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12月17日に『どうする家康』が最終回を迎え、来年1月7日から始まる『光る君へ』にバトンタッチする大河ドラマ。

光る君へ』は主人公の紫式部吉高由里子(35)が演じ、脚本を務めるのは’06年の『功名が辻』も手掛けた大石静氏(72)。大石氏は『光る君へ』について《当時の政治劇も色濃く描きます。権謀術策と恋愛をうまく絡めれば、よりスリリングなドラマにできると思って頑張っています。ご覧くださるみなさまがハマってくださることを祈りながら》(「NHK」の公式サイト 23.12.17)と語っているが、SNSでも同作への期待値が高まっている。

光る君へにはちょっと期待してる。あまり描かれない時代で、よく知らない人物の話は興味がある》
光る君へ、めっちゃ楽しみ》
《どんな紫式部が観れるのか凄く楽しみです!!》

60年にわたる歴史を持ち、様々な名作が生まれた大河ドラマ。いっぽうで、視聴者の期待に沿えなかった作品も多々あるようだ。いったいどのような作品が、視聴者に評価されるのだろうか? 本誌は’11年以降に放送された大河について、「面白かった」「つまらなかった」と感じた作品について、20歳以上の500人を対象にアンケートを実施した。今回は「つまらなかった」大河ドラマについての結果を公表する。

まず第3位は’12年の『平清盛』だ。松山ケンイチ(38)が主演を務め、本当の親を知らないまま育った平清盛が日本を制覇していく様を描いている同作。脚本を手掛けたのは、’07年の『ちりとてちん』や’21年の『カムカムエヴリバディ』といった朝ドラ作品で知られる藤本有紀氏(55)だ。大河ドラマとしては異例の男色を描いたほか、骨太なストーリーは熱狂的なファンを生むことに。

一方、同作は当時、清盛にゆかりのある兵庫県の井戸敏三知事(78)が「まず画面が汚い。(視聴者が)チャンネルを回す気にならないのでは」と会見で話し、NHKに改善を申し入れたことも話題に。今回も《とにかく、映像が汚かった》《画面が薄汚れたような演出》というコメントが寄せられており、映像に対するネガティブなイメージもいまだ強いようだ。

これらの画面作りも影響してか、全50回の平均視聴率が12.0%と、当時「大河史上、最低の視聴率」として波紋を呼ぶことに。今回のアンケートでも《見ていて明るい気分になれなかった》《暗かった》《「もののけじゃあ」ばっかりでアホかと思った》など厳しい声が寄せられた。

■『いだてん』は「現代劇はどうかと思った」「北野武の語りが…」

続いて、第2位は’18年の『いだてん』だ。東京五輪の開催を控えるなか放映された同作は、’64年の東京オリンピックが実現するまでを描いている。第一部の主人公・金栗四三を六代目 中村勘九郎(42)が、そして第二部の主人公・田畑政治を阿部サダヲ(53)が演じるというW主演作品で、脚本は宮藤官九郎氏(53)が務めている。

人気脚本家である宮藤による作品だが、《オリンピックが近年だったからそれに乗っかってかもしれないが1話でつまらないと感じ2話以降は見ていない》、《日本オリンピック黎明期がどのような物であったか展開に期待したが、回を追う毎につまらなくなり、途中で観るのを止めた》とそのストーリーに満足できなかった人も多いよう。

また「大河ドラマ=時代劇」というイメージが強いためか、《大河的では無い。2020東京オリンピック応援ドラマだった》《現代劇はどうかと思った》《戦国時代じゃない》といったコメントも寄せられた。

さらに同作は放映時、五代目 古今亭志ん生さん(享年83)に扮してナレーションを担当した北野武(76)の声が聞きづらいという指摘がSNS上で相次いでいた。今回のアンケートでも《北野武の語りが聞きづらかつた。何を言ってるのか分からずストレスになった》との声が寄せられている。『いだてん』の出演者発表会見で「最も尊敬している落語家さんなので、その役が来たのが嬉しくてしょうがない」と語っていたほど、志ん生さんに憧れていた北野だが、志ん生さんを演じることはあまり向いていなかったのかもしれない。

■1位の作品には「途中で飽きた」「CGが多い」など不満噴出

そして残念ながら1位となったのは、今年度の『どうする家康』だった。本作は「面白かった大河」でも1位を獲得しているが、直近で視聴していた人が多いことから”つまらなかった”と答える人の票も集中したようだ。

松本潤(40)が主人公の徳川家康を演じる同作は、家康が乱世を奮闘しながら生き抜いていくというストーリー。脚本家は『リーガル・ハイ』や『コンフィデンスマンJP』(ともにフジテレビ系)といったドラマでおなじみの古沢良太氏(50)だ。

松本と古沢氏の強力タッグとなった『どうする家康』だが、途中で観るのを辞めてしまった人たちが多々いたようで、《最初見始めたが早めに見るのをやめてしまった。主役が物足らなかった》《好きな脚本家だったので期待していたが途中で飽きた》との声が。

同作の放送開始当初は、SNS上で主演の松本の演技に対して”家康感がない”との指摘が相次いで寄せられていた。今回のアンケートでも《主役がしっくりこないから》《家康役に松本潤というのがしっくりこなかった》とのコメントがあがっており、これらも離脱の要因となってしまったようだ。

また同作は、関ヶ原の戦いシーンで10万人の兵をフルCGで表現するなど映像にもこだわりをみせていた。バーチャルプロダクション(背景映像と被写体を合成し、リアルタイムで映像制作を行う技術のこと)を初めて導入した大河ドラマであり、演出統括を担当したNHKの加藤拓氏は《大河ドラマというメジャーなコンテンツでこの新技術に挑戦するのは、映像表現の進化とつくり方の劇的な改革に非常に有効だろうと思ったんです》(「CGWORLD.jp」23.05.17)と導入理由を語っている。

ところが、今回のアンケートでは《CGが多い》《CG感が無理だった》との声が寄せられており、不評の様子——。次作以降は、視聴者の期待に応えるができるだろうか?