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自動運転中であることを周知 なぜこの色に?

ドイツの自動車メーカーであるメルセデス・ベンツは、米国のカリフォルニア州およびネバダ州で導入する自動運転車において、ターコイズブルーのデイタイム・ランニング・ライト(昼間走行灯)を使用し、車両が自動制御されていることを周囲に知らせる。

【画像】珍しい「ターコイズブルー」のライト採用、レベル3自動運転【メルセデス・ベンツEQSを写真で見る】 全27枚

両州は、メルセデス・ベンツのレベル3自動運転技術の公道使用を米国で初めて承認した州である。ここで販売されるSクラスとEQSには、「ドライブパイロット」と呼ばれるLiDARベースのシステムが搭載され、時速40マイル(約64km/h)までの速度で自動運転が可能となる。

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ターコイズブルーのDRLを装備したメルセデス・ベンツEQS    メルセデス・ベンツ

ドライブパイロットは、前方車両との車間距離に積極的に反応しながら車線内走行を維持する。また、交通量や道路標識を認識し、危険を察知すると自動で回避操作を行うこともできる。

米国の技術標準化団体SAEインターナショナルのガイドラインによると、ドライブパイロットは、運転に人間の関与を必要としない条件付き自動運転(レベル3)の条件を満たしている。

そのため、ドライバーはハンドルから手を離し、車載ディスプレイ上でメールの操作やオンラインショッピングなどの「二次的な活動」を行うことができる。ただし、悪天候などの悪条件下では、いつでも手綱を握れるよう準備が必要だ。

もし緊急のアラームが鳴ったり、自動運転機能のタイマーが切れたりしても、ドライバーが操縦に戻らない場合、車両は緊急措置を実行する。自動的に減速・停止し、ハザードランプを点灯させ、ドアのロックを解除するのだ。

メルセデス・ベンツが導入した業界初のターコイズブルーライトは、ドライブパイロットが作動中であることを周囲に知らせるためのものだ。同社によると、ターコイズブルーは視認性が高く、信号機や従来の車両照明に使用されている色とは異なるため採用されたという。

また、ドライバーが車両を制御していないことや、「二次的な活動」が適切かどうかを車外から簡単に識別できるようにすることで、警察官にもメリットがあるとしている。

カリフォルニア州ではまず、ターコイズブルーライトの2年間の実地試験が承認された。ネバダ州では、2026年から市販車での使用が認められる。

メルセデス・ベンツのCTO(最高技術責任者)であるマルクスシェーファー氏は次のように述べている。

「自動運転マーカーライトの開発により、メルセデス・ベンツは再び新しい業界基準を打ち立てようとしています。当社は米国、特にカリフォルニア州ネバダ州でこのような認可を受けた世界初の自動車メーカーです」

「自動運転車両が道路に増えれば増えるほど、車両と環境との間のコミュニケーションと相互作用がより重要になっていきます」

メルセデス・ベンツは、自動運転状態を視覚化する手段としてターコイズブルーを標準化しようとしている。同社によると、これまでのところ米国、中国、欧州では、市販車にターコイズブルーのライトを使用するために一般的な枠組みはないという。カリフォルニア州ネバダ州での認可は、「重要な第一歩」とされている。


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