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※写真はイメージです(写真:アフロイメージマート)

株の投資を始めたいと思っても、「投資は怖い」と思うあまり一歩が踏み出せないという人は意外と多い。

「株式投資の経験がゼロでも、企業から商品や商品券などがもらえる株主優待を活用すれば、お小遣いレベルの金額でも十分に楽しめますよ」と語るのは、人気ブロガー・優待主婦まる子さん。約20年前から株式投資を始めて、現在200以上の株を持つ。毎日1〜2個届く「優待品」を満喫する様子をブログに綴っている。

「当時勤めていた会社の近くに牛丼チェーン店『吉野屋』があり、株主優待券で牛丼を食べたいと、吉野家ホールディングスの株を購入したのがきっかけです。優待品というプレゼントをもらえるのが嬉しくなり、今度は株で利益が出たら新たに株主優待がある株を買い増すようになり、その繰り返しで数百という数になってしまいました」(まる子さん、以下同)

株主優待とは企業が自社の株を購入してくれた株主に対して、年に1〜2度、自社商品やサービスなどの「優待品」を贈る制度。上場企業3600社のうち、約1500社が制度を導入しているという。

「株の投資にはリスクがつきものなので、余剰資金の範囲内で投資するのは基本ですが、数千円のお小遣いの範囲から10万円程度で優待の権利が得られる株もあります。『どんな株を選んだらいいのかわからない』という人は、商品券やQUOカードが優待品の株に投資してみて、私のように食事券や食べ物、飲み物などを受け取れるような株を探す方法や、自分の身の周りにある日用品や化粧品と探してみましょう。楽しみが広がるだけでなく家計の節約にもつながり一石二鳥です」

■証券会社を選ぶ

初心者が迷うのは「証券会社」の選び方だろう。株の取引をスタートするためには「証券会社」で口座を開設することが必要となる。証券会社は「店鋪型」「インターネット型(ネット証券)」の2通りある。

「窓口の担当者にやり方を聞きながら始めたいと思うかもしれませんが、売買手数料が無料のネット証券を選んだほうが、コストはかかりません。相談などのサポート体制はどの程度整っているのか、といった点も選ぶ際のポイントになるでしょう」

松井証券には専門スタッフに電話で相談できる「相談窓口」が設けられている。国内個人シェア1位のSBI証券は投資信託などの取扱商品も豊富。楽天証券は楽天ポイントでも投資ができるという。

自分の銀行口座からお金を証券会社の口座に移したら、株を購入しよう。

■「権利確定日」に注意して株を買う

株を購入するときは、その企業の現在の「株価」を見る。

そこで、1株あたり2000円と表示されていたら、「2000円出せば購入できる」と、思うのは大間違い。

「2018年10月1日以降、全国の取引所では株の売買単位が100株に統一されましたので、株の購入は100株単位で行うことになっています。実際に株を購入する際には、表示されている株価に100を掛けた金額が必要になります」

1株2000円だとすると、2000円×100株なので、20万円が購入できる代金となる。いつでも一定額というわけではなく、その企業をとりまく情勢によって株価は上下する。どのタイミングで購入するのかも大事なポイントとなってくる。

「株主になって株主優待をもらうためには、『権利確定日』に株主になっていなければなりません。そのためには、権利確定日の2営業日前までに株を購入する必要があります。

例えば、2024年3月31日が権利確定日の企業の場合、31日は日曜日なので、権利確定日は29日の金曜日になります。その2営業日前の27日木曜日(権利付き最終日)までに購入すれば株主としての権利が確定します。『株主優待がほしい!』という人が殺到すると、権利付き最終日に向かって株価は上がってくるので、3月に権利確定日の企業の株主優待がほしいと思ったら、2カ月前ぐらいには購入しておくと良いかもしれません」

権利確定日は企業が決めている決算月によって決まる。日本では3月を決算月にする会社が多いため、権利確定日は3月末になることが多い。決算月は3月だけとは限らないのでよく確認しよう。

3月末の権利確定日の株を購入するのなら、株価が上がってこないうちに買うのがチャンスだが、あせる必要はない。一度、優待品の権利を手にした投資家が、決算日の後に株を売りに出すと、株価が下がってくるケースもあるというので、そこで狙う方法もあるという。

PROFILE

優待主婦まる子さん

社内結婚で寿退社し、主婦に。会社員時代に始めた株主優待の魅力にハマり、いつしか数百銘柄持つように。楽天証券の投資情報サイト「トウシル」などで情報を発信している。