オンライン動画配信サービスHulu」にて、全話独占配信中のHuluプレミア「プレイ・フォー・ブラッド」。第9話では、エリサ(ヨシラ・エスカレガ)の元恋人・ヨロトルの過去が描かれた。本記事では、考察を踏まえながら同話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】悲しい表情を浮かべるアナ・ブレンダ・コントレラス“モンドラゴン警部補”

■「プレイ・フォー・ブラッド」とは

本作は、国際エミー賞受賞プロデューサーが手掛けるメキシコ発のクライムサスペンス。古代アステカ文明の“生贄の儀式”が現代のメキシコシティで再現される、という設定のドラマだ。物語では、タブロイド紙の記者が警部補や人類学者と手を組み、奇妙な連続殺人犯を追って、徐々に真相を明らかにしていく――。

キャストには、普段はメキシコの有名歌手として活躍中のアーロンディアスが、事件を独自取材する新聞記者のカサソラ役を担当する。

その他にも、事件の真相を追う警部補のモンドラゴン役にはアナ・ブレンダ・コントレラスが、そして古代アステカ文明に詳しい博物館の学芸員エリサ役にはヨシラ・エスカレガが抜擢。それぞれ迫真の演技で、事件の真相を追い求める。

■事件の捜査から手を引くよう命じられるモンドラゴン警部補…

彗星が現れた夜、リュウゼツランのトゲで拷問後、舌が切られ亡くなった大臣が発見された。霊媒師が留置所にいながら、共犯者の疑いのある大臣が殺されたことでモンドラゴン警部補は警部と検事総長に呼ばれ、「事件の裏には政治的な複雑な事情があり、所轄の刑事が扱うべきではない」「特殊な事件を扱う特別捜査本部を組織する」とモンドラゴン警部補に捜査から手を引き、“マタニティー休暇”を取るよう命令した。

さらに霊媒師は敏腕弁護士を雇ってすでに釈放されていたため、特別捜査本部に手柄を横取りされたくないモンドラゴン警部補は事件の資料を持って署を出て行く。

翌日、大臣の死は大々的にスクープされた。モンドラゴン警部補はエリサに電話してボルジアの写本について尋ねると、写本は“古代メキシコ人が描いたもので、神と交信するための儀式の様子が表現されている”と聞き、モンドラゴン警部補とエリサは“犯人の目的は写本”だと推測する。

一方カサソラたちは、犯人の手掛かりを探すため過去のセンセーショナルを探すと、“テナユカ遺跡の近くで、石包丁で胸部を裂かれ、生きたまま心臓を取り出された工場長の遺体が発見された”という事件の記事を見つける。犯人の女は「ウィツィロポチトリに血を捧げた」と供述しており、そこでカサソラは“あの霊媒師だ”と関連性に気付く。

カサソラはこのことを伝えるため警察署に行くと、メヒアから“モンドラゴン警部補がマタニティー休暇に入った”という話を聞く。最後の印が「泣く母親」だったことから“モンドラゴンが危ない”と感じたカサソラは、警察署を飛び出すのだった。

エリサの元恋人・ヨロトルの過去が明らかに

時代は遡り2006年、メキシコ・ミチョアカン州。パラモ・ガルシア家が聖母の守護役を担うパーティーが開かれており、会場にはヨロトルの姿があった。そこへ銃声が鳴り響き、ヨロトルは両親を殺されてしまう…。

そして時は経ち2012年、ヨロトルは人類学者に合格。姉を心配して“一緒に行こう”と説得するも、姉は「ママたちみたいに殺される」と言ってヨロトルの誘いを断るのだった。

ヨロトルはその後、姉を救うために拳銃を購入しようとする。そこへ霊媒師がやって来て、性能が良い銃をヨロトルに買い与えた。霊媒師は両親を殺されたヨロトルに「姉を救うためにやるべきことをやりなさい」「神殿の石段に血しぶきを散らせば神は調和と秩序を取り戻してくれる」と耳打ちした。

話は現代に戻り、霊媒師がヨロトルに「大臣は死んだ?」と静かに尋ねる。ヨロトルは頷き、大臣から奪ったカードキーを霊媒師にそっと渡す。以前に霊媒師から儀式を受け、ナイフを授けられていたヨロトルは、霊媒師に命令されてある場所へ向かうのだった――。

■霊媒師にそそのかされたヨロトルがエリサのもとへ向かう…

第9話では、霊媒師から儀式を受け操られてしまったヨロトルが、連続殺人の実行犯を担っていたことが判明した。霊媒師は“写本を手に入れる”という目的を果たすために自分は手を汚さず、殺人の被害者を「迫害者」と呼び、家族を殺されたヨロトルの弱みに付け込んでいたのだ。

またラストシーンでカサソラはモンドラゴン警部補宅に向かい無事を確認するのだが、同じ頃エリサの元に何者かが訪ねてくるシーンが描かれている。実はヨロトルがナイフを持って向かった場所は“エリサ宅”だったため、エリサは元恋人のヨロトルに襲われてしまう可能性が考えられる。

もしそうであれば最後の印である“泣く母親”とエリサにはどのような関係があるのか。次回が最終回となり、すべての謎が解き明かされる。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「プレイ・フォー・ブラッド」第9話より/(C)2022 Pray for Blood Holdings, LLC