おせち料理

街はクリスマスムード一色だが、25日が過ぎると一気に年越しの雰囲気に切り替わる。大掃除や年越しそばの手配、おせち料理をどうするか、など考えている家庭も多いだろう。

 
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■火を使わないための保存食

もともとは宮中で五節句(人日・上巳・端午・七夕・重陽)の際に、その年の福徳を司る歳徳神(歳神さま)にお供えする料理として始まったおせち料理。現在では、人日(1月7日)に近いお正月のみの風習として残った。

お正月の台所では、歳徳神をお迎えするためとして火を使わない習わしがあり、その間の保存食として年末までに作っておいたのが正月のおせち料理だという。

古くから伝わる保存食であるため、味が濃かったり、現代の嗜好には必ずしも合わない料理も。家族や親戚で集まる際、おせち料理がないと格好がつかない一方で、積極的に食べたいか…と問われると微妙かもしれない。

従来のおせちだけでなく、中華風イタリアンなどのご馳走を詰め合わせたセットも販売されている昨今。おせち料理を作る人、注文する人はどれくらいいるのだろうか。

 

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■5割弱は「買いも作りもしない」

Sirabee編集部が、12月1〜8日にかけて全国10〜60代男女1,000名を対象に「おせち料理の準備」について調査したところ、「セットを購入して作らない」と答えた人が12.2%。

「セットを購入するが一部は手作りする」との回答が13.6%だった。およそ4人に1人はセットを購入することが判明した。

一方、「購入せずに一部のメニューを作る」という人は20.9%。「ほぼ全部作る」派はかなり少なく、5.8%だった。47.6%と半数近い人は、今やおせち料理を買いも作りもしないという。

おせち料理

 

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■世代差も顕著

伝統的な食文化ということもあり、今回の調査では世代による意識差も大きい。

60代では、72.9%が購入するか作るかして、少なくとも一部のおせち料理を用意している一方で、10〜20代では58.6%がおせちに無縁のお正月を送っているようだ。

「ほぼ全部作る」というこだわり派は全世代で1割を下回っているが、セットを買うか否かはさておき一部は作るという人は、60代で6割弱、4〜50代でも4割弱に及んでいる。

おせち料理

 

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■執筆者プロフィール

タカハシマコトニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター

1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。

著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社

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