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買い物は賢く!(写真:PIXTA)

「年末年始のスーパーでの買い物は要注意! 年末が近くなると野菜をはじめ、食材がめちゃくちゃ値上がりします」

そう注意喚起するのは、スーパーの青果売場で10年働いた経験を持ち、毎週X(旧Twitter)で野菜に関する情報を発信している“青髪のテツ”さん。

イベントが目白押しの年末年始は、年間で最も出費が増える悩ましい時期でもある。総務省統計局の家計調査によると、2人以上の世帯で’22年12月の平均消費支出は、前月比で約4万2千円の増額。その内訳を見ると、最も増えるのが食費で約2万円も増加傾向に。

クリスマスや年末年始などの買い出しで、通常より購入する食材が増えるのに加え、ケーキやおせち料理など特別な出費も多い。

「それに加えて、スーパーの野菜や果物の価格はクリスマス前の20日ごろからどんどん高騰します。年末29日ごろに市場が閉まるため、店側は食材が欠品状態になるリスクを減らそうと安売りを避け、さらに需要が増えるので価格を上げるのです。ほうれん草小松菜などの葉物野菜は通常価格より2~3倍と大幅に上がります。お雑煮や鍋に欠かせない、三つ葉やせりはとくに激しく、3~4倍値上がりすることも」(青髪のテツさん、以下同)

さらに、特別品や贅沢品が置かれたり、金時にんじんや赤芽里芋などグレードアップした野菜に入れ替わるため、通常の比較的安価な野菜が手に入りにくくなる。

「安く手に入るクリスマス前、できれば23日より前にまとめ買いをし、冷凍や長持ちする方法で保存しておくことをおすすめします。反対に、年始はまとめ買いをしないこと。1月5日ごろまで市場が閉まるため、年始にスーパーに並んでいる野菜や果物は年末に仕入れたもので、日持ちしない可能性があるんです。いちばんもったいないのは、買った食材を捨ててしまうことですから、年始は1~2日で食べきる分だけを買いましょう」

年始には狙い目もあるという。

「市場が開く前に在庫分を売り切ろうと、3日ごろから安くなった野菜が出てくることがあります。食材によっては、半額などに下げて売りつくしてしまうことも」

半額以下まで下がる可能性も。よく使うスーパーで注意して見てみよう。

野菜を、通常価格のうちにまとめ買いした場合、大事なのは保存方法だ。野菜を冷凍保存するときのコツはあるのだろうか?

「食材を細かくカットしたほうが食感の悪さが気になりません。野菜は水洗いをして、水気をしっかり拭き取ります。水分が残っていると、氷の結晶となり食感の悪さの一因に。カットした野菜を保存袋に入れ、薄く平らにして密閉します。熱伝導率のいいアルミバットを下に敷いた状態で冷凍庫に入れると、凍るまでの時間が短くなり、おいしく冷凍できます」

にんじんや大根、里芋などの根菜類も冷凍は可能。煮物用など調理法によっては冷凍しておいてもよさそうだ。保存方法も見直しを。

「カットした白菜やにんじん、大根、三つ葉、りんごなどは、野菜室より冷蔵室がベスト。ひと玉で買った白菜やかぼちゃ玉ねぎ、里芋、さつまいもなどは、常温で保管すると長持ちします」

節約アドバイザーの丸山晴美さんも、年末年始のスーパーの使い方は注意が必要と指摘する。

「年末向けに高騰し、高級仕様化するのは、肉や魚、加工品も同じです。お高いお肉ばかり並んで、ふだんの食材が手に入りづらいことも。クリスマス前に“節約肉”の鶏むね肉・豚こま肉・ひき肉を冷凍しておきましょう。もし、買いそびれたら“肉の日”である29日にセールをする店を狙って。お正月食材で利用する賞味期限の長いのりや昆布、餅などの加工品も“ポイントアップデー”などがある日に、買っておきましょう」(丸山さん、以下同)

年末はできるだけスーパーを使わない工夫が必要だという。

ボーナスが入って気が大きくなりがちですし、セールや大にぎわいのスーパーで気分が高まり買いすぎる傾向にあります。どうしても年末に行くときは、買い物リストを作って必要なものだけを購入し、一人で出向くことが大切。また、大きいスーパーであればあるほど、必要以外の商品が目に入り購入金額も大きくなるため、買い足すのであれば、価格が一定で必要なものだけを買いやすいコンビニを利用するのも一案です。手ごろなPB商品もありますし、卵やカット野菜も手に入ります」

今年は加工品が大きく値上がりした。出費が大きくなりがちなおせち料理は、コンビニの活用を検討してみては。

「『ローソンストア100』は、食べきりサイズのおせち食材を税込み108円から売り出しています。私自身も昨年は3千円ほどで2人分には十分なおせちができました」

計画的にスーパーを活用し、節約しながら楽しい年末年始を!