「ウォーキング・デッド」のダリル・ディクソン役で一躍スターダムにのし上がったノーマン・リーダス。近年ではドラマだけでなく、旅番組やテレビゲームの主人公としても出演し、注目を集めいている。本記事では、そんな彼のキャリアや人生を振り返る。

【写真】ライダー姿がカッコいい…バイクにまたがるノーマン・リーダス

■バイクショップの店員から俳優の道へと転身

1969年にアメリカ・フロリダ州ハリウッドに生まれたノーマン。両親の仕事の都合でロンドン、日本などに移り住んだ後、アメリカに戻り、カリフォルニア州ベニスオートバイショップで働くように。

その後、パーティーで知り合った人物からの誘いで舞台へ出演し、それをきっかけに俳優としての活動を始める。ギレルモ・デル・トロ監督の映画「ミミック」(1998年公開)でスクリーンデビューを果たすと、映画「処刑人」(2001年公開)では俳優のショーンパトリック・フラナリーと共に主演を務め、マフィアの幹部や殺し屋などを次々と処刑していく役柄を演じた。

2000年代に突入後もその勢いは止まらず、「ブレイド2」(2002年公開)や「処刑人II」(2010年公開)で注目を集めるように。当初はSFホラーやハードボイルドな作品でのキャラクターが評価されたが、人気モデルの半生を描いた映画「ベティ・ペイジ」(2007年公開)ではベティの最初の夫役として出演するなど、さまざまな役に挑戦している。

■「ウォーキング・デッド」への出演で転機が訪れる

それまで日本では映画俳優としてのイメージが強かったノーマンだが、2010年から放送開始されたTVドラマシリーズ「ウォーキング・デッド」(Huluで配信中)への出演が転機となった。

物語の舞台は、ゾンビによる世界の終末を迎えた世界。ノーマンはメインキャストの1人であるダリル・ディクソン役に抜擢された。ボウガンを武器にウォーカーと呼ばれるゾンビと戦うタフガイで、銃声などで敵に警戒されない武器を使用するため、貴重な戦力とされている。不器用ながらも心優しい人間性と、ワイルドな風貌で瞬く間に人気を博した。

その注目度は国境を越え、2023年9月にはスピンオフ作品「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」の放送&配信がアメリカでスタート。「ウォーキング・デッド」ファイナル・シーズン最終回後を舞台にした“ダリルの後日譚”となっており、ノーマンは主演を務めている。

■「ウォーキング・デッド」以外で見せる新たな一面

「ウォーキング・デッド」での出演を皮切りに、ゲーム作品や旅番組にも出演するようになったノーマン。2019年発売のPlayStation(R)4用ソフト「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」では、“伝説の運び屋”ことサム・ポーター・ブリッジズ役としてノーマンがゲームの主人公に抜擢された。ちなみに本作は、「日本ゲーム大賞 2020」年間作品部門にて優秀賞を受賞している。

他にもノーマンは、名前がタイトルにも入っている海外の旅番組「ライド with ノーマン・リーダス」にも出演。同番組では、ノーマンが毎回ゲストとバイクツーリングを楽しみ、その土地の文化や人々と触れ合っていく。もともとバイクショップで働くほどバイクが大好きなノーマンは、撮影現場にもバイクで通うほどで、趣味が高じて実現した番組とも言える。

番組の中では、役を演じている時ではお目にかかれない“お茶目な一面”を覗かせるシーンも。「ウォーキングデッド」の時とはまた異なる“ノーマン”を楽しむことができる。

オンライン動画配信サービスHulu」で配信中の「ライド with ノーマン・リーダス」シーズン6では、「マトリックス」シリーズや「ジョン・ウィック」シリーズでお馴染みのキアヌ・リーブスがゲスト出演。バイク好きである2人の会話や、ありのままの素顔は見どころのひとつだ。

ダリル役を演じたことで寡黙なイメージの強いノーマンだが、今後もさまざまな作品を通して“新たな一面”が垣間見えるかもしれない。

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