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タンスの肥やしに意外な値段がつくことも(写真:Jake Images/PIXTA)

長年指を通していない小さくなった指輪。相続したけど、置きっぱなしになっている仏具……。金相場の高騰で、そんな無用なものが、お宝になるかもしれない!

「弊社が扱う金の店頭小売価格が、10月30日に1グラム1万653円(税込み)となり、過去最高値を更新しました」

こう話すのは、貴金属販売大手の田中貴金属工業の担当者だ。

「弊社の金の店頭小売価格は10年前に比べて約2倍の水準となっています」

これは、20年前と比べれば、約7倍にもなる。一方、中古ブランド品取り扱いの大手「コメ兵」では、指輪やネックレスなど金を含む製品を持ち込む客数が、直近の10月では、「前年同月比で1.4倍に伸びている」(コメ兵担当者)という。

「8月末以来、金を含む宝石のカテゴリで、持ち込みいただくお客さまの数が増加しているんです」

前出の田中貴金属工業が開示する販売価格は、8月29日に初めて1万円を突破した。金は、含有率(純度)によって「24金」「18金」「14金」などと呼び分けられている。コメ兵担当者はこう解説する。

「日本では一般的に、24金(K24)が純度99.9%以上で『純金』と呼ばれています。Kは、『カラット』の頭文字です。K22は含有率91.6%、K18=75%、K14=58.5%、K10=41.6%となります」

たとえば、金製品に「K24」などの刻印があれば、その品物は24金製となる。ただ……。

「海外製のものなどでは『K18』とあっても、それより純度の低いものが使用されているなど、偽装されている場合も……。手放す予定はなくとも、来店して査定させていただければ、お持ちの品物の金の純度を測ることができます」

■相続や遺品整理でお宝が出てくることも

では、金製品を査定してもらったとき、どんな品物が、いったいどんな価格で買い取られているのだろうか?

地金・宝飾・ブランド品などの買い取り専門店「おたからや」の担当者に、最近の持ち込み品の傾向から、過去の高額買い取り&ユニーク品の実績を聞いた。

「最近の金価格の上昇を受けて、これまで金製品のことを意識されていなかった方も、お手持ちの金製品について意識され始めているという感じがします。また、親御さんなどを亡くし、相続された方や、遺品整理や生前整理をされる際に『こんなものが見つかった』と貴金属をお持ちいただく方も増えている印象です」

今回の13アイテムで最も高額なのは「純金の急須」、なんと614万800円! 続いて高額なのが「金の仏像」で、565万5000円。

「仏像などは『専門店でも買い取ってもらえないのではないか?』と思っている方がいらっしゃるようですが、弊社では相場に合わせて買い取りいたします。その際、金製品であれば純度の刻印がなされていると思いますので、その純度と実物の差異がないかをはじめ、さまざまな項目で査定して買い取ることになります」

金製品の裏などにある刻印は、日本製品の場合、財務省造幣局の試験に合格していれば、ひし形の中に純度の数字が書かれている。 《750》と刻印があれば「純度75%」=「18K」(前述)とわかる。

■純度×重量が値段の目安“汚れ物”にも値段はつく

「サイズが合わなくなった18金の印台リング」は、51万7000円。「女性のお客さまがお持ち込みになるアイテムで、圧倒的に多いのは、アクセサリー類です。リング、ネックレス、ブレスレット、イヤリング、ピアスなどですね」

所有している金製品が「どれくらいの査定額になるのか」を私たち自身で把握する目安は?

「こちらは『純度×重量』と考えてください。たとえば、18Kの1グラムあたりの参考価格が約8000円(1万653円の約75%)として、女性もののリングを仮に3グラムとします。この場合、8000円×3グラム=2万4000円が、買い取り価格の目安となります」

「こんなもの買い取ってもらえないのでは?」と思われがちな「金歯」も「おたからや」では買い取り査定の対象だという。

「遺品の金歯」にも9万3000円の買い取り価格がついた。日用品である「メガネのフレーム」には、8万6000円の買い取り価格が。さらには、「片方だけになってしまった18金のイヤリング」も、2万2300円に!

「片方なくしてしまったり、壊れていたり、汚れたりしていても、査定すれば予想以上の金額になることもあります。『こんな状態では見せられない』と思わず、固定観念を捨ててまずは買い取り店にお持ちいただいて査定してみてください」

査定の持ち込みまでは、タダ。タンスの肥やしになっているアクセサリーや相続した仏具など、査定をしてもらっては?