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超特急が昨日12月25日に大阪・Zepp Namba(OSAKA)でファンクラブイベント「BULLET TRAIN 12th Anniversary Special Event『Birthday』」を開催した。

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7人のサンタとトナカイ、クリスマスツリー

このイベントは、当日に結成12周年を迎えた超特急の“誕生日”を祝うべく開かれたもの。昼夜2部のうち、第2部はYouTubeでの生配信も行われ、会場に集まった8号車(超特急ファンの呼称)のみならず、それぞれの場所から応援する8号車も超特急の9人と特別なひとときを過ごした。また、第2部では2022年8月にグループに加入したシューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルの担当も発表に。全員に担当が付いた“完全体”で、超特急は13年目の第1歩を踏み出した。

いつも開演前の場内アナウンスを担当しているリーダー・リョウガの突然の指名によって役目を交代することになったアロハの、初々しくたどたどしいアナウンスから始まった第1部。マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」がオープニングSEとして鳴り響くと、超特急はサンタクロースの格好で8号車の前へ現れた。2号車のカイから順に列を成す“超特急サンタ”に8号車が大いに盛り上がる中、年少コンビの13号車・アロハは赤鼻のトナカイ、14号車・ハルはクリスマスツリーのコスプレで姿を見せる。どこか納得のいかない様子のアロハは「なんで違うの?」と照れ笑いをしながらひと言。一方のハルはユーキにステージセットのツリーと間違われたり、カイから「ハル、私服衣装かと思った」という風評被害を受けたりと年上メンバーにイジられつつ、その着ぐるみのような愛らしいフォルムでフロアから「かわいいー!」という声を一身に集めた。

「奇跡よ起これ!」“ルームキー紛失事件”の続報

「みんなには先に謝っておこうと思うんだけど、僕ら昨日までの『T.I.M.E』(ワンマンライブ)で出し切ったからグダグダだと思います(笑)」。そんなタクヤの“謝罪”から始まったイベントでは、ゲームコーナー、FM大阪のレギュラーラジオ「超特急のRADIO EXPRESS」の公開収録とミニライブが行われた。第1部でMCを担当したカイは、ゲームコーナーは個人戦で、MVPにはサンタさんからのプレゼントが贈られることを説明。まず初めに行われたのは「気持ちを連結!ピッタンコ連想ゲーム」というゲームで、これはお題に対しての回答がそろった人数が多いほど、獲得ポイントがアップするというもの。全員が同じ答えだと“ドボン”になってしまうため、メンバーはお互いの動向を伺いながら回答を重ねていった。

「天然のメンバーといえば?」というお題が投げかけられると、リョウガ、タクヤ、ユーキ、シューヤ、アロハ、ハルと6人ものメンバーが「マサヒロ」と回答。圧倒的支持を得たマサヒロは「選ばれた人はポイントもらえないんですか?」とマイペースに疑問を投げかけて笑いを誘う。一方で、1人「己」と書いたタカシの回答も光り、タカシはこれに「逆におらんかったんや……」とつぶやいた。そして、「ユーキ」と書いたカイは、前日のライブのMCで話していたユーキの“ルームキー紛失事件”の続きをここで暴露。カードキーが入っているはずのない財布をドアの読み取り部分にかざし「奇跡よ起これ!」と言っていたという強力な天然エピソードで、回答に説得力を持たせた。

バカ→ ←うるせえ木

続く「ライブグッズといえば?」というお題ではシューヤが「メンプロ」(メンバープロデュースグッズ)と書き記してひときわ異彩を放つ中、アロハが「キーホルだー」とフリップに記入したことで、リョウガが「アイツが一番天然じゃねえか!」と爆笑。するとアロハの左側に座るハルは、自身のフリップに「バカ→」と書き込むイタズラを発動し、アロハも「うるせえ木←」と書き返して小競り合いを繰り広げる。次に「アーティストに必要なものといえば?」というお題が投げかけられると、アロハ&ハルの反対サイドに座っているカイ&リョウガが「愛」という回答で唯一答えを合わせ、2人ドヤ顔でハートマークを作り上げる。そんな2人の隣に座るタクヤは「かえの下着♡」と書いて恥じらう姿を見せ、8号車の歓声を集めていた。

メンバーの回答がカオスを極めたのは「かわいい動物といえば?」というお題が投げかけられたとき。カイは「タカシ」、タクヤとユーキは「ハル」とメンバーの名前を書き入れ、タカシは「キノボリカンガルー」、シューヤは「ライオンの赤ちゃん」と、マイペースに“推し動物”を挙げていく。すると、アロハは「↑(トナカイ)」、ハルはアロハを指す矢印で「トナカイ→」と答え、直前までケンカの素ぶりを見せていた2人の仲のよさに会場は大盛り上がり。アロハとハルも、カイ&リョウガに負けじと2人でハートマークを作り、満足げな笑みを浮かべていた。

2つ目のゲームは、しりとりの文字数の分だけ「黒ひげ危機一発」の樽に剣を挿していくというオリジナルゲーム「華麗にキャッチ!しりとり黒ひげ出発進行」。しりとりの文字数が多いほどポイントを獲得できるが、黒ひげが飛び出してしまったらポイントは0に。一方で、飛び出した黒ひげ5体を手のひらサイズの網でキャッチできたら100ポイントが獲得できるというチャンスも用意された。あえて文字数の多い言葉を選んでポイント大量ゲットを狙うユーキやハル、「ル」のしりとり言葉を考えるシューヤに「ルービックキューブでいいじゃん」とほのめかすリョウガ、メンバーが黒ひげを飛ばしまくる乱戦に「ねえ、全然しりとり続かない!」と嘆くカイなどそれぞれの性格が表れた熱戦が続く中、黒ひげキャッチの才能を開花させたハルが存在感を光らせる。2つのゲームの合計獲得点数を合わせての結果発表でも、ハルが2位のシューヤ(290ポイント)に160の差をつける450ポイントでMVPを獲得し、超特急のマネージャーによく似たサンタクロースから「年末ジャンボ宝くじ」の副賞をゲットした。

メンバーからの重大発表、2桁号車の担当は

YouTube生配信が行われた第2部では、メンバーカラーのジャケットでドレスアップして8号車の前に姿を見せた9人。進行を務めたリョウガは、この回のオープニングでは重大発表として、2桁号車の担当発表があることを8号車に伝えた。突然の知らせに驚きと喜びの声が飛び交う中、2桁号車の4人は自らの口で担当発表をしていく。まずシューヤが「シューヤの担当は、チャラチャラ担当! イェーイ!」と発表して、顎にピースを当てる決めポーズ。続くマサヒロが「ごはん担当です」と宣言すると、大食漢の彼にぴったりの担当に8号車からは喜びの爆笑が巻き起こり、メンバーも「最高、最高(笑)」「ずるい!」と声を上げる。アロハは拳を突き出して「真っ直ぐ担当です」と凛々しく発表。最後のハルは「怪獣担当です」と言って“ガオー”とポーズを決めた。

それぞれの担当に会場の興奮が収まらぬ中、1桁号車の5人は担当の理由を2桁号車にインタビューしていく。シューヤが「だって、チャラチャラっていう言葉は僕のためにあるんですよね?」と言うと8号車はペンライトを回して盛り上がり、この様子にカイは「チャコール(シューヤのメンバーカラー)のペンライトがまあまあ盛り上がってるのよ(笑)」と笑う。ユーキは「シューヤが歩いてるとき、毎回アクセサリーがチャラチャラしててどこにいるかわかるの!(笑)」と、もう1つの理由を説明。そして「チャラチャラだけど、ライブのときはギャップがあるし、真面目ですから」と付け加える。マサヒロの担当については、カイが「大事にしてほしいのは、ひらがなで『ごはん』です」とこだわりを解説。マサヒロは自身の担当について「ごはんを愛してください、それだけです」と簡潔に伝えた。また、シューヤとマサヒロのコンビがすでにメンバー間で「チャーはん」と呼ばれていることが明かされ、タクヤは「“シューマサ”改め“チャーはん”です!」と8号車に伝えた。

周囲から「陽キャ」と言われることも多いアロハは「陽キャ担当じゃないんかい!と思った方もいると思います」と前置きしたうえで「(シューヤを指して)もっと陽キャな人がここにいるんだもん(笑)。勝てないなと思って。僕、担当を決めるうえで、スタッフさん、メンバー、家族までも出てきて相談したんです。そうしたら、父親に『お前は最後までまっすぐ行け』って言われたので。僕はまっすぐ進んでいきます!」と誓った。そしてハルは「怪獣」の名を授かったことに「これは、いろんな意味でモンスターってことです。自分で言うのもあれですけど、可能性は無限大ってことです!」と胸を張った。発表の最後に、9人は担当付きの“完成形”で自己紹介をすることに。ギャルピースをしながら「11号車、チャラチャラ担当」と言うシューヤ、お腹を押さえたポーズで「12号車、ごはん担当」と言うマサヒロと、さっそく個性を輝かせる2桁号車の姿に、タクヤは思わず「4人強いな(笑)。ちょっと俺たち5人も担当変える!? 全部持ってかれちゃう!」と大笑い。カイもこれに「俺ら、(担当が)磨かれすぎてちっちゃくなっちゃってるから(笑)」と応じていた。

“3文字ゲーム”で輝くタクヤ

第2部のゲームコーナーは、チーム戦でMVP獲得を競うことに。9人はカイ、リョウガ、マサヒロのAチーム、タカシ、アロハ、ハルのBチーム、タクヤ、ユーキ、シューヤのCチームに分かれて大騒ぎを繰り広げた。1つ目のゲームは、お題に対して連想される3文字の言葉を1人1文字ずつ書き、単語を完成させられるかを試す「3人で言葉を作れ!連想ワード3両編成」。まず「3文字の赤いものといえば?」というお題にAチームが「いちご」で答えを合わせて幸先のいいスタートを切ったが、以降はどのチームもなかなか回答をそろえられずに苦戦を強いられる。そんな中でひときわゲームを楽しみ輝きを放ったのは、Cチームの3文字目を担当したタクヤ。「職業といえば?」というお題に対してのCチームの回答が「シしト」になると、タクヤは「俺らもなったことあるじゃん。ホストしかないだろ!?」と、メンバーがホストに扮した「Call My Name」のミュージックビデオを引き合いに出して8号車の感嘆の声を集める。「熱いものといえば?」というお題にシューヤがサウナの「サ」、ユーキが自身の名前から「ー」と答えた際も、タクヤはライブの「ブ」と書いて会場を盛り上げる。これにはハルも思わず「すごいんだよな、あの人。さっきから冴えてる」と言葉を漏らしたが、リョウガからは「カッコよく決めてますけど、みんなで合わせるゲームですからね?」とツッコまれていた。

そのリョウガは「職業といえば?」の問いでお金の「お」と答えるなど、独創的な思考回路を隠せない回答でチームメンバーのカイとマサヒロを困らせる。Bチームのアロハもまた、「男の子の名前といえば?」というお題にハルがゆうきの「ゆ」、タカシがたろうの「ろ」と答える中でアロハの「ハ」と回答。メンバーから「あんまいないのよ!」「人生で初めて(アロハという名の人物に)会ったのよ!(笑)」と総ツッコミを受けていた。

ごはん担当にしてじゃんけん担当、マサヒロ

苦戦の中でも回答を2度そろえられたAチームがリードする中、2つ目のゲームとして行われたのは「全員乗れるかな?チームで団結満員電車」。これは、じゃんけんに負けると半分に畳まれてしまう新聞紙の上にチームの2人が乗っていられるかを競う耐久企画で、3チームそれぞれのペアがどれだけコンパクトに密着できるのかが試された。1回目のチャレンジに挑んだのはリョウガ&マサヒロ、アロハ&ハル、タクヤ&シューヤの3組。新聞紙が小さくなるにつれ、各ペアは体の“収め方”を試行錯誤し、ハルはアロハを、シューヤはタクヤを、マサヒロリョウガをおんぶしてクリアを狙おうとする。じゃんけん代表のタカシが負け、新聞紙が靴の半分ほどのサイズになってしまったBチームは、アロハがハルをお姫様抱っこする作戦を実行。アロハは耐えきれず足を着いてしまうも、メンバーと8号車は2人のがんばりに大歓声を送っていた。

2回目のチャレンジにはリョウガ&カイ、タカシ&ハル、タクヤ&ユーキの3組が挑んだが、ここでAチームのマサヒロが異様なまでのじゃんけんの強さを見せる。連勝で敵チームの面積をどんどん小さくしていく彼の頼もしさに、メンバーは「ごはん担当とじゃんけん担当にしたほうがいいんじゃない?」とさっそく担当の追加を提案して笑い合う。タクヤをおんぶするユーキの姿を見たカイが「クリスマスみたいでいいね」と季節の風情を感じつつ、終盤はAチームとBチームの決戦に。じゃんけん強者のマサヒロによってあとがなくなったBチームのタカシは、最後に爪先立ちしながらハルをお姫様抱っこするという離れ技に挑むも、決してあきらめようとしないそのひたむきな姿にタクヤとユーキは「もういいよ、大丈夫!」と白旗を上げさせる。2つのゲームの得点を集計した結果、MVPチームはAチームに決定。カイ、リョウガ、マサヒロの3人も、第1部と同様にサンタさんからのプレゼントとして年末ジャンボ宝くじを手に入れた。

あの冬曲に始まりの歌、スペシャルなミニライブ

イベントの締めくくりに用意されていたライブコーナーでは、両部ともに3曲が披露された。1曲目に届けられた「Fantasy Love Train」は、冬の季節に披露されるファンタジックなナンバー。第1部ではアロハとハルの2人もサンタクロース姿にお色直ししてパフォーマンスが届けられ、9人のサンタクロースが届けるロマンチックなひとときを8号車も笑顔で楽しんだ。続けて披露されたのは、超特急の最初のオリジナルソングである「No More Cry」。タカシとシューヤの伸びやかな歌声が美しく重なり合って響く中、ダンサーの7人は1つひとつの動きに丁寧に思いを込めた柔らかなパフォーマンスで心地よい高揚感をもたらす。第2部のパフォーマンスでは最後のサビでセンターに立ったユーキが芯の通った美しい2回転ターンで観衆を魅了し、曲のムードをぐっと深めていた。

第1部のラストソングとなった「Rail to Dream」では、曲の始まりで“演説”をするリョウガがセリフを無視して「ホーッホッホッホッ」とサンタクロースなりきり楽曲をリード。12月のアリーナツアー直前に発表された新曲ながら、完璧なタイミングで曲を彩る8号車の大きなコールが9人のパフォーマンスの勢いを加速させる。リョウガに触発されたタカシも自身のセリフパートで「ホーッホッホッホッ」とサンタクロースに変身。この日ならではのサービス精神旺盛なアレンジで、オーディエンスを盛り上げた。第2部の最後には「走れ!!!!超特急」が用意され、9人はステージを左右両端まで使いながら8号車をパフォーマンスに巻き込み、大きな一体感をもってライブ本編を終える。リョウガに促され最後の挨拶を担ったシューヤは、「こうして12年間、超特急を守ってきてくれた方々に、僕たち(2桁号車の)4人は敬意を持ちながら活動していきますし、この先の未来、さらに大きなステージに立てるように進んでいきますのでよろしくお願いします!」とコメント。続いて挨拶に立ったユーキは「やりきったぞー!」と思い切り叫び「9人みんな無事に、誰1人欠けずにやりきるとができて光栄です。誇らしい! 今年は皆さんのおかげで、本当に輝けた年になったと思っています。みんなを笑顔にさせて、その(笑顔の)輝きがまた僕らの力になる。来年は今年以上にみんなで笑っていきましょう!」と力強く誓った。

予定調和なしのアンコール、「My Buddy」の契り

「皆さんのおかげで最高の結成日でした。ありがとうございます!」とカイが伝え、メンバーは何度も手を振りながらステージをあとにする。第2部のイベントは終了し終演後のアナウンスも流れる中で、8号車はアンコールを求める「超特急!」コールを舞台裏へと送り続けた。すると、この熱を受け止めたメンバーは再びステージへ。舞台上で曲決めの“緊急会議”を開くという、予定調和なしの“ガチアンコール”をスタートさせる。話し合いを進める中で披露曲の候補に「My Buddy」が上がり8号車が盛り上がると、ライブの演出担当でもあるユーキは「これから先も“My Buddy”ってことだよ? それを約束してくれるなら(披露します)」と8号車に確認する。タカシが思わず「契りや」とつぶやいたこの問いかけに、8号車は問答無用の“Yes”の歓声を送り、9人は本当のラストナンバーとして「My Buddy」を披露した。急遽の披露だったため、使用した音源はアリーナツアー用のアレンジバージョン。バックダンサーとバンドメンバーの紹介用に長く取られた間奏パートはユーキのアドリブによって“超特急メンバーの紹介コーナー”となり、ユーキにコールされたアロハ、ハル、マサヒロ、カイはフリーダンスで8号車を盛り上げる。タカシが呼ばれると、彼は得意のワームダンスで体を張り、シューヤもまたボーカルらしからぬ高いバック転でスペシャルなひとときをオーディエンスに贈った。

8号車の熱とそれに応えるメンバーの愛が作り出した熱狂の空間。曲の終盤には、あまりの盛り上がりにハルのズボンが破けるという大ハプニングも発生し、密かに足を閉じ続けながら踊っていたハルを見つけたリョウガは「ハルの様子がおかしい!(笑)」と彼に注目を集めた。曲を終えるとユーキは「相棒だって確信できました!」と8号車の一体感を讃え、タクヤは「アンコールは生配信が切れちゃってると思うので、どんな方法でもいいので『(配信を観ていた8号車に)みんなも相棒だよ』って伝えてあげてください」と付け加える。大きな充実感が渦巻く中でイベントを終えた9人は、再び8号車に手を振ってステージの奥へ。「ライブはデート」が信条のタカシは最後に1人残ると「ノープランのデートもたまにはええな!」と8号車に笑顔を向けて、会場をあとにした。

超特急(撮影:寺本篤史)