パレスの覚悟も相当のものだが、井上の優位は動かないだろう(C)CoCoKARAnext,Getty Images

 これまで数々の偉業を成し遂げ、日本ボクシング界の歴史を塗り替えてきた世界スーパーバンタム級WBC&WBO王者の井上尚弥(大橋)。来る12月26日、東京・有明アリーナでWBA&IBF同級王者マーロン・タパレスフィリピン)との4団体王座統一戦に臨むが、この大一番に向けては、相手もしっかりと“モンスター対策”を練ってきそうだ。

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 ゴングまで残り1週間となった19日に来日し、現在は、井上戦へ向けて最終調整に入っているタパレス。母国ニュースサイト『Philstar.com』によれば、出発前にトレーニングを行なっていた31歳は、地元メディアの取材に応じ、元5階級制覇王者ノニト・ドネアフィリピン)から受けた助言の一部を明かしているという。

 ドネアが井上にとって因縁の相手だったのは、周知の通りだ。2019年11月の初対戦では、左フックを顔面に浴び、右眼窩底骨折の深手を負いながらも3ー0で判定勝ち。22年6月の再戦では、2回1分24秒でTKO勝ちを収めているが、25勝(22KO)無敗というプロ戦績の“モンスター”にとっては、キャリア最も苦戦した相手とされている。

 この偉大な先輩から今年4月には、前WBA&IBF同級王者ムロジョン・アフマダリエフウズベキスタン)を判定の末に下した試合後、「自信過剰にならず、一生懸命練習しなさい」と言われたというタパレス。さらに、井上に対するディフェンスの重要性も強調し、「ガードを上げておけ」とアドバイスがあったそうだ。

 前評判は決して高くないタパレスだが、「リングに上がれば、恐れることはないと思う」と力を込めており、周囲のネガティブな声はあまり気にしていない様子。この男がフィリピン人として初の4団体ベルトを獲得するか、それとも井上がテレンスクロフォード(米国)以来史上2人目の2階級4団体統一を果たすか、決戦の行方に注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ゴングまで1週間を切った井上尚弥との大一番 来日タパレスには“因縁”ドネアから「ガードを上げておけ」と助言も