オンライン動画配信サービスHulu」にて、全話独占配信中のHuluプレミア「プレイ・フォー・ブラッド」。第10話(最終話)では、最後の予言の印“泣く母親”の正体が明かされ事件が完結した。本記事では、考察を踏まえながら同話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】お互いに見つめ合うアーロン・ディアス“カサソラ”とアナ・ブレンダ・コントレラス“モンドラゴン警部補”

■「プレイ・フォー・ブラッド」とは

本作は、国際エミー賞受賞プロデューサーが手掛けるメキシコ発のクライムサスペンス。古代アステカ文明の“生贄の儀式”が現代のメキシコシティで再現される、という設定のドラマだ。物語では、タブロイド紙の記者が警部補や人類学者と手を組み、奇妙な連続殺人犯を追って、徐々に真相を明らかにしていく――。

キャストには、普段はメキシコの有名歌手として活躍中のアーロンディアスが、事件を独自取材する新聞記者のカサソラ役を担当する。

その他にも、事件の真相を追う警部補のモンドラゴン役にはアナ・ブレンダ・コントレラスが、そして古代アステカ文明に詳しい博物館の学芸員エリサ役にはヨシラ・エスカレガが抜擢。それぞれ迫真の演技で、事件の真相を追い求める。

■霊媒師とエリサの両親の関係が明らかに

前話のラストで、ヨロトルに狙われたエリサ。ヨロトルと霊媒師はエリサを博物館に連れていき、縄で縛り儀式の準備を始める。

一方モンドラゴン警部補を訪ねたカサソラは、これまでの事件を整理する。第9話で明らかになった霊媒師による工場長殺人事件後、霊媒師は“被害者男性と男女の関係があり、彼から暴力を受けていた”と供述したことで数年後に釈放されたそうだ。奇しくも、被害者男性が働いていたのはエリサの母親の家系が経営していた工場だったのだ。

カサソラは慌ててエリサ宅を訪ねるも家の中は散乱しており、エリサは不在だった。そこでエリサの両親に直接会いに行き、霊媒師との関係性について尋ねると、母親は恐る恐る口を開き始める…。

その昔、エリサの両親はなかなか子供が授からなかったところ、経営している工場に特殊な能力を持つ従業員(霊媒師)がいるこを知る。その力にすがったところ「じきに子供ができる」と予言されたが結局実を結ばず、両親は霊媒師を工場長殺害の罪で訴えたのだという。

またモンドラゴン警部補はメヒアから、大臣の寝室に設置されていた小型カメラに映る“殺人犯の写真”を受け取る。カサソラはこの写真を見て殺人犯がエリサの元恋人・ヨロトルだと気付く。カサソラは博物館に母なる女神“トラルテクトリ”があることから、博物館へと急いだ――。

■最後の印、“泣く母親”が叫び、事件は終結する

一方その頃、霊媒師はカードキーで写本を開け、博物館でヨロトルと捕えられたエリサとともに儀式を始めていた。そこへ駆けつけたカサソラがヨロトルと揉み合いになり、カサソラは刺されてしまう。

その後モンドラゴン警部補が博物館に到着すると、ヨロトルはエリサを人質に取り抵抗する。霊媒師は儀式を止めることなく、「これが運命よ」「私が泣く母親」「私こそ最後の印よ」と叫び合図を送ると、ヨロトルはエリサを博物館の上階から突き落とし、自分も一緒に飛び降りて2人は亡くなってしまうのだった――。

それから時は経ち、儀式殺人や霊媒師による犯行など、モンドラゴン警部補の推測が正しかったことを警部から謝罪され、昇進する。

またカサソラは記者として認められ、日曜プライムタイムの報道番組の花形記者として打診されるのだが、それを断り、引き続き「センセーショナル」で記者を続けていくのだった。

■エンディング後には霊媒師が特別な能力を発動するシーンが…

最終話では、カサソラとモンドラゴンが必死に追い求めていた最後の印“泣く母親”は、霊媒師自身であることが判明。そして霊媒師に狙われた最後の迫害者は、エリサとその家族だった。

霊媒師は過去に自身を貶めたエリサの家族を恨んでおり、その娘を殺害することでエリサの家族も悲しみに落とし入れようと計画していたのだ。

ちなみに同話のエンディング後には、投獄された霊媒師が同じ部屋になった女性囚人を呪い殺す様子が描かれた。霊媒師は確かに特別な能力を持っており、逮捕後もその能力を使って関係のない人間を今後も巻き込んでいくのかもしれない…。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「プレイ・フォー・ブラッド」第10話(最終話)より/(C)2022 Pray for Blood Holdings, LLC