12月24日に放送された「M-1グランプリ2023」で優勝したのは、結成6年目にして初の決勝進出を果たした「令和ロマン」(高比良くるま、松井ケムリ)だった。「ヤーレンズ」(楢原真樹、出井隼之介)、「さや香」(石井、新山)とファイナルラウンドに進み、6人の審査員の評価は3対3で「ヤーレンズ」と真っ二つ。最後は松本人志が「令和ロマン」として、第19代目のチャンピオンが決定した。初代チャンピオン中川家」(剛、礼二)以来2組目となるトップバッターからの優勝で、感動のうちに幕を閉じた。

 そんな「M-1」を島田紳助とともに立ち上げた谷良一氏(現・吉本興業ホールディングス取締役)が「M-1」放送当日、ビジネス映像メディア「PIVOT」のYouTubeチャンネル〈PIVOT公式チャンネル〉に登場した。

 立ち上げ当初、全国放送を実現させようと、各テレビ局に売り込んだ谷氏。全盛期には視聴率30.4%を記録したバラエティー番組「電波少年シリーズ」などを生み出した日本テレビの名物プロデューサー・土屋敏男氏には「この企画、面白くない」と却下されている。

土屋「結果が決まってるでしょ」

谷「いや、結果はわかりませんよ。誰が優勝するかわかりません」

土屋「誰が優勝するかわからないけれども、誰かは優勝するんでしょ。僕はそれが面白くないんですよ。(例えば)優勝者がさらわれてどっか連れて行かれるとか、そんなだったら面白いけれども」

 そんなやり取りがあったというのだ。

 各局に断られ、最後に手を差し伸べたテレビ朝日での放送となった「M-1」。今では「そんなこと言いました?」と土屋氏は後悔しているのだとか。

「漫才ブーム」でさえ、1980年から82年のわずか2年間で終焉を迎えた。ここまで息の長い企画になるとは、想像できなかったに違いない。

(所ひで/ユーチューブライター)

アサ芸プラス