12月24日に行われた漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2023』(テレビ朝日系)で、優勝したのはコンビ結成5年目の令和ロマンであった。ボケの高比良くるまは29歳、ツッコミの松井ケムリは30歳と若手芸人の2人にとってチャンピオンになるのと同じくらい重要だったのは、今大会が大いに盛り上がってフィナーレを迎えることだった。

大会終了後、麒麟・川島明がMCを担当する特別番組『M-1グランプリ2023 イブより熱い大反省会!』が映像配信サービス「Lemino」で生配信された。戦いを終えたばかりのカベポスター、くらげさや香真空ジェシカダンビラムーチョ、マユリカモグライダーヤーレンズ令和ロマンと敗者復活戦を制したシシガシラの計10組が自分たちの出番を振り返り、反省や裏話を語った。

最終決戦に進むことが決定した直後、令和ロマンヤーレンズ(2位)、さや香(3位)の3組はすぐ舞台裏に集まり、話し合いで漫才を披露する順番を決めたという話に、ゲスト出演していた笑い飯マヂカルラブリー錦鯉の歴代『M-1チャンピオンたちは驚く。令和ロマン・高比良くるまは、今大会の決勝ファーストラウンドが全体的に点数が出ていなかったので、誰が優勝するにしても「良くない『M-1』だった」とは絶対に言われたくなかったそうだ。さや香が最終決戦で“見せ算”ネタを披露するのは何か月も前から知っており、ヤーレンズ令和ロマンは今年1年間、毎月新ネタでのツーマンライブをやってきた仲なので、お互いの手の内は知り尽くしている。ファーストラウンドを1位で通過し、ネタ順の選択権があるさや香・新山から「俺ら、何番が良いかな」と相談されたくるまは、ヤーレンズとも話し合った末に、1番は令和ロマン、2番はヤーレンズ、3番はさや香と決まった。どの順番でネタを披露するのが一番盛り上がり、自分たちのベストパフォーマンスを見せられるのかが3組ともに最優先事項だったのだ。

「俺らの時はフットの後藤から、親指の爪かじりながら睨みつけられた」と笑い飯・西田幸治が言うと、川島明も「日本一を狙うんだから、相手にネタを教えるなんてあり得なかった」と明かしており、自分たちの時代とのあまりの違いにショックを受けた様子だ。笑い飯・哲夫は「今風だなぁ、学校教育がそっちの方になってきてるもんね」、「運動会とかも、あまり順位を決めんようなっている」と世代間のギャップを感じているようであった。

10月11日放送の『あちこちオードリー』(テレビ東京)でも、ロッチ・コカドケンタロウは大勢の若手芸人が出演する番組の広い楽屋の中で彼らが一か所に集まり、皆でネタ作りをしている光景を見てビックリしたと話していた。コカドからすると、特に若い頃は周りが全てライバルで、たとえ同じ事務所でも一緒にネタを考えるなんて「信じられへんよ」と首を傾げていた。しかし、メンバーが30代前半のお笑いトリオ・ぱーてぃーちゃんは、「特に珍しいことではない」と自分たちにとっては普通だと答えている。これにオードリー・若林正恭は「他のコンビとネタ作るなんて、考えられない」と言いながら、一方で「絶対に今、お笑いをやってた方が楽しいだろうな」と羨ましがっていた。芸人の世界も勝ち負けだけにこだわったり、他の芸人がスベるのを心待ちするような時代ではもうないのだ。

画像1、2、4枚目は『official令和ロマン【公式】 2023年12月25日付X「M-1の裏側を赤裸々に語ってます」』『ヤーレンズ・出井隼之介 2023年12月25日付Instagram「『M-1グランプリ2023』ありがとうございました。」』『M-1グランプリ 2023年12月22日付Instagram「#さや香 の意気込み、そして相方へ一言!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 みやび

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