西島秀俊内野聖陽のダブル主演でドラマ化され話題となった「きのう何食べた?」の続編となる「きのう何食べた? season2」(毎週金曜深夜0:12-0:52、テレ東系)の最終話12月22日に放送された。史朗(西島)と賢二(内野)がお互いを思い合う巨大感情を知ることができ、熱い涙があふれた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】笑顔でお弁当を作る内野聖陽“賢二”

■「きのう何食べた?」とは

同ドラマは、シリーズ累計945万部(電子版を含む)突破のよしながふみによる同名漫画を原作に、2LDKのマンションで同居する、料理上手で几帳面かつ倹約家の弁護士・筧史朗(通称・シロさん)と、その恋人で人当たりの良い美容師・矢吹賢二(通称・ケンジ)の毎日の食を通して浮かび上がる、男性2人暮らしの人生の機微を描く物語。

ほろ苦くて温かな2人の日々をリアルに描き、2019年4月クールに放送された「season1」では、X(旧Twitter)の世界トレンド1位、見逃し配信の再生数は全12話100万回超えを記録。

さらに、「第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」「第101回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」で最優秀作品賞を受賞するなど、深夜ドラマ枠としては異例の記録を次々と樹立した。その後、2020年元日には正月スペシャルドラマを放送。2021年には映画化もされ、興行収入14.1億円の大ヒットとなった。

そんなファン待望のseason2は、アラフィフに突入した史朗と賢二の日常が描かれる。今までと変わらないゆっくりとした日常の中に訪れるちょっとした変化。生きていれば誰もが経験する環境の変化や身体的・精神的な変化を史朗と賢二も経験していく。

■史朗は賢二に遺言書を残すことを提案する

恋人同士の史朗と賢二は一緒に暮らし、幸せな食卓を囲み、和やかなときを過ごしていた。

見学した八王子の老人ホームが気に入ったという史朗の母・久栄(梶芽衣子)と史朗の父・悟朗(田山涼成)。史朗は都心を勧め、高い費用を懸念する二人に援助すると言うが、「“老いじたく”を本気で考えなきゃ駄目」と一蹴され、自分の老後もそう遠くないことに気付かされる。

史朗は賢二に遺言書を残すことを提案し、「いっそのこと養子縁組を」と話すが、賢二は一度、養子縁組をしてしまえばいつか同性同士で結婚できる日が来てもできない、それに史朗と親子になりたいわけじゃないという。

■史朗「俺の人生で俺の遺産譲ろうなんて思う相手は、おまえぐらいだ」

後日、一緒にご飯を作ろうとする史朗を賢二は呼び止め、「昨日の話。シロさん、遺言書作って。それで俺、シロさんの遺産受け取るよ」と言い、「シロさんの俺への気持ちだって、分かったから。ありがとう」と続ける。

史朗は「俺がお前と死ぬまで一緒にいるかって話したけど、結論からいうと、やっぱり一緒にいるとは断言できない。この先俺たちに何があるか分からないから。でも、俺、これだけは思ってるんだ。俺の人生で俺の遺産譲ろうなんて思う相手は、おまえぐらいだ。ロマンチックな答えじゃなくて悪いな」と語った。賢二は「ううん、最高に嬉しいよ、シロさん。ありがとう」と史朗の気持ちを受け止め、史朗は切り替えて「さ、飯作るか。あと、遺言書もな」と笑った。

夕食を作りながら史朗は「あのな、ケンジ、もしもこの先、俺たちが別れることになったとして俺が死ぬときおまえが誰か別の人と暮らしてても、それはそれでいいんだよ。俺はお前が幸せなら」と心の中でつぶやく。

史朗の目線に気付いて、賢二が不安そうに「ん?」と聞くと、史朗は笑ってごまかす。すると賢二は何かを察して「一緒にいるよ」という。史朗が驚いて賢二を見ると「俺は死ぬまでシロさんと一緒にいる。死んでもいる」と笑うのだった。

史朗がしっかりと賢二への深い愛を抱えていることに感動していると、賢二の方はそれを見透かすような重い愛を吐露し、心が震える。2人がお互いを思い合う巨大感情に熱い涙があふれた。

◆構成・文=牧島史佳

誕生日プレゼントについて話し合う西島秀俊“史朗”と内野聖陽“賢二”/(C)「きのう何食べた? season2」製作委員会 (C)よしながふみ/講談社