米球界で垂涎の的となっていた怪腕の去就がついに決着したようだ。
今オフにオリックスからポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指してきた山本由伸がドジャースと12年総額3億2500万ドル(約471億2500万円)の契約を結ぶことで合意したと、米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者が報じた。
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念願のメジャー移籍は話題の常勝軍団で始まるようだ。11月5日の日本シリーズ最終戦後にポスティングがオリックスから正式に承認された山本。以来、彼の存在は米球界で大きな注目を集めてきた。有力な移籍先としてはヤンキース、カブス、ダイヤモンドバックス、ドジャース、メッツ、レッドソックスなど8球団を列挙。代理人を務めるジョエル・ウルフ氏が「これほど多くの球団が興味を持つ選手は知らない」と語るなど、争奪戦は熾烈を極めていた。
現地の主要メディアが作成するFA選手ランキングでも軒並み上位の評価が並ぶなど、今オフFA選手の「目玉」となっていた山本。現地時間12月21日の段階で、ヤンキース、メッツ、ドジャースに最終候補は絞られていたが、“切り札”を使った西海岸の名門入りを決めた。
ドジャースは山本と今月12日(同13日)に面談。その場にはプロスポーツ界史上最高となる10年総額7億ドル(約1015億円)の契約を締結したばかりの大谷翔平が出席し、直接ネゴシエーターとしての役割を担った。日本代表として苦楽をともにした偉才から声をかけられ、山本の心情が揺れたのは間違いない。
さらにドジャースはアンドルー・フリードマン編成本部長、デーブ・ロバーツ監督に加え、20年MVPの一塁手フレディ・フリーマン、正捕手のウィル・スミスも同席。日本でエースナンバーとされる背番号18と巨額契約を提示し、これ以上にない誠意を示した。
長きにわたるメジャーリーグの歴史でも稀有な契約だ。12年は投手史上で最長であり、3億2500万ドルは、2019年にゲリット・コールがヤンキースと交わした9年3億2400万ドル(約469億8000万円)を超える投手史上最高額となった。
球界屈指のスター軍団からの熱烈なオファーを受けた山本。日本球界で史上初の3年連続の投手4冠をやってのけた25歳は、これ以上にない最高の条件を引き出し、満を持して海を渡る。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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