あらゆるアニメーション作品に影響を与えてきたディズニー・アニメーション。創始者のウォルト・ディズニーは、1923年に兄と共にのちのウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオとなる、ディズニーブラザース・カートゥーン・スタジオを設立。「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」シリーズなどのヒットを生みだすが、キャラクターの権利の問題などで多くの失敗と苦労を重ねてきた。そんな逆境にもめげず夢の実現に邁進し、試練を乗り越えた末に誕生した数々の名作が、ウォルト・ディズニー・カンパニーの100周年を祝し、コレクションにぴったりな数量限定の商品で登場。本稿では、その豪華ラインナップを紹介しながら、世界中を魅了し続けるディズニーの歴史を振り返ってみよう。

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ディズニーを救ったミッキーとその仲間たちの活躍を描く短編集

まず紹介したいのは、「ミッキーミニー クラシック・コレクション」。屋根裏などでひっそりと暮らすイメージだったネズミを、愛着あふれるキャラクターに転じさせて出来上がったミッキーマウス。その彼がスクリーンに初お目見えしたのが、1928年公開の『蒸気船ウィリー』だ。アメリカで初のトーキーアニメーションとしても知られる本作は大ヒット。このミッキー人気を爆発させた作品のほか、初ブルーレイ化として『ミッキーのダンスパーティー』(47)や『ミッキーのアイス・スケート』(35)、『フィガロとフランキー』(47/吹替版は初収録)など全10本のミッキーミニーマウス絡みの短編が収録されている。

一方、ドナルドダックやグーフィなど、ミッキーの友人たちが登場する短編を集めた「ミッキーフレンズ クラシック・コレクション」では、ミッキー初のカラー短編作品となった『ミッキーの大演奏会』(35)のほかに、初ブルーレイ化作品として『ミッキーお化け退治』(37)、『プルートのありがた迷惑』(49)など5編が収録されているのが見どころだ。どちらのパッケージも年代ごとに変わるキャラクターの変遷――例えばミッキーの目の形の違い、なども楽しめ、満足度は手堅い。

■世界初のカラー長編アニメ映画白雪姫』に始まるディズニープリンセス時代

さらに注目は「白雪姫 4K UHD」。グリム童話をベースにした本作は1937年に劇場公開された。実は『白雪姫』こそが世界初のカラー長編アニメーション!しかもフルアニメーションなので、セル画の枚数はなんと25万枚にも上り、当時の金額で170万ドルという莫大な予算と4年もの歳月をかけて製作されたのだ。当時といえば、アニメーションは実写映画の合間に子ども向けに上映されていた短編の印象が強かったため、誰も予想しない大ヒットに。挿入歌となった「ハイ・ホー」や「いつか王子様が」はいまでも歌い継がれる人気曲になった。

実際、白雪姫や7人の小人たちの流麗な動きやヴィランである女王の恐ろしさ、白雪姫の愛らしさはいま観ても遜色なく楽しめる。特に今回の商品には初収録のものも含めて大量のボーナス特典がある。未公開シーンやそこで流れる楽曲なども含まれ、ファンにはたまらない1枚だ。美しく修正された4K UHD映像で堪能していただきたい。

白雪姫』から、おとぎ話などに登場するプリンセスを主人公にした作品の制作がスタートしたディズニー。同作以降、ヒットに恵まれず、経営危機で崖っぷちに立った会社を救ったのが、1950年公開の『シンデレラ』だった。実は『白雪姫』の公開前、23年には『シンデレラ』のアニメーション化をウォルトは考えていたという。今作も「シンデレラ 4K UHD」として 100周年記念パッケージにラインナップされ、未発表曲など様々なボーナス特典が収録されている。さらに、4K UHD版に加えて、アニメーション版と実写版がパックになった「ミュージカル・MovieNEXコレクション」もリリースされているので、それぞれの観比べも可能。また、こちらにはオリジナルサウンドトラックCDや歌詞カードも付いているので、名曲を歌って楽しむこともできる。

ちなみに『シンデレラ』は、挿入歌の「ビビディ・バビディ・ブー」が第23回アカデミー賞歌曲賞にもノミネートされており、ミュージカルとガッツリ組んだ先駆けとなった作品だ。のちにディズニールネサンス期と呼ばれた『美女と野獣』(91)や『アラジン』(92)などと共に(どちらも「ミュージカル・MovieNEXコレクション」でリリース)、ミュージカル・アニメーションとしてコレクションするのもオススメだ。

■”もしも”の世界が楽しめる、ピクサー作品が次々と登場!

また、音楽がすばらしいという意味では、鬼才ティム・バートンが原案・キャラクター設定をした『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(93)も見逃せない。死者が暮らす町が舞台の異色のダーク・ファンタジー作品で、製作30周年ということもあり、「4K UHD 製作30周年記念コレクターズ・エディション」でメイキングやソングセレクションといった特典に触れることができる。

その後、おもちゃの世界が舞台の『トイ・ストーリー』(95)や怪物たちが巻き起こす騒動を綴った『モンスターズ・インク』(01)、ダイバーに息子をさらわれてしまった魚たちの冒険ストーリー『ファインディング・ニモ』(03)、車を擬人化させた『カーズ』(06)など、“もしもの世界”をベースにしたピクサー作品がディズニーの傘下に。それがディズニーをさらにパワーアップさせていく。実際、ピクサーが参加して以降、1998年には中国の伝説的物語を映像化した『ムーラン』(「ミュージカル・MovieNEXコレクション」でリリース)など、これまでとは異なる視点で欧米にはなじみのない文化の作品も多く作られるようになっていく。

■新しい魅力のディズニーのヒロインたちが存分に楽しめる「ディズニープリンセス・コレクション」も!

最近では、動物たちが暮らす街を舞台に現実世界にも通じる社会問題を提示した『ズートピア』(16)やメキシコの伝統的な風習“死者の日”にまつわる文化を下敷きに家族の絆を描いた『リメンバー・ミー(17)など、いままで以上に多様な世界観を描くようになったディズニー・アニメーション。プリンセスを含むヒロインたちも、勇気を出して新しい世界へ踏みだす『塔の上のラプンツェル』(10)のラプンツェルディズニー初のダブルヒロイン、アナとエルサの姉妹を登場させた『アナと雪の女王(13)、自分の意志に素直に向き合う『モアナと伝説の海』(16)のモアナと、ヒロインの有り様に変化が起きた魅力的な作品が続々と登場していった。

これらの作品それぞれが単体でも記念パッケージ化されているほか、『白雪姫』から『モアナと伝説の海』まで、歴代のディズニープリンセス作品が一つになった貴重な豪華版「ディズニープリンセス コレクション 絵本型ディスクケース仕様」といったものも。みんなの“願い”を守るために懸命に戦う強い新ヒロイン、アーシャにも注目が集まる100周年記念作『ウイッシュ』も公開中なので、過去から現在まで、これを機にそれぞれの魅力あふれるディズニー・ヒロイン作品を味わってみてはいかがだろうか。

そして、2023年に発売された作品になぞらえ、2024年の運勢を占う「ディズニーのMovieNEX&ブルーレイ運勢占い」キャンペーンも実施中(Xキャンペーン投稿への遷移:外部配信には反映されません)。100年の歴史を彩ってきた名作ラインナップをチェックし、これからも続く夢あふれるディズニーの世界を手元に残してほしい。

文/横森文

ディズニーの歴史を感じさせる100周年パッケージ/[c]2023 Disney [c]2023 Disney/Pixar