プレミアリーグ第18節、リバプールvsアーセナルが、日本時間23日26:30にアンフィールドでキックオフされる。クリスマス首位を懸けた2023年のプレミアリーグ最後のビッグマッチだ。

リバプール(勝ち点38)は前節、アンフィールドで行われたマンチェスター・ユナイテッド戦をゴールレスドローで終え、わずか1節で2位に転落となった。飛車角抜きの赤い悪魔を相手にシュート30本以上を記録する圧倒ぶりを見せたが、最後のところで粘る相手の堅守をこじ開けることができず。痛恨のドローとなった。

これで公式戦2戦未勝利となったレッズだが、ミッドウィークに行われたEFLカップ準々決勝では難敵ウェストハムに5-1の圧勝。主力と控えを織り交ぜたメンバー構成となったなか、MFソボスライのスーパーゴールを皮切りにMFカーティス・ジョーンズの2ゴール、FWガクポ、FWサラーと続いてユナイテッド戦の鬱憤を晴らすゴールラッシュとなった。この余裕の展開によって一部主力のプレータイムもコントロールし、公式戦3試合ぶりの白星とともに今回の大一番に向けて最高の調整となった。

一方、首位のアーセナル(勝ち点39)は前節、エミレーツでは相性が悪い難敵ブライトンと対戦し、2-0で完勝。リバプール同様にホームで相手を攻守に圧倒していたなか、FWガブリエウ・ジェズスの先制点、試合終盤のMFハヴァーツのダメ押しゴールによってゲーム内容をきっちり反映させる形での快勝となり、アストン・ビラ戦での敗戦をきっちり払しょくした。すでにEFLカップを敗退しており、中2日の相手に対して中5日と日程面で大きなアドバンテージを得たなかで首位攻防戦に臨む。

なお、昨シーズンの対戦はアーセナルが1勝1分けの戦績を残したが、リーグ戦でのアンフィールドでの対戦はリバプールが目下10戦無敗(7勝3分け)と圧倒的な強さを誇る。アーセナルにとっては2012年9月の勝利を最後に苦杯をなめ続けた鬼門となるが、先日に連敗を「12」でストップしたマンチェスター・シティ戦に続く、難敵撃破で悲願達成に向けた重要な勝ち点3を掴みたいところだ。

リバプール
【4-3-3】
▽予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.

GK:アリソン
DF:アレクサンダー=アーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ツィミカス
MF:ソボスライ、遠藤航、カーティス・ジョーンズ
FW:サラー、ヌニェス、ルイス・ディアス

負傷者:DFロバートソン、マティプ、MFチアゴ、バイチェティッチ、マク・アリスター、FWジョタ、ドーク
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはロバートソン、マク・アリスター、ジョタが復帰に近づいているものの、今回の一戦での復帰は時期尚早だ。その一方で、ユナイテッド戦で負傷交代したグラフェンベルフは復帰可能だ。
スタメンに関しては前述の11人の起用が濃厚だが、左サイドバックにジョーゴメス、左インサイドハーフグラフェンベルフやガクポが入るオプションも想定される。

アーセナル
【4-3-3】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:ラヤ
DF:ホワイト、サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコ
MF:ウーデゴール、ライス、ハヴァーツ
FW:サカ、ガブリエウ・ジェズス、マルティネッリ

負傷者:DFティンバー冨安健洋、MFファビオ・ヴィエイラ、トーマス、ジョルジーニョ、エルネニー
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者は冨安ら長期離脱組に加え、復帰間近のトーマス、軽傷を抱えるジョルジーニョ、エルネニーらの欠場が濃厚だ。

スタメンは現状のベストメンバーである前述の11人の起用が決定的だが、トロサール、キヴィオルらの抜擢もなくはない。

★注目選手
リバプール:MF遠藤航
Getty Images

評価急上昇の日本代表MFが痺れる首位攻防戦に挑む。今夏、MFカイセド、MFラヴィアらの補強失敗によって次善策として世界屈指の名門に加入した元シュツットガルトMF。ブンデスリーガではその能力の高さを知られていたものの、プレミアリーグ初挑戦となる30歳MFに対するファン、識者の当初の反応は芳しくかった。また、シーズン序盤は初挑戦のリーグプレーシーズンの順応期間を経ることなく加入した新天地への順応に苦戦し、思うようなパフォーマンスを見せられなかった。

それでも、全試合に出場したヨーロッパリーグでのプレーをきっかけに徐々にクロップのスタイルに順応すると、プレミアリーグ初ゴールを記録したフルアム戦での活躍をきっかけにリーグ戦でもパフォーマンスを改善。攻撃面に関しては判断、精度、積極性の部分で課題を残すものの、これまで見受けられたイージーミスや不用意なロストは減っており、“中盤の経由点”としては申し分ない。守備では持ち味の狙いを持ったアグレッシブな潰しを遺憾なく発揮し、インターセプトやボールリカバリーといった守備的MFに求められる指標では高いレベルの数字を記録している。

直近のユナイテッド戦、ウェストハム戦で守備面においては好パフォーマンスを継続したなかで臨むアーセナル戦ではより流動性、精度の部分で優れる相手の攻撃に対して、守備的MFとしての真価が試される。また、攻撃面ではボールを握られる展開が想定されるなか、カウンターの起点として自慢の3トップへの効果的な配球も期待したい。

アーセナル:MFデクラン・ライス
Getty Images

凄み増す万能MFが鬼門攻略の切り札。今夏、イギリス人史上最高額となる総額1億500万ポンドでアーセナル入りしたイングランド代表MF。加入当初こそ攻撃や繋ぎの部分で前所属ハマーズと大きくスタイルが異なる新天地への適応に苦戦した印象だが、現在はサカらと並んでチームのベストパフォーマーの一人として首位チームを牽引する。

とりわけ、ここ最近の試合では戦術への適応に加え、フィジカルコンディションを上げてきており、攻守両面で八面六臂の活躍。傑出したデュエルの強さ、推進力を遺憾なく発揮し、繋ぎやポジショニングの部分でも精度を増している。

さらに、17試合で3ゴールとキャリアハイとなった昨季の4ゴールにあと1点に迫る得点の部分では、ユナイテッド、ルートン戦での土壇場の決勝点、チェルシー戦での反撃の狼煙を上げるゴールと重要な局面での勝負強さが光っており、今回の首位攻防戦でも決定的な仕事を期待したい。