昭和晩期、現在ソープランドと呼ばれるところは、地球上にある某国の名前で呼ばれていた。1984年東京大学に留学していたその国の若者たちが反対運動をして、日本国民はいろいろネーミングを考えて、ソープランドにした。由来からするとその国のことではなく、その国にあった入浴方法がまず日本に入ってきて、赤線廃止と個室化が結びついたものだが、その国が不快になるなら「変えましょう」というのが当時の日本の懐の深さだった。

 そんなことに、今韓国は揺れている。「蒙古」(蒙の文字が愚かの意味を持つ)と呼ばれるのに抗議してやっと「モンゴル」と呼ぶようになったのは、1990年代…遅すぎる。「トルコ」は「テュルキエ」と呼ばれている。いきなり日本人に向かって言われてもどこの国かはわからない案件。「トルコ」が悪いのではなく、韓国語で「トルコ」のことは「ターキー」と呼んでいて、それじゃあ七面鳥(愚か者の意味)じゃないかと突っ込まれたから。「テュルキエ」は勇猛な者という意味らしい。

 日本ではとうの昔から「ビルマ」のことを「ミャンマー」と呼んでいるが、欧米圏ではミャンマー軍部統治を認めていないので相変わらず「ビルマ」と呼ぶ(日本では映画「ビルマの竪琴」で出てくるくらいか)。韓国はまだどっちつかずだ。どちらかに決めたら、国際問題になるからだろう。

 このように国際レベルの問題からすると、今韓国野党で呼称改正でもめているのはすごく小さいことだ。韓国の民主党の愛称は「ケッタル」。由来は「改革(ケヒョク)の娘(タル)」の短縮形で「世界史的意味ある新しい政治形態」と定義される。…これって、娘=女性が革新的ということか。

 しかし、韓国の民主党は、75年の歴史の中に出来る野党で、いくつかの同名違党であり、女性の大統領など出したことはない。唯一、文在寅政権時に与党になった。それでも、文氏が引退した今は、様変わり状態なのだ。伴侶犬に力を入れている文氏の余生を象徴するかのように「ケッタル」は、「犬」の意味があることが今になってわかったから、大騒ぎで、「ちゃんと民主党と呼んでください」と国民にお願いしているのだ。

 それはさ~愛称をつける時点での間違いって、すぐ気が付くことではないか。政権が変わって、ふがいない野党なら「犬」呼ばわりされてしかたないし、伴侶犬問題もそこが出発点なら「犬」はふさわしい。

 他国の呼称改正と同列に並べることが、厚かましすぎる。

イメージ