代替テキスト

2023年は『下剋上球児』(TBS系)や『パリピ孔明』(フジテレビ系)など、人気漫画や小説のドラマ化が話題になった。賛否両論がつきものの実写化だが、そのなかでも“原作キャラクターの再現度”はドラマの評価に大きく関わる「成功のカギ」ともいえるだろう。

そこで本誌は、「2023年原作ものドラマの再現度が高かった俳優」について、300人を対象にアンケートを行った(12月15日~)。

同率2位となったのは、『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)の奈緒(28)と、『下剋上球児』の鈴木亮平(40)。

『あなたがしてくれなくても』はセックスレスに悩む二組の夫婦を描いた恋愛ドラマ。奈緒が演じたのは、夫との仲はいいがセックスレスに悩む妻・みち。周りからは幸せそうに見える夫婦の抱える、ナイーブで打ち明けにくい問題に切り込んでいく作品だ。

夫との関係を何度も修復しようと試みながら堪えきれない気持ちを訴える場面は《温厚ながらも自分の感情を爆発させた演技は印象深い》(60代女性/専業主婦)など、心情が伝わってくると好評。話題にしづらいテーマ、かつ下着姿のシーンもあったことから、《大胆な演技にも果敢に挑み、かつ繊細な心理表現もこなしていた》(40代男性/専門職)と、奈緒の演技の幅を広げた作品となった。

『下剋上球児』で鈴木が演じたのは、高校社会科教員で、廃部寸前の弱小高校野球部の監督。部員集めと指導に奔走し、隠された己の過去を背負いながら負け続きの高校球児たちとともに甲子園を目指す青春群像劇で、ノンフィクション作品『下剋上球児』を原案としている。

到底勝てっこないと言われていた野球部で生徒を信じ甲子園を目指す姿に、《目標に向かって粘り抜くイメージがピッタリ》(40代男性/派遣社員・契約社員)と鈴木の役柄がハマっているとの声が。実は教員免許を持っておらず、野球部の未来を守ために葛藤する心情描写も印象的で、《陰のある教師と野球部の監督役でしたが、演技も野球も上手でした》(70歳以上女性/専業主婦)と多くの視聴者は原作通りのキャスティングに満足したようだ。

そして栄えある1位に選ばれたのは、『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日系)の菅野美穂(46)。菅野が演じるのは、自宅で手芸教室を開きながら平凡な暮らしをしていた主婦・ゆりあ。突然夫が倒れ要介護となった矢先、その彼氏と彼女、隠し子までいたことが発覚し、介護のために同居生活を送ることに。介護の問題を浮き彫りにしながらも、明るく動じない主婦ヒロインを演じた。

介護が必要になった夫だけでなく、彼氏や隠し子たちと同居するという非現実的な状況にも関わらず《日常現実的なかんじがした》(50代男性/会社勤務)と思わせる演技力が、高く評価された。さらに問題事を全部受け止めてくれそうなゆりあのタフさは、《キャラが菅野美穂でぶっ刺さっている武者のような立ち振る舞い》(30代男性/会社勤務)《何事にも動じないしっかり者という感じ》(60代女性/専業主婦)など、まさに菅野がハマり役!と絶賛されている。

原作を尊重しながら作品を再度楽しむことができる実写化ドラマ。来年もぴったりなキャスティングで視聴者を楽しませてくれることを期待したい!