トレード拒否権を契約に盛り込んだ大谷。その判断はドジャースにとって異例だった。(C)Getty Images

 今オフにメジャーリーグで一大センセーションを巻き起こしたのは、間違いなくドジャースだ。

 常勝軍団は、驚愕の札束攻勢で移籍市場の話題を独占した。現地時間12月9日大谷翔平と10年総額7億ドル(約1015億円)のプロスポーツ史上最高額の契約を成立させると、7日後にレイズからトレードで獲得していたタイラー・グラスノーと5年1億3500万ドル(約195億7500万円)で新契約を締結。そして、21日にはポスティングメジャー移籍を狙っていた山本由伸を12年総額3億2500万ドル(約471億2500万円)で獲得した。

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 約1か月で3選手に総額11億6000万ドル(約1682億円)を投資した。これは「この10年間を成功だと思っていない」という勝利を渇望する球団の意欲の表れとも言える。

 怒涛の大型契約ラッシュの中で、とりわけ世界を驚かせたのは大谷の契約だろう。全体の97%に当たる6億8000万ドル(約994億円)を後払いにするという異例の支払い形態となったメガディールは、経済紙などもトピックとして取り上げる規模となった。

 巨額の投資を行った常勝軍団も、相当な決意を示した契約だった。米専門サイト『Dodger Blue』によれば、2014年にアンドリューフリードマン編成本部長が就任して以来、ドジャースは選手との契約にトレード拒否権は付帯してこなかったものの、大谷との契約で初めて付帯させた。

 同サイトによれば、当初はフリードマンをはじめとするドジャース首脳陣はトレード拒否権を付帯するかに「消極的」だったという。がしかし、大谷側が異例の後払い契約の意思を示したために考え方を変更したという。

 なお、大谷側はドジャースとの契約にマーク・ウォルターオーナーフリードマン編成本部長のどちらかが役職を退いた場合にのみ契約解除できる条項を盛り込んでいる。これは、トレード拒否権付帯を配慮してくれた首脳陣に対する恩義の表れなのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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