MBSTBS系列全国28局にて放送・配信中のアニメ「呪術廻戦」(毎週木曜夜11:56-0:26ほか、TBS系/ABEMA・ディズニープラスHuluほかにて配信)の第2期22話(第46話)「変身-弐-」が12月21日に放送された。虎杖悠仁(CV.榎木淳弥)と真人の死闘に決着が付いたかと思われた瞬間、「助けてあげようか、真人」と夏油傑(CV.櫻井孝宏)の皮をかぶった何者かが真人に声をかける。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】中身の人物が今話明らかとなったニセ夏油(CV.櫻井孝宏)

■夏油の裏切りで迎えた真人の最期

虎杖に叩きのめされ、完全に戦意喪失となった真人。遡れば第1期から虎杖を苦しめ続けてきた一番の相手だった。いかにも呪いらしいと言えばそれまでだが、ある種人間に挑んできたような自然呪霊の漏瑚とは異なり、人の負の感情から生まれた真人には悪意と嫌悪ばかりを感じるという視聴者は多かっただろう。最後は虎杖に消滅させられるかと思われたが、終わりを与えたのは仲間のはずの夏油傑だった。

夏油がかざした手の平に、真人はそれこそ呪いを振りまくような断末魔を残しながら吸い込まれていく。夏油の手に残ったのは、真人からできた呪霊玉だった。因果応報というのは語弊があるかもしれないが、これまで見てきた真人に対してはふさわしい哀れな最期だったかもしれない。

そして、夏油の皮をかぶったニセ夏油。この男が使う呪霊操術は調伏した呪霊を取り込んで、呪霊が持っていた術式を使えるようになるというものだ。無条件で取り込むには二級以上の等級差がなければできないはずだが、ニセ夏油はいとも簡単に特級呪霊の真人を取り込んでしまった。真人が虎杖との戦いで弱っていたからか、それとも特級を超える力を持っているのか。おそらく後者の線が濃厚だというのが、そのあとすぐの戦いで証明された。

■虎杖の窮地に、特級呪術師・九十九由基が参戦

虎杖とニセ夏油の対峙の場に、遅ればせながら駆け付けた加茂憲紀(CV.日野聡)、西宮桃(CV.釘宮理恵)、禪院真衣(CV.井上麻里奈)、三輪霞(CV.赤崎千夏)の連携攻撃を、ニセ夏油はまるで意に介さずいなしていく。さらにその場に現れた脹相(CV.浪川大輔)から苛烈な攻撃を受けるが、それも笑みを絶やさず受け流していく。加茂ら京都校組はまだ1級には遠い術師だが、特級呪具・呪胎九相図から受肉した脹相は、特級に近い呪詛師だ。消耗しているとはいえ、それを相手にニセ夏油は一撃も受けず、あまつさえ脹相が得意な肉弾戦でもことごとく上回ってみせる。

宿儺に仕える裏梅(CV.斎賀みつき)がニセ夏油の助力に現れたこともあり、脹相と呪術師たちはほとんど一方的に追い詰められていく。メッセンジャーとして生かしておく必要があるというニセ夏油に対し、傷つけられた怒りから激昂して虎杖以外を始末しようと強大な呪力を振るう裏梅。凍結で束縛された虎杖たちに巨大な氷塊の刃が降り注ぐ。一瞬死を覚悟した虎杖だったが、目を開けたとき、彼の前には1人の女性の後ろ姿があった。

「久しぶりだね夏油君 あの時の答えを聞かせてもらおうか。どんな女が好み(タイプ)だい?」と場違いに投げキッスをする女性に、「九十九由基!!」とニセ夏油が初めて顔を歪ませる。それは今の呪術界には五条悟と並んで1人しかいない特級呪術師の名前だった。

■脹相が虎杖のお兄ちゃん!?

2つの重大事実が明かされた今話エピソード。1つはニセ夏油の中身が加茂憲倫であったことだ。加茂家は呪術界御三家の一角だが、かつていた加茂憲倫は加茂家の汚点、史上最悪の術師。これが本当であれば、中身はゆうに150歳を超えているらしい。日下部篤也(CV.三木眞一郎)は「馬鹿げた結界術」「馬鹿げた術具の所持」「肉体を乗り換える術式」から黒幕の正体に得心がいったようだが、ニセ夏油当人は、「加茂憲倫も数ある名の一つにすぎない」と、本当の正体を濁していた。

ニセ夏油が加茂憲倫だと看過したのは脹相で、どうやら呪胎九相図を生んだ彼の“親”でもあるらしい。そして、ここからつながったのが2つ目の重大事実。脹相が虎杖の“お兄ちゃん”であるということだった。脹相は血液を媒介にした術式特性から、血のつながった兄弟たちの異変を感じ取ることができる。それにより、先の戦いで虎杖を殺しかけたことで分かった思いがけない事実だった。

何より兄弟愛に生きる脹相は、弟を手にかけさせようとしたニセ夏油に怒りを露わにし、立ちはだかる裏梅には、「どけ! 俺はお兄ちゃんだぞ!!」と理屈は不明だが、なぜか説得力満載に聴こえてしまう台詞をぶつけていく。当の虎杖はマイブラザー・東堂葵に続いて現れた突然のお兄ちゃんに混乱をきたしてしまうが、弟・虎杖のために全力でお兄ちゃんを遂行する脹相の姿には視聴者から喝采が飛ぶ。「推しであるお兄ちゃんお兄ちゃんしてて最高かい!」「全力お兄ちゃん宣言キターー!!」「黒閃覚醒の上を行くお兄ちゃん覚醒w」などXには「お兄ちゃん」があふれ、日本のトレンド1位を記録する。

この他、真人が呪霊玉にされるシーンやニセ夏油がうずまきを繰り出すシーン。さらにアニメならではの大スケールバトルで描かれた脹相とニセ夏油の戦いなど随所で視聴者の注目を集め、「真人、哀れだね。ボコられて祓われるよりふさわしい最期だったよ」「うずまきの言い方ゾッとした。本物の夏油よりずっと低い声。櫻井さんの演じ分けすごすぎ」「アニオリ満載の赤血操術が大出血サービスどころでなくて貧血起こしそう」など、様々な反響を呼んでいる。

赤崎千夏の崎は正しくは「たつさき」

■文/鈴木康道

アニメ「呪術廻戦」第22話が放送/(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会 (C)Sumzap, Inc./TOHO CO., LTD.