プレミアリーグ第18節が23日に行われ、トッテナムエヴァートンが対戦した。

 今夏に就任したアンジェ・ポステコグルー監督の下、トッテナムプレミアリーグ開幕10試合を8勝2分と無敗で駆け抜けた。だが、11月6日に行われた第11節チェルシー戦を1-4で落とし、今季のプレミアリーグ初黒星を喫すると、同試合を含む5試合で1分4敗と未勝利が続く。それでも、今月10日に行われた第16節でニューカッスルを4-1で破ると、続く15日開催の第17節ノッティンガム・フォレスト戦も2-0で勝利し、現在は2連勝中。3連勝を目指してホームにエヴァートンを迎える。

 対するエヴァートンプレミアリーグの財務規定違反によって勝ち点「10」をはく奪され、一気に19位に転落したが、現在はプレミアリーグで怒涛の4連勝。既に降格圏は脱出している。直近の公式戦にあたる19日開催のカラバオ・カップ(EFLカップ)準々決勝フルアム戦ではPK戦の末に敗退となったが、チームの士気は依然として上向きと言っていい。

 トッテナムクリスティアン・ロメロ、デヤン・クルゼフスキ、ソン・フンミンといった主力がスターティングメンバー入り。イヴ・ビスマとデスティニー・ウドジェは出場停止のため不在となるが、代わってオリヴァースキップエメルソン・ロイヤルが起用されている。一方、エヴァートンはドワイト・マクニール、ジャック・ハリソン、ドミニク・カルヴァート・ルーウィンらが先発に名を連ねた。

 試合は立ち上がりの7分、自陣でのボール奪取からドリブルで前進したマクニールがスルーパスを送るも、ペナルティエリア左へ侵入したカルバート・ルーウィンロメロタックルを受けてシュートまで持ち込めない。

 トッテナムとしてはロメロの素晴らしい守備で難を逃れると、直後の9分には試合を動かすことに成功。敵陣右サイドから攻撃を組み立てる中、パペ・マタル・サールからのスルーパスでブレナン・ジョンソンが右サイドを破る。中央へ折り返すと、ニアサイドへ飛び込んだリシャルリソンがダイレクトで押し込んだ。古巣対戦となったリシャルリソンが3試合連続ゴールを挙げ、トッテナムが先手を取った。

 先制を許したエヴァートンだったが、その後も立ち上がりの勢いを失うことなくチャンスを作り出す。16分、左サイド高い位置でボールを持ったヴィタリー・ミコレンコが左足でピンポイントのクロスボールを蹴り込むと、ボックス中央でカルヴァート・ルーウィンがヘディングシュート。ここはGKグリエルモ・ヴィカーリオの好セーブに阻まれた。

 一方のトッテナムは18分、右コーナーキックをショートで繋ぐと、クルゼフスキからのスルーパスでボックス右へ侵入したB・ジョンソンが右足を振り抜く。ここはGKジョーダン・ピックフォードの正面となったが、こぼれ球をソン・フンミンが押し込む。キャプテンの今季プレミアリーグ11点目で、トッテナムがリードを広げた。

 2点ビハインドとなった後もエヴァートンはゴールに迫るシーンを作っていたが、21分には予期せぬアクシデントが発生。ピッチ中央付近でリシャルリソンに寄せていったイドリッサ・ゲイェが左のふくらはぎ付近を痛め、プレー続行が不可能に。今季初出場となるアンドレゴメスとの交代でピッチを後にした。

 前半も終盤に差し掛かると、エヴァートンがゴールを脅かす回数を増やしていく。前半アディショナルタイムには左サイドでボールを持ったA・ゴメスが、左足でトッテナムの最終ライン裏へサイドを変えるスルーパスを送ると、抜け出したハリソンが左足でシュート。ここはGKヴィカーリオに阻まれ、前半はトッテナムの2点リードで終了した。

 後半に入るとエヴァートンは50分、自陣右サイドでアマドゥ・オナナがファウルを受けると、クイックリスタートで前線へロングフィードを蹴り込む。このボールは飛び出してきたGKヴィカーリオに処理されたが、こぼれ球を拾ったエメルソンからA・ゴメスがボールを奪い取り、背後のスペースへスルーパスを供給。ペナルティエリア右へ抜け出したカルヴァート・ルーウィンが右足でゴールネットを揺らした。エヴァートンが1点を返したかに思えたが、OFR(オンフィールドレビュー)を経てA・ゴメスファウルが確認される。ゴールは取り消しとなった。

 その後も前半と同様に両チーム決定的なシーンの数を増やしていき、エキサイティングなフットボールが展開される。できる限り早く1点を返したいエヴァートンは62分、敵陣右サイドで前を向いたハリソンが左足でアウト回転のかかったパスを送ると、ボックス右でジェームズ・ガーナーがこのボールに反応。ファーストタッチから右足を振り抜いたが、シュートはファーポストをかすめて枠の外へ。

 試合も終盤に差し掛かった82分、エヴァートンの左コーナーキックがファーサイドへ流れると、フリーで待っていたA・ゴメスが右足一閃。強烈な一撃を突き刺し、遂にエヴァートンが1点を返した。

 勢いに乗るエヴァートンは直後の84分、自陣右サイドでボールを引き取ったマクニールが左足で逆サイドへ展開すると、途中出場のアルノー・ダンジュマがペナルティエリア左へ侵入。左足から放たれたシュートは枠を捉えたが、ここはGKヴィカーリオに弾き出された。

 後半アディショナルタイムに入ってもエヴァートンが怒涛の攻撃を披露。90+5分にはペナルティエリア手前右寄りの位置からマクニールが左足でクロスボールを放り込むと、ファーサイドから走り込んだダンジュマがダイレクトで合わせたが、シュートはクロスバーに直撃。落下したボールがゴールに吸い込まれるかに思われたが、GKヴィカーリオが体に当てて防ぎ、トッテナムのゴールを死守した。

 最終的にこれ以上スコアは動かず、試合はこのままタイムアップ。好調なチーム同士の一戦はトッテナムに軍配が上がり、プレミアリーグ3連勝を飾った。一方、エヴァートンはこれでプレミアリーグ5試合ぶりの黒星に。チーム状態の良好さは見えたものの、GKヴィカーリオの好セーブなどもあって同点までは持ち込めなかった。

 次節、トッテナムは28日に敵地で三笘薫が所属しているブライトンと、エヴァートンは27日にホームでマンチェスター・シティと、それぞれ対戦する。

【スコア】
トッテナム 2-1 エヴァートン

【得点者】
1-0 9分 リシャルリソン(トッテナム
2-0 18分 ソン・フンミントッテナム
2-1 82分 アンドレゴメスエヴァートン

古巣戦で先制点を決めたリシャルリソン [写真]=Getty Images