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復活目指すTVR 工場予定地の権利を失う

英国の自動車メーカーであるTVRは、新型スポーツカーのグリフィスを生産する予定だった新工場の権利を失ったと報じられている。ブランド復活への影響が懸念される。

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英サウス・ウェールズアーガス紙によると、イングランド南西部ウェールズのブレノー・グウェント郡にある工場用地について、TVRの独占的権利が失効し、他者に提供されることになったという。

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TVRグリフィス

現地の地域サービス担当ディレクターであるエリー・フライ氏は、アーガス紙に対しこう語っている。

「過去6か月の間に、この規模の建物に対する問い合わせが何件もありました。サウスウェスト・ウェールズにはこのような建物はほとんどないため、人気のあるサイズです」

TVR1946年に英国で設立され、数多くのスポーツカーを開発・生産してきた。2006年に経営破綻したが、2013年に現オーナーのレス・エドガー氏が経営権を取得し、以来復活に向けて取り組んでいる。

2017年には新生ラインナップ第1弾としてグリフィスを公開し、V8エンジン搭載の2ドア・クーペとすることを明らかにした。昨年にはEV版の導入も決定し、2024年に事業を本格的に始動するとしていた。しかし、正式発表から6年を経た今でも生産体制が確立されていない。

TVRは「数年前から行ってきたように、ウェールズ政府と自動車生産のための用地について話し合いを続けている」と述べ、依然として国内で生産する計画を示している。

ウェールズ政府は2016年にTVRに出資し、株式を3%保有するなど密接な関係にあった。TVRはこの取引の一環として200万ポンドの融資を受けたが、その後返済している。

TVRは、ブレノー・グウェント郡を工場予定地に選んだ理由として、ウェールズ政府が近隣にサーキットを建設する計画を立てていたためと説明。同サーキットは2016年にオープン予定だったが、その後開発が進まず立ち消えとなった。

新たな展開として、TVRはハンプシャー州のスラクストン・サーキットに新たな拠点を設けると発表した。しかし、施設の完成時期や、そこで行う事業内容(生産か、その他の業務か)については明言を避け、同サーキットを「最先端のスポーツカーのテストと改良に使用し、性能と品質が最高水準に達するようにする」予定だと述べている。


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