カニエ・ウェストが、タイ・ダラー・サインとのコラボ作『Vultures』のリリースに先立ち、これまでの反ユダヤ主義的な発言についてユダヤ人コミュニティに対して謝罪した。

 現地時間2023年12月26日、46歳のカニエ・ウェストことイェーはSNSにヘブライ語で書かれた声明文を投稿し、ユダヤ人コミュニティへのコメントに対する後悔の念を伝えた。

 「私の言動によって意図せず感情を高ぶらせたことをユダヤ人コミュニティに心からお詫びします」と彼はインスタグラムに綴った。「気分を害したり、おとしめる意図はなく、苦痛を与えてしまったことを深く反省しています。私は自分自身からスタートし、この経験から、将来より繊細で理解ある行動をするよう取り組みます。みなさんの許しが私にとって重要であり、私は償い、団結を促進することに尽力します」と続けた。

 2022年、彼は一連の反ユダヤ主義的な発言をした後、大きな反感に直面した。2022年10月、フランス・パリの【ファッション・ウィーク】で“White Lives Matter”と書かれたTシャツを着て反感をかったイェーは、ユダヤ人に“デス・コン3”(米国防総省が戦争への防衛準備態勢を5段階に分けた規定で、3は通常より高度な防衛準備状態を示す)の状態にすると当時のTwitterに投稿した。ここから、ヘイトスピーチに満ちた一連のインタビューが続き、アレックスジョーンズの『インフォ・ウォーズ』に出演し、「ヒトラーには良いところがある」など憎しみに満ちた発言をし、多くの人々を動揺させた。

 今月初め、米マイアミで開催されたリリースが遅れているタイ・ダラー・サインとのコラボ・アルバム『Vultures』のリスニング・パーティーで、イェーは白人至上主義団体クー・クラックス・クランを彷彿させる黒い三角頭巾を被ってステージに登場し、同アルバムのタイトル曲を披露した。
 
 『Vultures』は今年12月31日にリリース予定だったが、発売日はここ数週間で何度も延期されている。イェーの代理人が米ビルボードに語ったところによると、現在同アルバムは来年1月12日のリリースを予定している。

カニエ・ウェスト、タイ・ダラー・サインとのコラボ作『Vultures』発売に先立ってユダヤ人コミュニティに謝罪