千賀は育成の星として知られる(C)Getty Images

 3年連続V逸しているソフトバンクで今オフ、主力選手たちがチームの大きな柱、育成システムの在りかたについて続々、発信している。

 大きく注目を集めたのはチーム最年長左腕、和田毅投手の発言だった。

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 12月25日に行われた契約更改の席で「厳しい言い方になりますが、育成選手はプロ野球選手ではないと思う」「(支配下と同じ)ユニホームを着てプレーするのはぜいたくだなと。僕はユニホームを変えてもいいんじゃないかなと思うぐらい」と続けたのだ。この発言が報じられると、アクションを起こしたのが元チームメートでメッツ千賀滉大投手だった。昨シーズンまでチームを支え、育成の星ともいわれた千賀は26日に自身のX(旧Twitter)を更新。

 和田の発言を報じた記事を引用しながら「僕と和田さんは数年前からフロントに言ってました。僕は2軍の支配下の選手でもそうしてと言ってましたが」とツイート

 メジャーリーグマイナーリーグではユニホームが違うことを受け、はいあがる意識がもっと欲しいというメッセージを送った和田に賛同の意を示したのだ。

 ほかにも今オフは自身も育成入団から支配下を勝ち取った牧原大成外野手契約更改の場で、育成の選手に向けて「自覚を持たないと終わってしまう」と発言したことが伝えられている。

 「育成のソフトバンク」といわれ、千賀を始め、甲斐拓也、牧原など他球団垂涎の育成出身のイキのいい若手が次々と活躍した時代もあった。しかし近年は育成出身ばかりか、上位指名の生え抜き野手、投手も伸び悩んでいる現状がある。

 一方、チームは昨オフも異次元補強ともいわれる大型補強を敢行しながら、今年もリーグ3位、2年チームを率いた藤本博史監督は退任に追い込まれた。外から選手をかき集めながら、チームにとって根幹ともいえる「育成」がおろそかになっていないか。4軍制まで敷く育成システムの空洞化を指摘し、育成選手の自覚を促すことはもちろん、この部分をしっかり見直し、構築してほしいというフロントへの願いが主力たちの発言からは伝わってくる。

 2024シーズン、V奪回を目指すチームで果たして、次の「育成の星」は現れるか。来季の戦いぶりに一層、注目が高まる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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