12月は特選が3作品と無審査1作品を掲載いたします(編集部)

特選

内山 光子(彩白)

読み=化は草木に被り・賴は萬方に及ぶ(聖王の徳は人民のみならず草木までにも及ぶ)
秀潤円勁で温雅な智永の真草千字文を臨書して下さいました。線は穏やかな曲線で厚味があり穏やかな中に強さを蔵している特徴を大変良く捉えております。気脈は貫通して空間の筆意も生かされていることを評して特選とします。

飯塚 英子(翆瑶)

読み=一壺千金(壺は大きなひょうたん。たかがひょうたんと言うなかれ難船した時はこれで浮かべるから千金に値する。)
落筆堂々と明解で伸びやかな筆調にて紙面に四文字を活気に溢れ纏めて下さいました。重厚にして浮薄を欠ず、雄強な作を評して特選とします。

中里 薫(紫泉)

読み=而も逸少は之を兼ぬ(草に)擬すれば
孫過庭の代表作で王義之の草法を得たものと学習の基礎法帖とされている書譜を臨書して下さいました。「逸」字のしんにょうの反りが逆でしたが、線質は弾力性に富み動的で多面的な線が交錯していることを良く捉え形意よく原帖の意を得た六文字作です。

無審査

齋藤 北城

氏は90歳を越えられておりますが、厚みある筆致で何時もながら安定した作をご出品下さいます。
今回の作品は、楓の葉に薄い霜がおり紅葉する。と季節感ある語句を五文字落筆堂々と、また筆もよく立って沈着に無理なく力まず自然な筆致で纏められ「楓」字などは悠然とした深き線条の妙が有り風韻豊かなる作です。

12月は特選が3作品と無審査が1作品。|皇寿書壇2023年12月入選作品