ディズニー創立100周年を記念した最新アニメーション映画「ウィッシュ」が12月15日より日本でも公開され、公開から3日間で動員43万人、興行収入6億1200万円を突破、週末興行収入1位となるなど好調なスタートを切った。ストーリー展開や日本版でアーシャを演じる生田絵梨花の声、アーシャの心情を表現した劇中歌「ウィッシュ~この願い~」が反響を呼んでいるが、SNS上ではクリス・バック&ファウン・ヴィーラスンソーン両監督も公言している「100個以上はありそうな過去作へのオマージュ」の考察が話題となっている。(以下、ネタバレを含みます)

【図解】なるほど!「ウィッシュ」のアイコン的キャラ“スター”にはミッキーの顔型やポーズが隠れている

ディズニー創立100周年の集大成

同作は、「アナと雪の女王」のスタッフ陣によるディズニー創立100周年の歴史の集大成となる新たなドラマティック・ミュージカル。どんな願いも叶うとされる魔法の国・ロサスを舞台に、王国の秘密を知ってしまった少女・アーシャが、人々の願いを支配するマグニフィコ王(CV:福山雅治)に立ち向かう姿を描く。

2023年10月16日に創立100周年を迎えたディズニーの集大成を謳っているだけあって、ザ・ディズニーヒロインというべきピュアな心と歌声を持つヒロインに加え、“ディズニー史上最恐のヴィラン”が登場したり、日本版では日本が誇るMr.ディズニー作品声優=山寺宏一のコミカルな演技が見られたり、見応えたっぷりな王道のストーリーが展開されている今作。だからこそというべきか、ディズニー作品の歴史を感じることができる遊び心が随所にちりばめられており、リスペクトを込めた過去作へのオマージュネタがディズニーファンのハートをつかんでいる。

制作陣も認めているのが「アーシャの友人たちは『白雪姫』の7人のこびとにインスパイアされている」や「ポストクレジットシーンで流れる曲」「スターがミッキーマウスオマージュ」など。

さらに、「アーシャの家が7人のこびとの家の外観」「マグニフィコ王マントはシルエットがジャファー(※『アラジン』)」「マントの裏地の柄が『白雪姫』女王の部屋のカーテンと同じ」「闇の魔法が歴代ヴィランズと同じ緑」等、SNS上では全世界のディズニーファンによる熱い考察合戦が繰り広げられている。以下、その一部を紹介しよう。なお、あくまで“考察”であり公式見解ではないのでご注意を。

マグニフィコ王の像のポーズがガストン(※『美女と野獣』)っぽい」「アーシャが森を駆けていくシーンが白雪姫っぽい」「ガーボのクッキーを食べる時のセリフ『人生は不公平だ』がスカー(※『ライオン・キング』)」「鹿のことをバンビと呼んでいる」

マグニフィコ王が鏡に『世界一のハンサムは?』と聞くシーンは『白雪姫』の魔女」「ちょこちょこ映る白雪姫の毒リンゴ」「書斎に侵入するために乗ったエレベーターが上がった時のスターのポーズが、『トイ・ストーリー2』でエレベーターが上がる時に偽バズ・ライトイヤーがするポーズと同じ」「最初と終わりの絵本の演出」

などなど…観賞したファンたちがそれぞれに考えるオマージュの“発表会”が行われており、既に30を超えるオマージュを発表している強者も。特に「白雪姫」関連が見つけやすいのか、そもそも多いのか、いろいろと発見されている印象だ。

■鑑賞後にオマージュを言い合うファンも多数

さらに、「見終わった後、みんなでそれぞれ気付いたオマージュを言い合うのが楽しい」というコメントも散見され、それらSNSで見つけたネタを確かめるためにリピートを繰り返すファンも続出している。

「王道のストーリーが楽しかった」「脚本がすごい」「マグニフィコ王が強すぎる」といった声が上がったストーリーについてや、「生田さんの歌唱力がえげつない」という声が寄せられた生田の芝居も楽しみながら、まだ発見されていないオマージュを見つけて“発表会”に参加してみるのも、100周年をみんなと一緒に祝う楽しみ方の一つではないだろうか。

なお、「オマージュ」の“元ネタ”となるディズニーアニメーション各作品はディズニープラスで配信されているので、「ウィッシュ」を劇場で見た後に“答え合わせ”とばかりに見比べてみるのもオツかと。

◆文=原田健

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