年の瀬が迫り、肌寒く感じる日が増えた。寒い日は鍋が定番だ。鍋に入れる具材は様々だが、今の時期旬で、甘く柔らかい白菜は欠かせない。

そんな「冬の王様」白菜に異変が起きていて…。

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■白菜が成長しすぎて出荷できず…

遡ること1か月前の11月16日、夕方の情報番組『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日系)で今年の白菜が急成長していると報じられた。同番組が農園に取材した内容によれば、今年の白菜は通常より大きく、葉の色も濃い緑色になっているそうだ。

白菜

一見、野菜が大きく成長するのは好ましいことに思えるかもしれないが、成長しすぎた白菜は出荷できないものもあるという。白菜にとって、この状況はあまり喜ばしくないのだ。

 

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■白菜を心配する声も…

件の放送内容はSNSで拡散され、ネット上でも話題に。「もうなんか地球が心配」「冬の野菜なのに」「葉が青いと味も変わるのかな」「白菜大丈夫か」といった不安を抱く人が続出。

白菜は野菜の中でもカロリーが低く、肉や魚などどんな食材との相性も抜群。特に、11月~2月は、甘みが強くて美味しい。この時期、鍋に入れて食べる人も多いことだろう。

そんな「冬の王様」である野菜に何が起きているのか。『スーパーJチャンネル』にも出演した東京・立川市の『カラフル野菜の小山農園』の小山三佐男さんに話を聞くことにした。

 

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■農家が明かす現状にショック…

小山さんによれば、白菜が急成長した原因は暑さにあるという。今年は11月に入っても30℃を記録する地域が続出。季節外れの猛暑に見舞われた。

白菜

小山さんの農園では、11月に例年見られない現象が起きたという。「白菜の白い部分がなく、緑色の部分が増えています。本来、11月になると霜が発生して虫も死ぬのですが、今年は暖かいので虫もいるんですよ」(小山さん)。

「異常気象」は白菜に様々な悪影響を与えている。小山さんは、「通常、白菜は霜が降りることで糖を貯めようとして、身がギュッと締まります。ですが、暑いとふやけてしまい、身に空洞ができることもあるんですよ」と表情を曇らせる。

 

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■通常の白菜と比べると…

成長しすぎた白菜は、通常のものと比べて味に違いはあるのだろうか。こちらの質問をぶつけたところ、小山さんからは「鍋に入れて煮込んでも、クタクタになるというよりは、ベシャッと溶けてしまう感覚です。甘み、旨味が少なくジャリジャリした感覚があると思います」という回答が寄せられている。

小山さんは農園の仕事を13年やっているが、今回のようなケースは初めてだという。近年、日本では「夏」を長く感じることが増えたが、食物に悪影響となる例も見受けられる。

こうした異常気象が繰り返されないことを願いたい。

 

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■執筆者プロフィール

斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。

某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。

チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。

“冬の王様”白菜が急成長で大打撃、一体なぜ… 農園が明かす「原因」に耳を疑う