4つ足のロボットといえば、当サイトでもおなじみの犬型ロボット「スポット 」をつい連想しがちだったりするが、今や犬型ロボットの中にもさまざまなタイプが誕生している。
そんなロボットの一つ「HOUND(ハウンド)」が栄えあるギネス記録に認定された。100m走に挑戦し、19.87秒という史上最速記録を打ち立てたのだ。
これまでにない敏捷性で、4足ロボット界100メートル走部門のトップに君臨したHOUND。何よりも高速移動に特化した自慢の走りを見てみよう。
【画像】 100メートル走19.87秒!世界記録を出した4つ足ロボットHOUND
四足走行ロボットによる100メートル走のギネス世界記録は19.87秒
話題の「HOUND」は、韓国科学技術院(KAIST)のロボット制御・設計研究室が手がけたロボット犬。その重さは45キロほどだそう。
その HOUND が先日、4つ足ロボットの100メートル走記録に挑戦。
結果、19.87秒(時速約18キロ)という史上最速記録を打ち出し、みごとギネス世界記録に認定された。
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ただ今回後ろでリモコンぽいのを持った人が一緒に走っているような?万が一のサポート役だろうか。
瞬発力や安定性に富むロボット。モーター制御やギア構成に工夫
設計者の Young-Ha Shin 氏は、このロボットの重要な特性として、脚部の瞬発力や安定性をあげている。
高速移動が得意な HOUNDは、モーター制御やギア構成に工夫がある。基本短距離向けだが、単に速く走る以外に、時速10キロ程度の軽い駆け足や長距離歩行もでき、平地はもちろん、草地や急な上り坂にもひるまず前進する。
高度なシミュレーション技術で最適化を実現
こうした性能実現の裏には高度なシミュレーション技術もある。実はHOUNDは、強化学習を用いたシミュレーションで動きを学んでいるのだ。
New record: Fastest 100 metres by a quadrupedal robot - 19.87 seconds by KAIST Dynamic Robot Control and Design (DRCD) Laboratory in South Korea 🤖
— Guinness World Records (@GWR) December 12, 2023
The robot's name is 'HOUND'. pic.twitter.com/oQ2WImNcFW
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可能な限り現実の環境に近づけることを念頭にしたシミュレーションには、モーターの特性までが組み込まれており、そこから最適な行動を学んだHOUNDは、とても機敏に動くことができる。
静止状態からほどなく平均時速18.12キロほどで走るため、100メートル走で19.87秒というすごい記録が出せたのだ。
世界最速記録にウサイン・ボルトより速いチーターロボットも
ただこうしたロボットの速度のギネス記録は HOUND が初ではない。
歩行ロボット史上初の世界最速記録は、2012年にアメリカ国防総省の特別機関DARPA(国防高等研究計画局)の援助を受け、ボストンダイナミクス社が本物のチーターの動きをモデルに開発した「チーター(Cheetah)」が、ランニングマシンを走って打ち立てた時速45.5キロ(28.3 mph)という記録だ。
それは現時点での人類世界最速記録、元陸上競技短距離選手ウサイン・ボルトが現役時に100メートル走で打ち立てた 9秒58秒(最高時速44.17 km)を超えるスピードとして話題を呼んだ。
Cheetah Robot runs 28.3 mph; a bit faster than Usain Bolt
どちらかというと、4つ足のマシンレベルなウサイン・ボルトの俊足ぶりに驚くが、人間と同じ二足歩行部門であれば、2022年に米国のロボット企業アジリティ・ロボティクス社の2足ロボット「キャシー(Cassie)」が、100メートル走で24.73秒という世界最速記録でギネス認定されている。
100メートル走でギネス記録を出した2足ロボットキャシー
Cassie Sets World Record for 100M Run
進化するロボット界ではこの先も世界最速記録がどんどん更新されそう。いつかオリンピックで部門ごとのレースとかやってくれないかしら。
References:newatlas / upi / nypost / wikipedia / cacmなど /written by D/ edited by parumo
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