●うどんマニアが密かに通う東京・東村山市『手打ちうどん こげら』に突撃! 一体どんなうどんが味わえるのか、実際に食べてレポートします。

 讃岐うどんの本場といえば、香川県。そのうどん県に年に何度も通い、県外でも美味しいうどん屋があると聞けば遠征を繰り返すうどんマニアの知人がいます。仮にA氏としておきます。その彼に、「東京だと最近はどこが美味しいっすか?」と何気なく聞いてみたところ、「ちょっと遠くて営業時間が短いけど……」と前置きして教えてくれたのが、東京・東村山市にある『手打ちうどん こげら』でした。

 いわく、「『こげら』は、住宅街にあって、ご主人がひとりでやっている小さなお店。営業時間も昼だけの2時間ほどで、麺がなくなったら終了」とのこと。これはなかなかハードルが高いですね。その代わり、うどんは絶品で、さらに自家製のだし醤油も超美味しいから、ぜひ「釜玉うどん」か「しょうゆうどん」を食べてみて、とのこと。

 というわけで実際に行って確かめてきたので、その魅力をご紹介したいと思います。

うどんとだし醤油のシンプルな旨味に感激!

最寄り駅は西武国分寺線・西武拝島線の「小川駅」、もしくは西武拝島線の「東大和駅」
最寄り駅は西武国分寺線西武拝島線の「小川駅」、もしくは西武拝島線の「東大和駅」

 東京・東村山市にある『手打ちうどん こげら』。最寄り駅は西武国分寺線西武拝島線の「小川駅」、もしくは西武拝島線の「東大和駅」。都心から1時間はかかる上に、どちらの駅からも歩いて20~30分。確かに東京ではありますが、ここまで遠いとは!

 しかも、『こげら』の店はかなり小ぢんまりしており、周りには飲食店がほとんどないので、A氏に紹介されていなかったら、たとえこの道を車で走っても、うどん屋に気づくことなく素通りしていたと思います。

昼の11時~麺がなくなり次第終了と営業時間が短い。新参者なので少し緊張したが、先客と入れ替わりに入店すると、ご主人は笑顔で「好きな席に座ってね~」と声をかけてくれ、ホッと一安心
昼の11時~麺がなくなり次第終了と営業時間が短い。新参者なので少し緊張したが、先客と入れ替わりに入店すると、ご主人は笑顔で「好きな席に座ってね~」と声をかけてくれ、ホッと一安心

 さて、店前に外待ちのはなかったので、すぐに店の扉を開けてみると、カウンター・テーブル合わせて12~13席ほどの小さな空間は満席でした。しばらく外で待って、先客と入れ替わりに入店します。

 ご主人が、ワンオペでバタバタと忙しそうに切り盛りしているので、食べ終わったお客さんは、「ごちそうさま~」と言いつつ、丼や箸を返却棚まで持っていくのがこちらのルール。どこか牧歌的でのんびりした空気が漂っています。

 さっそく、メニューを見てみます。今回は、オススメの「釜玉うどん」にしようと思っていたのですが、「ごめんね。今日は釜玉、終わっちゃったんだよね~」とご主人。卵がなくなったのかもしれません。

『こげら』のうどんメニュー。かけうどん、しょうゆうどん、ざるうどん、釜玉うどんからチョイスでき、また量も4段階から選べる
『こげら』のうどんメニュー。かけうどん、しょうゆうどん、ざるうどん、釜玉うどんからチョイスでき、また量も4段階から選べる

 そこで今回は、「しょうゆうどん」(冷)の中盛(約300g)と、天ぷらのげそ天、ちくわ天も注文することにしました。

 さて、ほどなく登場した「しょうゆうどん」が次の画像です。

『手打ちうどん こげら』の「しょうゆ」(冷・中盛)500円
『手打ちうどん こげら』の「しょうゆ」(冷・中盛)500円

 しっかりと太いうどん。端には大根おろしと青ネギ。その上からだし醤油をさらりと回しかけた一杯は、見るからにみずみずしく、つややか。絶対に美味しいやつです。

 うどんを1本口に入れてみると、ツルンと滑りよく、噛むとムニュッ、ムニュッと跳ね返る弾力。さらに噛みしめていくと、顎にも伝わるしっかりとしたコシ。そして、噛むほどに小麦の風味が香ります。そこに、甘めのだし醤油のコクと風味が響いてきます。醤油は少量ですが、小麦の旨味を引き立たせる、ちょうど良い量です。ウマい!

うどん1本1本がモチモチ。その美味しさに圧倒される
うどん1本1本がモチモチ。その美味しさに圧倒される

 そして、『こげら』の美味しさは、うどんだけではありません。今回、注文した「げそ天」と「ちくわ天」も驚くほど美味しかった。ゲソは大きくてプリップリ。ちくわも1本ごとで、青のりがたっぷり。大きいのでハサミが一緒に共されます。この天ぷらたちが、とにかく旨いのなんの。

 大げさでなく、これまで食べてきたうどん屋の「げそ天」と「ちくわ天」の中で、ダントツの美味しさです。これがたったの100円なんて、安すぎやしませんか?

手前は「げそ天」100円、奥が「ちくわ天」100円
手前は「げそ天」100円、奥が「ちくわ天」100円

 今回、うどんの量は並(180g)ではなく、中盛(300g)にしました。筆者は大食いではないのですが、食べ終わったときに、まだまだ食べられるし、おかわりしたいくらいでした。

 というわけで、讃岐うどんマニアに教えてもらった『こげら』。都心から1時間以上かかっても、その美味しさ、ゆるい空気感含めて、またぜひ行きたいと思えるお店でした。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:手打ちうどん こげら

住:東京都東村山市富士見町2丁目6−72
TEL:042-391-6717 
営:11:00~13:15(麺切れ次第終了)
休:水・木
備考:店の裏に駐車場3台あり

『手打ちうどん こげら』の「しょうゆ」(冷・中盛)500円 | 食楽web