違法に個人情報を収集したとしてタブロイド紙Daily Mirrorなどを運営するMirror Group Newspapers(MGN)を訴えていたヘンリー王子。現地時間12月15日ロンドンの高等法院が王子の主張を認め、MGNに対し、約14万ポンド(約2500万円)の損害賠償を命じる判決を出した。

【写真】3月、ANLとの裁判で出廷したヘンリー王子

 Peopleによると、王子側が指摘した33本の記事のうち15本について、「王子の携帯電話や彼の関係者の携帯電話ハッキング、または他の違法な形で得た情報に基づいて書かれた記事だ」と認定されたそうだ。

 これを受け、王子は声明を発表し、「今日は真実と責任において、素晴らしい日です」とコメント。「ドラゴン退治で身を亡ぼすだろうと忠告されてきましたが、今日の勝利で、自由かつ公正な報道活動の重要性に焦点が当たりました。犠牲を払う価値がありました。この使命は今後も続きます」と述べたという。

 2019年に同社に対し集団訴訟を起こしたヘンリー王子。この裁判では今年5月、MGN傘下の「サンデー・ピープル」の記者が私立探偵を雇い、2004年2月のある晩に王子の行動を調査させた一件について、同社が王子に謝罪。しかし同社では王子の訴える他の件に関しての関与を否定していた。今年6月には、ロンドンで行われた裁判に王子が出廷し、英王室の主要メンバーとして約130年ぶりに自ら証言を行ったことも注目を集めた。

 弁護士によると、判決の日程が明らかになったのが急だったため、この日王子は裁判所には姿を現さなかったそうだが、オンラインで参加したものとみられる。王子はMGNのほか、The Sunなどを出版するニュース・グループ・ニュースペーパーズ(NGN)、DailyMailを出版するアソシエテッド・ニュースペーパーズ・リミテッド(ANL)に対しても同様の裁判を起こしている。

ヘンリー王子、ミラー紙とのハッキング裁判で勝利を勝ち取る (C)Zeta Image