2023年1月から日本販売を開始した中国EVブランド、BYD。その 第2弾がドルフィンだ

【価格破壊 驚愕の EV】コスパは文句ナシに最強!予想以上に使えておしゃれなバッテリーEV「BYD ドルフィン」『小沢コージの遊べるクルマ』の画像一覧

MonoMax本誌にて好評連載中の「小沢コージの遊べるクルマ」では、自動車ジャーナリストの小沢コージさんが、ただの移動手段として使うだけではもったいない、遊びたくなる魅力を秘めたおすすめの1台を紹介しています。

今回は、「遂に上陸した 300万円以下の本格中国EV! もしや日産サクラよりお買い得かも?」と小沢さんが評するBYD (ビーワイディー)ドルフィンを取り上げます。

魅力は価格と電池量だけじゃない!

日本でも徐々に進むEV(電気自動車)シフト。だが、簡単にはいかない部分が多く、ネックはまだまだ少ない充電施設と高くなりがちなバッテリーの価格だ。現状国内で買えるロングレンジEVは、大抵500万円以上はするし、補助金を使って200万円を切る軽EVの日産サクラバッテリー搭載量が少なめで、モード走行で約180㎞走るのが限界。

だがその「高くて買いづらい」EVのイメージを覆すアジアンEVが上陸した。BYDドルフィンだ。2023年1月にアニキ分のコンパクトSUV、アット3が上陸。それに続く第2弾だが実はこちらのほうが本命。なぜなら性能からは想像できない圧倒的なコストパフォーマンスを発揮するからだ。グレードは標準と電池多めのロングレンジから選べるが、なかでも標準のインパクトがすごい。何しろWLTCモードで400㎞も走れる44.9kWhの電池を積んでいながら363万円。経産省が出す65万円の補助金を引くと298万円で300万円切り。

ぶっちゃけ日産サクラのハイグレードモデルは、補助金を使ってほぼ250万円で買えるが電池容量は半分以下なので半分も走れない。オマケに安全性の高いリン酸鉄を使ったBYD独自のブレードバッテリーを使用する。さらにすごいのは、基本ワンプライスで装備が充実していること。日本車ではオプション扱いにされがちな12.8インチの回転式ディスプレイや先進安全装備がてんこ盛り。なかでもBYD独自開発の車内ミリ波レーダーを使った「幼児置き去り検知システム」が優れ物で、これまた標準で装備する。

デザインやインテリアはちと中国車らしく個性的で、好き嫌いは分かれる。だがドルフィンの名前の通り、海洋生物をイメージしたフォルムはキュートだし、LEDライトもてんこ盛り。インテリアのシート表皮は人工皮革でクオリティは高い。走りも国産EVと比べると多少荒さは目立つが決して悪くない。何よりもコスパは文句ナシに最強。現代EVビジネスに風穴を開ける衝撃作なのだ。

400㎞走れて補助金込み300万円切り! BYD独自のコスパとブレードバッテリー

標準グレードが44.9kWhの大容量電池を搭載して363万円と激安ドルフィンの最大のキモはずばりコスパ。WLTCモードで400㎞も走れる標準グレードが44.9kWhの大容量電池を搭載して363万円と激安。さらに65万円のCEV補助金を使うと300万円以下!

日産リーフより数十万円安い上、長距離走れる。秘密はBYD独自のリン酸鉄を使った安価で安全なブレードバッテリーで、大容量の58.56kWh電池を搭載したロングレンジは476㎞も走れる上、407万円でこれまた補助金を使うと342万円。ぶっちゃけ国産車ならハイブリッドの価格だ!

車名通りのキュートなドルフィン !サイズはVWゴルフ並みで扱いやすい

ドルフィン(イルカ)をイメージしたデザインは人によっては可愛すぎると思うかもしれないが、つぶらな瞳が印象的全長×全幅×全高は4,290×1,770×1,550㎜と国内でも扱いやすいコンパクトカー、VWゴルフの車高を少し高くした程度。それでも立体駐車場に入る高さだから大助かり。

全長×全幅×全高は4290x1770x1550㎜と国内でも扱いやすいコンパクトカー、VWゴルフの車高を少し高くした程度

大人5人が全席に余裕で座れて、その状態でもトランク容量345Lとなかな かオマケに室内はEVらしくホイールベースが長く、大人5人が全席に余裕で座れて、その状態でもトランク容量345Lとなかなか。

全長×全幅×全高は4290x1770x1550㎜と国内でも扱いやすいコンパクトカー、VWゴルフの車高を少し高くした程度ドルフィンイルカ)をイメージしたデザインは人によっては可愛すぎると思うかもしれないが、つぶらな瞳が印象的。気に入ったら買いだ!

ワンプライスでハイテクほぼフル装備! 日本車にはない幼児置き去り検知まで搭載

標準グレードから、縦にも横にもなるBYD独自の12.8インチのハイテクディスプレイの Diリンクや合皮シートを標準装備侮れないのは走りはもちろんクオリティと装備面。

標準グレードから、縦にも横にもなるBYD独自の12.8インチのハイテクディスプレイの Diリンクを標準装備標準グレードから合皮シートを標準装備363万円の標準グレードから、縦にも横にもなるBYD独自の12.8インチのハイテクディスプレイのDiリンクや合皮シートを標準装備。

その他追従オートクルーズ機能やレーンキープアシスト、国産コンパクト系では外されがちなブラインドスポットインフォメーションも標準だ。なかでも面白いのはBYD独自の幼児置き去り検知システムで車内にミリ波レーダーを装備し、車内で人を感知し、車室内温度が上がりすぎたら自動で冷房をかけ、やがて警報を発し、万が一の幼児の置き去りを防ぐ。

ビーワイディー「ドルフィン」スペック

全高は1550㎜と立体駐車場に 入る高さだから大助かり

BYDビーワイディー)ドルフィン ¥3,630,000~
●全長×全幅×全高=4,290×1,770×1,550㎜
●モーター最高出力=70kW(95PS)/3,714-14,000rpm
●モーター最大トルク=180N・m(18.4kgm)/0-3,714rpm
●一充電走行距離=400㎞
●交流電力量消費率(BYD調べ)=129Wh/㎞
※数値はドルフィン

2023年1月から日本販売を開始した中国EVブランド、BYD。その第2弾がドルフィン。骨格はEV専用のeプラットフォーム3.0でサイズはVWゴルフと同等。363万円の標準グレードと407万円のロングレンジが選べて、どちらも航続距離400㎞以上と安すぎる。

2023年1月から日本販売を開始した中国EVブランド、BYD。その 第2弾がドルフィンだ

小沢コージ
愛情あふれる独自の視点でクルマを語るバラエティ自動車ジャーナリスト。雑誌を中心にWebなどにも多数寄稿。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める。

取材・文・撮影/小沢コージ

【価格破壊 驚愕の EV】コスパは文句ナシに最強!予想以上に使えておしゃれなバッテリーEV「BYD ドルフィン」『小沢コージの遊べるクルマ』