サメの中でも大型として知られているメジロザメ目のイタチザメは、成熟すると3m前後となり最大で6m以上、900kg以上の個体も報告されている。
好奇心旺盛で餌の選り好みをせず、なんでも食べる機会選択的捕食者で、ホホジロザメに次いで人間への被害が報告されている。(とはいえサメによる人間への攻撃は非常に稀でである)
そんなイタチザメと、20年以上にわたり友情を育んでいるダイバーがいるという。全長4.6mものイタチザメと知り合うきっかけとなったのは、ダイバーがサメに刺さっている釣り針を抜いてあげたのが最初だ。
Diver Swims With 'Friendly' 15-Foot Tiger Shark
アメリカ・フロリダ州に住むダイバーのジム・アバネシーさんは、全長4.6mのイタチザメと22年以上にわたり友情を育んでいる。
ジムさんは、イタチザメにエマという名前までつけている。
エマとの最初の出会いは2001年。タイガー・ビーチ周辺でダイビングをしていたジムさんは、数メートル先を旋回する大きなイタチザメを初めて見つけた。
エマが自分に近づいて来たとき、ジムさんはエマの口に釣り針が刺さっていることに気が付いた。そこで彼は、危険を承知の上でエマの口から釣り針を引き抜いた。
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その後も、ジムさんは何度かエマの口から4本の釣り針を外したそうだ。
エマはジムさんの存在を認識し、受け入れたようで、その後両者の間に奇妙な友情が芽生え、現在に至るまで交流を続けているという。
犬や猫のような甘える仕草で愛情を示すエマ
エマはジムさんがバハマのタイガー・ビーチでダイビングをするたび近づいてきて、ジムさんがダイビングギアを変えてもわかるようになった。
エマは私のハンドシグナルを覚え、撫でられるのが大好きな遊び好きな犬のように振る舞うようになりました。(ジムさん)
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親愛の印としてジムさんに頭をこすりつけるエマの仕草は、一般的に危険だとされるイタチザメからは想像もできないほど愛らしい。
だが、それこそがサメに対する人々の認識を変えたいという、ジムさんの思いを発信できるいい機会なのだという。
サメの攻撃性に関する誤解は、メディアによる過剰な報道や映画などのポピュラーカルチャーに根ざしたものだ。
実際には、ゼロとは言わないが、サメによる人間への攻撃は非常に稀であり、多くの場合、誤認や偶発的な接触によるものと言われている。
サメは自然界において重要な役割を果たしており、多くの種類が絶滅の危機に瀕しているのも事実だ。
エマを特別な存在にしているのは、本当に大きく巨大な彼女が自分を見るとき、これが最後かもしれないと思わせられる興奮を感じることです。
でも、短い時間ですが水中での交流は、とても感動的で衝撃的です。エマが実はとても愛情深いことに気づかされます。
実際、サメも犬や猫と同じように知覚のある生き物なんです。
エマの場合は、レトリバーと草むらで転げまわるようなもので、とても楽しく愛情に満ちていますよ。
予想もしていなかったサメの愛情深い一面を発見できたときの喜びは、人生最高の出来事として、ジムさんの心の中にずっと残っているようだ。
イタチザメの寿命は30年から40年程度と考えられているが、50年以上生きる個体もいるという。このままジムさんとエマの友情は続いていくことだろう。
References:Scubadiver Has Been Friends with a 15-Foot-Long Tiger Shark for Over Two Decades/ written by Scarlet / edited by parumo
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