プレミアリーグ第18節、リバプールvsアーセナルが23日にアンフィールドで行われ、1-1のドローに終わった。なお、リバプールのMF遠藤航はフル出場、アーセナルのDF冨安健洋は負傷欠場した。

リバプール(勝ち点38)は前節、アンフィールドで行われたマンチェスター・ユナイテッド戦をゴールレスドローで終え、わずか1節で2位に転落。飛車角抜きの赤い悪魔を相手にシュート30本以上を記録する圧倒ぶりを見せたが、相手の堅守をこじ開けることができず。それでも、ミッドウィークに行われたEFLカップ準々決勝では主力と控えを織り交ぜたメンバー構成となったなか、難敵ウェストハムに5-1の圧勝。公式戦3試合ぶりの白星を手にして今回の首位攻防戦に弾みを付けた。クロップ監督はユナイテッド戦から先発2人を変更。グラフェンベルフとヌニェスに代えてカーティス・ジョーンズ、ガクポを起用した。

一方、首位のアーセナル(勝ち点39)は前節、エミレーツでは相性が悪い難敵ブライトンと対戦し、2-0で完勝。ホームで相手を攻守に圧倒したなか、しっかりと複数得点を奪ってゲーム内容をきっちり反映させる形での快勝となった。EFLカップ敗退に伴い、日程面で大きなアドバンテージを得たなかで臨んだ大一番では2012年9月の勝利を最後に、10戦未勝利(3分け7敗)と苦杯をなめ続けた鬼門攻略を期した。なお、アルテタ監督はブライトン戦と全く同じスタメンで臨んだ。

アウェイながら前から果敢にプレスを仕掛けるアーセナルが良い形で試合に入ると、ファーストチャンスをいきなり先制点に結びつける。4分、相手陣内中央左で得たFKの場面でキッカーのウーデゴールが正確なクロスをゴール前のスペースに落とすと、相手ラインとの駆け引きをギリギリで制したガブリエウがヘディングシュートを左隅に流し込んだ。

ホームでいきなりのビハインドを背負ったリバプールはすぐさま反撃を開始。11分には遠藤の正確なミドルパスに抜け出したルイス・ディアスがボックス左のゴールライン際まで持ち込んで際どいクロスを供給。さらに、直後の13分には再び遠藤の左クロスから中央のガクポが頭でフリックしたボールを大外のサラーが左足ボレーで合わすが、これは惜しくもサイドネットを叩いた。

15分を過ぎてピッチ上の選手だけでなく会場も温まってきたなか、試合は中盤を中心に激しいトランジションの応酬が目立つ展開に。左サイドマルティネッリを起点にアーセナルがより効果的にフィニッシュ、あるいは相手陣内深い位置まで運ぶ場面が多かったが、ゴールをこじ開けたのはホームチームだった。

29分、自陣最後尾のアレクサンダーアーノルドが相手陣内右サイドのスペースへ絶妙なフィードを入れると、DFジンチェンコの頭上を越えたボールがサラーに繋がる。そのままボックス内に持ち込んだレッズのエースはカットインでジンチェンコを剥がしてニア上を射抜く強烈な左足シュートを突き刺した。

1-1の振り出しに戻った試合はここから激しさを増すと、リバプールアクシデントが発生。ベンチ前のタッチライン際でサカに弾き飛ばされたツィミカスがテクニカルエリアの最前線にいたクルップ監督と交錯。一連の流れで右肩を痛めてしまい、35分にジョーゴメススクランブル投入された。

引き続きハイテンポの流れが続くなか、前半終了間際にはサカの背後への抜け出しを起点にマルティネッリが際どいシュートを放てば、ジョーゴメスの果敢な攻撃参加で際どいシーンを作り出すなど、互いに勝ち越しゴールへ迫ったが、最終的に1-1のイーブンでの折り返しとなった。

互いに選手交代なしで臨んだ後半も拮抗した展開が続く。ボールの主導権を握ったリバプールは、ボールを失った際も遠藤が続けて良い潰しでカウンタープレスの起点となりフィニッシュに繋げていく。54分にはジョーゴメスが見事な攻め上がりからボックス左に持ち込んで右足のコントロールシュートを放つが、これは惜しくも枠の右に外れる。

時間の経過とともに今度はアーセナルが押し返し、徐々に試合が膠着し始める。これを受け、両ベンチが65分過ぎに動く。

リバプールは接触プレー後にヒザを気にするディアスに加え、ガクポとカーティス・ジョーンズを下げてエリオット、ヌニェス、グラフェンベルフを投入。これで3トップは右からエリオットサラー、ヌニェスという並びに。対するアーセナルマルティネッリに代えてトロサールを同じ左ウイングに入れた。

一連の交代によって試合に動きが出始めると、リバプールに後半最大の決定機が訪れる。72分、アーセナルの右CKを撥ね返したロングカウンターでサラーが中央を豪快に持ち上がっていく。ここで5-2の数的優位を作り出したが、ボックス右でサラーのラストパスを受けたアレクサンダーアーノルドの右足シュートは惜しくもクロスバーを叩いた。

以降も一進一退の攻防となった首位攻防戦は、1-1のスコアのまま最終盤に突入。互いに最後まで勝ち点3を目指してゴールを目指したが、集中した相手の守備を上回ることはできず。

この結果、白熱の首位攻防戦はややリバプール優勢もドローに終わり、アーセナルが首位キープに成功した。