主砲はあえて120mm滑腔砲を選んだようです。

130mm滑腔砲は今回は無しで

ドイツの軍需企業ラインメタルは2023年12月15日ハンガリー政府と次世代戦車の共同開発で契約締結に至ったと発表しました。

説明によると、同社はハンガリーの国営持株会社であるN7と協力して新戦車の開発にあたるとのことで、契約金額は約2億8800万ユーロ。まずはデモンストレーター車を製造し、ハンガリー政府の認定を受けられるようにするとしています。

なお、開発するのは「パンターKF51 EVO」というタイプだそう。これは2022年6月にフランスの首都パリで開催された防衛装備展示会「ユーロサトリ」で展示されたKF51「パンター」とは異なり、主砲には既存の「レオパルト2」後期型が搭載する55口径120mm滑腔砲L55A1を搭載し、それに対応可能な自動装填装置も装備するといいます。

これにより、ハンガリーが導入し運用している「レオパルト2」戦車シリーズと弾薬の互換性を確保できるようになり、兵站の均質性が保たれるとのこと。ただ、砲塔自体は前出のユーロサトリで公開されたデモンストレーター車が装備していた51口径130mm滑腔砲へ換装可能な構造にするそうです。

また、車体は「バッファロー」装甲回収車のコンポーネントを用いますが、そももそ「バッファロー」自体が「レオパルト2」戦車の派生型として開発された経緯があるため、その点でもハンガリーがすでに運用中の同戦車と共用化を確保できるため、兵站、メンテナンス、訓練などにおいて高い相互運用性をもたらすとしています。

なお、今回の契約締結に関してラインメタルのアーミン・パッパーガーCEO(最高経営責任者)は、「ハンガリーで次世代戦車を生産する道筋が示されたことについて、新しくかつ重要なマイルストーンを達成できたと、嬉しく思っています」と述べています。

ドイツのラインメタルが開発したKF51「パンター」戦車(画像:ラインメタル)。