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英国人記者の思い出のおもちゃ

ある程度の年齢のお子さんをお持ちで、年に1回のイベントを楽しもうとしている方なら、12月24日にはクリスマスプレゼントを用意した人も多いのではないだろうか。

【画像】子どもの頃に憧れたスーパーカー【フェラーリ365 GTB4、ランボルギーニ・カウンタックを写真で見る】 全21枚

悲しいことに、幼少期のプレゼントの多くはすぐに忘れ去られてしまうが、ずっと記憶に残り続けるものもある。場合によっては、その後の人生を変えてしまうことだってあるかもしれない。

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自動車雑誌の記者・編集者がクルマ好きになる「きっかけ」を作ったおもちゃやゲームを紹介したい。

というのも、子供の頃のおもちゃは単なる遊び道具ではなく、時にはインスピレーションを与えて情熱をかき立てるトリガーとなる。その結果、例えば我々のように、自動車に関する記事を書いて生計を立てることにつながるのだ。

今回は、AUTOCAR英国編集部の記者・編集者たちが子どもの頃に遊んだおもちゃやゲームをいくつか紹介しよう。あなたの思い出の品は、どんなものだろうか?

フェラーリ365 GTB/4「デイトナ」のミニカー

これは、1973年ウィリー・グリーンとニール・コーナーがル・マンに参戦したときの、JCBカラーをまとったイエローのフェラーリ365 GTB/4「デイトナ」のミニカーだ。

子供の頃のおもちゃの中で最も愛着のあるものだったが、大切に保管していたわけではなく、むしろ逆で、激しく遊び回った記憶がある。

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アンドリューフランケル365 GTB/4「デイトナ

1970年代半ばに兄から “中古” の状態で譲り受けたが、その後、僕は何時間もかけて家中の巾木に最高速度でぶつけまくったものだ。

半世紀を生き延びてきたということは、いかに頑丈で、いかに愛されていたかを物語っている。その愛は今も変わらない。

アンドリューフランケル

スケールエクストリック(Scalextric)

1960年代の小さな子どもにとって、スケールエクストリックは大きく見えた。クルマ好きにとってスケールエクストリックは、鉄道模型ホーンビィ(Hornby)に相当するもので、レースやクラッシュだけでなく、フェラーリロータス、ミニ・クーパーを所有する興奮を教えてくれた。

F1ドライバーのグラハム・ヒルジム・クラークがこの1/32スケールのスロットカーを宣伝したことで、英国では大きなブームとなった。

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リチャード・ブレムナーのスケールエクストリック(Scalextric)

わたしが欲しかったのはスケールエクストリックだけだった。裕福な家庭ではなかったが、両親はわたしを甘やかし、クーパーやロータスのF1カーを買ってくれた。それが寝室の床を走り回る光景は、わたしの運転欲を刺激した。

今でもスケールエクストリックのハンドスロットルを温めると、その電気的な匂いに誘われ、昔の記憶が蘇ってくる。

(リチャード・ブレムナー)

レゴ

レゴは世界最大のタイヤメーカーだ。確かに非常に小さなタイヤだが、それでもタイヤであることに違いはない。

それは、僕を含め多くの人々が、ブロック状のピースと自由な想像力だけを使って、思い思いにクルマを作るという成長期を過ごしたからだ。

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子どもの頃は、レゴの四角いブロックとタイヤで思い思いのクルマを作った

誤解のないように言っておくと、ここで触れているのは最新の自動車メーカーの正規ライセンス品ではない。昔は、一般的な「シティ」セットのクルマで我慢するか、ピースのマルチパックを買って自分で作るしかなかった。

僕はそれが大好きだった。ブロックでおもちゃのクルマを作る僕の能力が、現実世界のエンジニアリングの領域にまで及んでいたらなぁ……。

(ジェームズ・アットウッド

コリン・マクレー ザ・ラリー(プレイステーション)

子供の頃って最高だったよね。父の親友が、僕を見るたびにキツく巻いた20ポンド札を僕の手にブン投げていた時期があった。

それで必然的に近所のゲームショップに行くと、ある時20ポンドに値下げされたプレイステーション用ゲーム『コリン・マクレー ザ・ラリー(Colin McRae The Rally)』に出会った。

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コリン・マクレー ザ・ラリー』で一番思い出に残っているスコダ・フェリシア

僕はこのゲームに何時間も何時間も費やした。ほとんどの人が「555」のリボンをつけたインプレッサを懐かしむけれど、不思議なことに僕の一番の思い出は、駐車場をスコダ・フェリシアで走り回るラリースクールだった。

マレー・スカリオン

ラジコンのスバルWRX STi

実際にはそうではなかったと思うが、僕の記憶では最高速度50km/hで走れた。スケールダウンした50km/hではなく、リアルな50km/hだ。

世界ラリー選手権WRC)にちょっと興味を示しただけの10歳の子どもには、とんでもなく速くて、ちょっと本格的過ぎたかもしれない。それでも楽しい時間を過ごした。

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フェリックス・ペイジのラジコンカー

ジョイスティックではなくトリガーコントローラーがついていて、つまり大人のラジコンカーだったわけだ。何センチも動くサスペンションと、(記憶では)かなり本格的なタイヤも装備していた。

砂利の駐車場でWRC映像のお気に入りのシーンを再現しようとしたものだ。そのときの僕の映像がなくて、本当に良かったと思う。

フェリックス・ペイジ)

グランツーリスモ3(プレイステーション2)

グランツーリスモ3(Gran Turismo 3)』が英国で発売されたとき、僕は言葉を失った。その素晴らしいグラフィックや忠実に再現されたハンドリングのせい……ではなく、文字通り話すことが出来なかったからだ。

生後わずか14か月の僕は、話すことも歩くこともできなかったが、父のプレイステーション2のメニュー画面を親指でなぞるくらいはできた。

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グランツーリスモ3』カバー(US)

アストン マーティンヴァンキッシュパガーニ・ゾンダ、さらにはリスターストームなど、2001年当時入手可能だった最高級のマシンを紹介するそのメニュー画面は、なんと楽しかったことか。

GT3』のおかげで、僕は家族の名前を覚える前に、街でクルマのメーカーやモデルを指差していたのだ。それは、クルマに生涯夢中になる、最初の決定的なきっかけだった。

チャーリーマーティン

ケトラー・ケットカー(Kettler Kettcar)

このペダルカーの前面には「オリジナル・ケットカー(The Original Kettcar)」と書かれていた。

ペダルの位置は、わたしのひょろひょろの足で漕ぎ出すのに苦労する高さだが、すぐに回転が速くなり、足首にぶつかってしまう。

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ケトラー・ケットカーを操縦する若き日のマット・プライヤー

速くてステアリングは不安定で、ハンドル操作のブレーキが固いゴム製のリアタイヤを引きずっていた。

写真で見る限り、アンダーステアはよくあったようだが、急ハンドルでバックすれば、後輪がロックしてくるりと回転する。

ああ、幸せな時代だった。ジャンパーで作ったサッカーゴールとかね。

(マット・プライヤー)

手作りのステアリングホイール

わたしの両親はケチではなかった。正直だったのだ。そのように描かれたら、両親は憮然とするだろうが、3歳のわたしはただお得感を感じたんだと思う。

プレイステーションもいいけれど、時には雑誌広告から切り抜いたプジョー306のステアリングホイールを段ボールに貼り付けるだけでいいこともある。

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プジョー306のステアリングホイール

わたしは想像上のクルマのハンドルを握りながら、家の周りを何度も長距離ドライブし、運動神経を鍛えた。

とはいえ、ボールをうまくキャッチできたことは一度もないが、ハンドルをくるくる回すのは大丈夫だ。

イリヤ・ブラパート)


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