チャールズ国王が即位後2回目となるクリスマスのテレビ演説を行った。事前に録画した映像は、クリスマス演説史上初となる“生きたモミの木”を使用したクリスマスツリーの前で撮影したものだ。ツリーは根から掘り起こしたもので、演説後に土に植え戻される予定だ。国王は演説で、無私の奉仕をしたボランティアの人々を称賛するとともに、世界各地で起こっている紛争にも言及。人々が奉仕し合うことの大切さや、環境保護の重要性などを訴えた。

クリスマスを迎えた現地時間25日午後3時、英国のテレビでチャールズ国王によるクリスマスメッセージが放送された。

英国の君主によるクリスマス演説は1932年に当時の国王ジョージ5世が初めて行い、その後クリスマスの恒例行事となった。2022年9月にエリザベス女王が崩御後に即位したチャールズ国王にとって、今年は2回目のクリスマス演説となる。

映像は、バッキンガム宮殿の東ウイングにある「センター・ルーム」で事前に録画したものだ。窓からは宮殿前にあるヴィクトリア記念碑と大通り“ザ・マル”を見下ろすことができる。

窓際にはクリスマス演説史上初めてとなる、根から掘り起こした“生きたモミの木”のクリスマスツリーが設置された。ツリーには乾燥オレンジや茶色のガラス、松ぼっくり、紙などの自然素材を使用した、サステナブルなオーナメントが飾られた。

チャールズ国王は環境保護活動を支持しており、クリスマス演説の放送後にはツリーを再び土に植え戻す予定だという。

国王はクリスマスツリーの前で演説を始めると、全国の地域社会で無私の奉仕活動をするボランティアを称賛し、「我々の社会における、不可欠なバックボーンである」と表現した。

そして、ボランティア活動をする人々が5月の戴冠式に出席してくれたことを「喜ばしく思う」と述べ、彼らが「互いに奉仕し合うという、我々全員への呼びかけを体現している」と加えた。

クリスマスという宗教的な意味合いの強い演説では、世界各地の紛争にも言及するとともに、キリスト教の中心的な教義のひとつを認識すべきだと示唆した。

「世界中でますます悲劇的な紛争が起きている今、我々が互いを守るために力を尽くすことができるよう祈ります。イエス(キリスト)の『自分がしてもらいたいと思うことを人にしなさい』という言葉は、これまで以上に適切であるように思われます。」

そして宗教の種類や信仰の有無にかかわらず、環境を保護することの重要性をこのように語った。

「すべての創造物を大切にすることは、あらゆる信仰を持つ人々と、信仰を持たない人々に共通する責任です。私たちは子孫のために、地球を大切にするのです。」

今回の演説中には、国王の戴冠式の模様や海外への公式訪問など、今年1年間の重要なイベントの映像が流された。

国王は最後に「このクリスマスの日に、私の心と感謝の気持ちを、互いに奉仕し合うすべての人々や、我々に共通する故郷を大切にするすべての人々、そしてまだ見ぬ友人をはじめ、他人の善を見い出すすべての人々に捧げます」と述べ、こう締め括った。

「そうすることで、我々は自分自身の中にある最高のものを引き出すことができるのです。」

画像は『The Royal Family 2023年12月24日付Instagram「The King is pictured in the Centre Room at Buckingham Palace during the filming of this year’s Christmas Broadcast.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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