12月26日深夜放送の「芸人報道」(日本テレビ)が面白かった。この番組はなかなかのいわくつきで、過去にレギュラー出演していた芸人に、雨上がり決死隊宮迫博之カラテカ入江慎也アンジャッシュの渡部建と、香ばしいメンツが揃っていた。

 現在のメンバーは、蛍原徹キャップ加藤浩次チーフ記者という名のMCを務め、ほかにフットボールアワー後藤輝基サバンナ高橋茂雄、そして、ゲストに那須川天心といった布陣。オープニングで蛍原が名乗ったあと、加藤が「みやさこです!」と例のポーズつきで挨拶するのもお約束だ。

 オープニングトークでは、ニューヨークを拠点に活躍(!?)するピース綾部祐二が俎上に載せられた。

「綾部には会いました? 戻ってきた時」

 最近、仕事で日本に一時帰国した綾部について蛍原が話を振ると、後藤が言った。

「会いました、会いました。ずっと喋ってました」

 その際、画面には後藤と綾部とチュートリアル徳井義実の3ショット写真が出てきて、元気そうな綾部の姿が見られた。そこで加藤が、

「あいつ、何で稼いでんの?」

 と誰もが思っていた疑問を後藤にぶつけたところ、

「ずーっといろいろ喋るんですけど、そこだけ若干濁しよるんです」

 そこでまた綾部の写真が出てきて「広告収入? ブレインスリープ ピロー」というテロップが出る。どうやら、そんな仕事をしているようだ。

 そしていよいよ本題。最初に登場したのはウエストランドだった。昨年のM-1優勝者だが、単独ライブをやっても後輩芸人が1人も見に来ない、だとか、優勝商品の佐賀牛を振る舞ったり、旅行の費用も全部出して連れてやったりしているのに、全く人望がない、などと悩みを訴える井口浩之。後輩の「告発」によれば、

「漫才のネタの内容が、飲みの席で聞く愚痴と一緒。飲みでもライブでもずっと同じ愚痴を言い続けているので、わざわざ単独ライブに行ってみようとは思えません」

「河本さんは出番前に楽屋でビールを飲んでいるので、それも誰も見に来ない理由のひとつだと思います」

 ここで加藤に詰め寄られた河本太は楽屋ビールの事実を認め、悪びれる様子なし。さらにタトゥーが入っていることをイジられる。

「俺、ロケ行った時、見してもらったんだから」

 と加藤が言えば、後藤も次のようにバラす。

「普通、入れへん模様、入れてますよね」

 他の番組ではタブーとされていた河本のタトゥー話を無神経にぶっ込むところに、この番組の面白さがある。やっぱり長年「スッキリ」で鍛えた加藤のMC力はホンモノだ。

 唯一残念なのは、この番組が生放送ではなかったこと。もしも生であれば、加藤が文春砲による「松本人志」の件について、何か喋ったかもしれないのに、と。松本のせいで年末年始、後輩芸人たちがどんなテンションで番組に出てくるか。実に興味深い。

(堀江南)

アサ芸プラス