【元記事を音楽ナタリーで読む】

2023年も残すところわずか。音楽ナタリーでは、さまざまなアーティストに今年印象的だった3つのトピックを紹介してもらう年末企画「2023年のTOP3」を実施。第8回は、今年およそ3年半ぶりとなるフルアルバム「The Novembers」を発表し、BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之と結成したバンド・THE SPELLBOUNDのメンバーとしても活動を展開した小林祐介(The Novembers)に登場してもらった(※トピックは順不同)。

The Novembersのニューアルバム「The Novembers」のジャケット。

・The Novembersのニューアルバム「The Novembers」発表

3年半ぶりのアルバム、2回目のセルフタイトル。デビュー15周年を経てもなお未完成で荒削りなロックバンドが息を切らして疾走していくような作品です。傑作ができたと思ったのも束の間、次はもっとすごいぞという想いを胸に燻らせています。いい未来で待っていてくれた全ての仲間、ファンのみんなに心からの感謝を。

・THE SPELLBOUND(BOOM BOOM SATELLITES 25th Anniversary Set)のライブ

THE SPELLBOUND、そしてBOOM BOOM SATELLITESの楽曲を演奏する中で見えた景色、目に見えないけれど確かにそこに存在した大きなエネルギーの渦。過去、現在、未来、全てが繋がっているということがわかった神秘的な体験でした。感動やインスピレーション、閃きのようなものは未来の僕が過去の僕に向けて送った手紙のようなものなのかもしれません。目にうつる全てのことはメッセージ。

・僕の人生を変えてくれたヒーロー達の死

言葉にできないほどの大きな喪失感とは裏腹に、それらを知るときはいつもたった数行のニュース。あまりにあっけなく、彼らは旅立ってしまいました。悲しみ、やるせなさや憤り、やり場のない感情。比喩でなく、本当に胸に大きな穴が空いてしまったようでした。これはまだまだ続くのか? いったい何が起こってる? またか、またかと心が揺さぶられる度、こういったことに決して慣れてしまってはダメだと思いました。

2023年を振り返って

みんなが大変な年だったと思います。人生の不条理さや残酷さを目の当たりにしながら、それでも人生は美しいという気持ちを確かめ続けた1年でした。
2024年、これまでの人生の中で一番楽しみたいし、楽しませたい。いい未来で会いましょう! それまでどうかお元気で。

小林祐介(The Novembers、THE SPELLBOUND)

ロックバンド・The Novembersのボーカル / ギター。2005年にケンゴマツモト(G)、高松浩史(B)、吉木諒祐(Dr)とThe Novembersを結成し、2007年11月にミニアルバム「THE NOVEMBERS」でデビューした。2013年10月に自主レーベル・MERZを設立。2023年12月には9枚目のフルアルバム「The Novembers」をリリースした。2021年からは中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)と結成したバンド・THE SPELLBOUNDのメンバーとしても活動している。

The Novembers。左から2番目が小林祐介(Vo, G)。