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(写真:時事通信

内閣支持率の下落に歯止めがかからない岸田政権。12月の世論調査では、ほぼすべての調査で11月の調査よりも支持率が低下している。

退陣を求める声も多いなか、話題となるのが“次の首相”だ。本誌は、自民党自民党以外それぞれで次の首相になってほしい政治家を調査。石破茂衆院議員、小泉進次郎元環境相、河野太郎デジタル相、立憲民主党の泉健太代表、れいわ新選組山本太郎代表、国民民主党玉木雄一郎代表などの名前が挙がった。他社の「首相になってほしい人」に関する調査でも、特に自民党の次期総裁については同様のメンバーが並んでいる。

しかし同時に、これらの結果に対し「この人だけは首相にしないでほしい」という声も多く上がっているのが実情だ。そこで、今回は「首相になってほしくない」と感じる人について調査を行った。20代以上の500人を対象に、クロス・マーケティングのQiQUMOを利用している。

3位に選ばれたのは、「なってほしいランキング 自民党編」で2位に選ばれた小泉進次郎元環境相(42)。

なってほしいランキングでは、その理由として“若さ”が推されており、高齢化する議会の雰囲気を変えてほしいという期待がかけられているようだった。しかし、今回のアンケートでは《パフォーマンスが多くて実体がともなっていない》《人気だけで中身がない》とその”実力不足”を指摘する声が相次いだ。

自民党農林部会長時代には農協改革に切り込み’18年の種子法廃止を行ったほか、環境相時代には、石炭火力政策の見直しや、2050年カーボンニュートラルの目標設定などを行っている小泉元環境相。しかし、おそらく最も認知されているのは、国民の反感を買ったレジ袋の有料化だろう。

また、《小泉構文をよく目にするので国のことを任せるとなると不安要素が多いから》《言っていることがトンチンカン》など、中身のない発言への不満も多いようだ。

第2位に選ばれたのは石破茂衆院議員(66)。「なってほしいランキング 自民党編」では1位に選ばれるなど、根強い人気を誇る石破氏。「地方こそが新しい時代を創り、歴史を変える」をビジョンとし、防衛大臣、農林水産大臣などを歴任した実績もある。

一見人気があるように見える石破氏だが、“自民党内”での評判に不安があるという声が寄せられている。

《仲間に冷たい人には、なってほしくないです》
《人望がない》
《リーダー的な人物に思えない》
《ネチネチしてる物言いがイヤなことと、そもそも向いてない、と思うからです》

実際、石破氏はこれまで総裁選に4回出馬しているが、そのたびに国会議員票を集められず敗れてきた。石破氏自身でも、その不人気ぶりについて《石破は面倒見が悪いという悪口も聞きますが、金とポストを配れば面倒見がいいというのもナンセンスですよね》と’20年の婦人公論のインタビューで語っている。

また、石破氏が自民党内の不祥事や政策に対して、歯に衣着せず自身の意見を発信してきたことにも賛否が分かれている。パーティー券問題についても、テレビ番組で「お金の流れを明確にすることが政党の義務ではないか」と発言。自民党に従属しないスタンスは、“誠実”として人気を獲得する一方で、“裏切者”とも見られてしまうようだ。

そして第1位に選ばれてしまったのが、れいわ新選組山本太郎代表(49)。「なってほしいランキング 自民党以外編」では2位に選ばれている。現在の政治を変えてくれそうという期待や、物価高騰に対して、消費税廃止や減税を訴える姿勢が“庶民の味方”として支持されているようだ。

山本代表は、消費税の廃止や減税であれば、物価高にあえぐすべての人々が恩恵を得られ、実施までの期間も短くて済むと主張。不足する財源については、大企業法人税の負担を増やしたり、現在分離して課税されている金融所得の税率を高めること、国債発行を行って穴埋めするとしている。

しかし、この説明に納得できない人も多いようだ。今回のアンケートではこのような方針に対して、次のような厳しい指摘が相次いだ。

《理想論ばかり語っているように聞こえるから》
消費税廃止を唱えているだけで、具体策がない》
《言っている事が非現実的なことばかり》
《話している内容が感情的で一般人の質問のよう》

総じてみると、実績があり、人望があり、政策の実現性について納得感を与えられる人物が求められているようだ。実際問題として、国民一人一人が“この人”と首相を決めることはできない。納得できない人を首相にしないためには、国政に関心を向け、選挙に足を運ぶことが大切だ。