30年前、当時6歳で重い病気を患っていた少女はボランティア運転手のデーヴ・ボーレンさんの車で、病院と自宅を結ぶ270kmの長旅を何度も共にした。
そして今、彼女は彼に究極の恩返しをすることとなる。
デーヴさんは末期の腎不全と診断され、一生透析を受け続けるか、腎臓移植を受けるしか選択がないと宣言された。
今でも交流を続けている当時の少女は、彼に命を救う贈り物を返すことにした。腎臓移植の提供者になることを申し出たのだ。
【画像】 6歳の少女の病院までの送迎を行っていたボランティア運転手
デーヴ・ボーレンさんは今から30年前、アメリカ・インディアナ州で患者を自宅から病院へ送迎するボランティア運転手として勤務していた。
ある日、クリスタルという6歳の少女と知り合った。
羊膜帯症候群で生まれたクリスタルさんは、脚を切断する可能性があるほどの窮地に陥り、サマービルの自宅から270km以上も離れた、セントルイスのシュライナーズ小児病院まで通わなければならなかった。
クリスタルさんの父親は当時長時間働いていたため、娘を遠く離れたセントルイスの病院まで連れて行くことは困難だった。
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一家は、地元のシュライナーズ慈善団体から病院送迎を行ってくれる男性を紹介された。それがデーヴさんだった。
10回にわたる自宅と病院の3時間の長旅で、クリスタルさんとデーヴさんはたくさんの会話を交わした。
デーヴさんは最初こそ見知らぬ親切な「ボランティア運転手」だったが、すぐにそれ以上の存在になった。
車の中で2人は友達として話すようになり、その思いがけない友情は現在に至るまで30年以上も続いてきた。
今度は男性が腎不全に。大人になった少女の恩返し
最終的に義足となったクリスタルさんと親交を深め続けたデーヴさんは、十数年後に結婚式に招待されるほどの仲になったという。
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やがて年月が経ち、病気になったデーヴさんは末期腎不全と診断された。
医師からは、一生透析を受けるか腎臓移植が必要だと言われ、腎臓を手に入れるには最低でも5年はかかるといわれた。
それを知ったクリスタルさんは、自身の夫が肝臓移植を受けて命を救われたばかりだったこともあり、すぐにデーヴさんに当時の恩返しをしようと思った。
検査の結果、同じ血液型であることを知った彼女は、ためらうことなくデーヴさんに片方の腎臓提供を申し出た。
クリスタルさんはこのように思ったという。
私の腎臓は、デーヴが望めばいつでも彼のものよ
腎臓移植の手術に成功したデーヴさん、喜びと感謝を示す
デーヴさんはクリスタルさんからの申し出に驚き、喜んだ。
だが、彼女が3人の子供の母親であり、フルタイムの仕事をしていることを知っていたため、その申し出を躊躇した。
それでもクリスタルさんの意思は固かったようだ。
彼女は強く提供を勧めてくれました(デーヴさん)
最終的に今年の5月、1年間の透析生活の後、デーヴさんはクリスタルさんの申し出に応じた。
「荷物をまとめて、デーヴ。ちょっと中古だけど新しい腎臓を手に入れるのよ」ってクリスタルは笑いました(デーヴさん)
デーヴさんの手術は成功した。クリスタルさんは喜びとともにこのように話している。
小さい頃からデーヴはとても優しくて、何でも喜んで手伝ってくれたの。
どうしてあんなに私たちに良くしてくれるんだろうといつも疑問に思っていた。なぜなんだろうといつも不思議だったわ。
私にとっては第2の父親みたいな存在よ。私は片足だけど腎臓は2つある。デイブに腎臓をひとつあげることができたのならそれで満足なの
クリスタルさんの思いやりと厚意に、デーヴさんは感動と感謝でいっぱいだ。
これは決してお返しのできない素晴らしい命の贈り物です。クリスタルにはとても感謝しています。
今、僕は何でもできるような気がしています!!
References:Volunteer Hospital Driver Gets Favor Returned Decades After Becoming Friends with a 6-yo–She Gave her Kidney/ written by Scarlet / edited by parumo
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