パレス戦に向け、「バッチリ」だという井上。その表情は実に逞しい。(C)Lemino/SECOND CAREER

 かつてリングで怪腕をふるった猛者たちも、今の井上尚弥(大橋)には舌を巻く。

 30歳にして、キャリアは絶頂期にあると言っていい。今年7月にスーパーバンタム級での初陣となったスティーブン・フルトン(米国)とのタイトルマッチで8回TKOと勝利。「難攻不落」と言われたWBC&WBOの王座についた。

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 12月26日に東京・有明アリーナで開催されるWBA・IBF同級王者のマーロン・タパレスと対峙する井上。相手もプロキャリア15年のチャンプなのだが、戦前の下馬評は日本が生んだ怪物の勝利を推す声が大半を占めている。

 無論、ボクシングに絶対は存在しない。その怖さを熟知する元戦士たちでさえも、井上の勝利、それも「圧勝」は堅いと予想する。

 元WBO世界スーパーライト級王者のクリス・アルジエリ(米国)は、母国の老舗専門誌『The Ring』で「『モンスター』は特別だ。イノウエリズムとタイミングを掴みさえすれば、タパレスはパワーと正確なパンチに屈し、TKOで負けると思う」と指摘。また、元IBF世界スーパーウェルター級王者のラウル・マルケス(メキシコ)は「イノウエは化け物だ。勢いも増している。そんなあいつが日本で負けるわけがない」と断言した。

 さらにフランスのラジオ局『RMC Sport』では、シドニーオリンピックの金メダリストで、元WBA世界ライトフライ級王者のブライム・アスロウムが、「あのパワーは尋常ではない。あんな選手はマニー・パッキャオ以来だ」と、元世界6階級制覇王者の偉人と比較し、井上の凄みを雄弁に語った。

「間違いなく彼は怪物だ。純粋に技術的能力だけを見れば、彼は現代で最も偉大な選手の一人だ。正直に言って、私はあれほど完璧で、インパクトがあり、知的な選手を知らない。体重が50キロなのに、あんなにも簡単に相手を吹っ飛ばせるのだから、スピードに加えて、正確に当てる技術を持っているのは間違いない。イノウエの拳にはダイナマイトが宿っていると思うよ」

 名だたる王者たちがこぞって称える井上。勝てば、史上2人目の2階級での4団体統一を成し遂げるタパレス戦はいかなるパフォーマンスを見せつけるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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