福井県坂井市は、市民が誇りを持って市政運営に参画するという視点で寄附を通じた「市民参加型社会」を構築するため、平成20年3月28日坂井市寄附による市民参画条例」を制定しふるさと納税を運用しています。
寄附金の使い道について、市民提案を公募しており、市民を委員に含む検討委員会にて寄附金の使い道を決定しています。
寄附金は、坂井市寄附市民参画基金に積み立て、決定された事業費ごとに管理しています。今回、事業実施しているものをお知らせします。

令和元年に寄附金の使い道として提案された「坂井市下町ロケット 農業用機械自動運転実施事業」は、令和3年から5年間の事業を開始しました。

坂井市の水田約6,000haでは、“コシヒカリ”“ハナエチゼン”のほか福井県の新しいブランド米“いちほまれ”などの品種を生産しています。コシヒカリの生みの親(開発者)坂井市の故石墨慶一郎氏は、福井県農業試験場で品種改良を重ね強湿田に強い食味にこだわったコシヒカリを作り上げました。その後も作付けしやすい品種に改良され徐々に全国に広まっていきました。

コシヒカリのふるさとである坂井市の水田農業を営む者は、高齢化が進行し後継者不足、人手不足により営農環境は悪化していました。近年は、機械化や水田の集約化が進み労働環境は改善しつつありますが、農業は一般的にきつい・汚い・危険のイメージがあり若い世代が進んで就職する職業ではないため問題の解決や改善が求められていました。

これらの問題を解決・改善するためにスマート農業技術による農業の省力化や高収益化は不可欠になります。しかし、その反面、スマート農業を行うための小型のGPS移動基地局は高額であることに加え経営体ごとに基地局を整備するのは非効率であるため、農業者である市民の方から市内全域をカバーする広域型のGPS固定基地局を整備してほしいと提案されました。

水田を農業機械で真っすぐ走行することは想像以上に熟練した技術が必要ですが、位置情報を活用したシステムを導入することで、田植えや田起こしなど機械作業を容易に走行できるため経験が少ない若者でも作業員となれるメリットがあります。

令和3年3月に福井県農業共済組合がRTK基地局を開局したのに合わせ、坂井市では令和3年度から自動操舵システムを導入する費用を補助する事業を開始しました。自動操舵システムを導入する費用は約200~300万円かかるため、寄附金を活用し導入に係る経費について最大150万円の補助をしています。令和5年12月時点で41件の整備がおこなわれ、42台の農業機械が稼働しています。

  • 導入した農業者の声

 ・機械操作が上達した印象、自信をもって農作業に参加できるようになった(40代)

 ・ハンドル操作に集中する必要がなくなり、安全や仕上がりの確認に集中できる(70代)

 ・作業航跡に曲がりがないので、後の作業もスムーズに進めることができ、時間の短縮になる(60代)

            圃場内を自動で旋回・作業するトラクター(無人仕様)

スマート農業の導入により、若い方から見た農業に対するイメージが改善され担い手や人手不足が解消されると感じております。若い力により坂井市の広大な農地が保全されることを期待しています。

坂井市を応援していただいた方からの寄附により、平成21年からこれまでに50以上の事業を行ってまいりました、これからもふるさと納税制度を活用して市民参加型社会の構築に力を入れていきます。

福井県坂井市ふるさと納税について

https://www.city.fukui-sakai.lg.jp/kikakuseisaku/shisei/kifu/furusato/furusato-nozei.html

  • 【参考情報】

坂井市は、福井県の北部に位置し、九頭竜川の恵みがもたらす坂井平野では一面の美しい緑と輝く稲穂が広がり、「いちはまれ、コシヒカリハナエチゼン」などの水稲栽培がおこなわれています。その他、若狭牛、甘えび、越前がに、花らっきょう、越前そば、油揚げなど豊かな食に恵まれており、地場産業である越前織による織ネームは国内シェアの70%を占めています。また、日本海北陸を代表する名勝「東尋坊」の絶景、武骨で気高くそびえる現存十二天守の1つ「丸岡城」などの観光地を有しています。

配信元企業:坂井市役所

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