインの再現性も抜群。贈り先にとってなじみ深いデザインが花で表現できると、さまざまな分野の企業からご依頼をいただいています。

※2022.9.9付リリース「花でロゴを表現。手入れ不要で美しさが長持ち。贈り主の気持ちが伝わる、サプライズのある唯一無二のお祝い花」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000140.000028146.html

  • 第一園芸株式会社 概要

第一園芸は、花と緑のプロフェッショナルとして創業125年を迎える、三井不動産グループの企業です。店舗やオンラインショップでの個人/法人向け商品の販売、婚礼装花、オフィスビルや商業施設などの都市緑化や公園・庭園などの造園・管理を手がける緑化事業、季節の空間装飾事業など、幅広い事業を展開しています。今後も第一園芸は、花と緑に囲まれ豊かで潤いのある、そして持続可能な社会の実現を目指して挑戦しつづけます。

所在地:東京都品川区勝島1丁目5番21号 三井物産グローバルロジスティクス勝島20号館

代表者:代表取締役社長 山村勝治

創業:1898年(設立1951年

資本金:4億8千万円

株主:三井不動産株式会社(100%)

URL: https://www.daiichi-engei.jp/

  • 三井不動産グループのSDGsへの貢献について

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/esg_csr/

三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、つまりESG 経営を推進しております。当社グループの ESG 経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。また、2021年11月には「脱炭素社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」、2023年3月には「生物多様性」に関し、下記の通りグループ指針を策定しました。今後も、当社グループは街づくりを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。

【参考】

・「脱炭素社会実現に向けグループ行動計画を策定」

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1124/

・「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取り組み方針を策定」

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1129_02/

・「グループ生物多様性方針を策定」

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2023/0413/

《本件に関する報道関係からのお問い合わせ》
第一園芸株式会社 ブランド推進部 石川
Tel:03-6404-1501 / Mail:info_pr@daiichi-engei.co.jp

配信元企業:第一園芸株式会社

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ