ワクチン接種が普及した日本では、ポリオ、はしか、結核などの感染症で亡くなる子どもは少なくなったが、世界ではいまだ1日約4000人が、5歳を迎える前に命を落としている。幼い命を守るワクチンは、1人分約20円からと、とても安価。例えば、はがき10枚でポリオワクチン約29人分を、使用済み切手1kgでBCG(結核)ワクチン約60人分を、途上国の子どもたちに贈ることができる。「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(東京、以下JCV)は年賀状シーズンのこの時期、書き損じや印刷ミスで送れなくなったり余ったりした年賀状や、未使用・使用済み切手のJCVへの送付を呼び掛けている。

 回収の対象となるのは、書き損じ・未使用の年賀状はがき)・使用済み・未使用切手。額面が古いものや往復はがき、記念切手なども回収する。使用済み切手は消印が含まれるようにざっくり切り取って送付する。既に投函されたはがき、私製はがき(ポストカード)は対象外。送付先は、〒108-0073 東京都港区三田4-1-9 三田ヒルサイドビル 8F 「世界の子どもにワクチンを 日本委員会 はがき回収キャンペーン」係。封筒、ゆうパック、段ボールなどに詰めて送付する。少量でも受け付けている。詳細は、書き損じはがき回収キャンペーンのページから。

 年賀状はどんなプロセスでワクチンに換わるだろう? JCVに送られた年賀状郵便局で切手シートに交換。63円の年賀状の場合、交換手数料5円を除いた58円が寄付となる。交換された切手は、JCVから発送するパンフレットなどの資料、受領書、礼状などの送料として使用する。そして、通信運搬費を節約できた分を、ワクチン支援に活用する。

【写真1】

 JCVは、UNICEFや各国の保健省と協力し、1994年から1億2000万を超える子どもたちにワクチンを届けてきた。昨年は、募金やペットボトルキャップ回収、さまざまなタイアップ協力などを通し、ミャンマーラオスブータンバヌアツの4カ国に約1億1600万円分のワクチンやコールドチェーン機器を贈った。

書き損じや余った年賀状がワクチンに あなたのちょっとした行動で途上国の子どもに笑顔を