用地買収にだいぶ時間を要している模様。

新大宮上尾道路、用地に時間

国土交通省 関東地方整備局は2023年12月、今年5回目となる事業評価監視委員会を開催。首都高の新線となる国道17号「新大宮上尾道路」事業について再評価が行われました。

新大宮上尾道路は、国道17号新大宮バイパス」の高架部である首都高S1埼玉大宮線を、与野JCTから北、上尾南出入口(仮称)まで約8km延伸させる事業です。2016年度に事業認可され、完成後は首都高の一部として有料道路になります。

2020年度から用地取得に着手、2021年度からは一部工事にも着手していますが、2023年3月末時点で用地取得率は約20%となっています。用地取得を行う新大宮バイパス区間は住宅や店舗が多く、取得に時間がかかっているようです。

その事業費は今回の再評価で約600億円増額し、約2600億円となる見込みだそうです。

約600億円のうち約289億円は労務費・材料単価に伴う増加、そして約185億円は、用地補償費の増加です。用地については、たとえば店舗の駐車場用地を買収するにあたり、建物の改修や屋上立体駐車場を整備したり、立体駐車場の移転を補償したりする可能性のあることなどが新たに判明しているといいます。大規模ロードサイド店も多い新大宮バイパスでの用地取得の難しさが浮き彫りになっています。

とはいえ、首都高が途切れる与野JCT以北の新大宮バイパスは、自動車専用道が未整備のため、周辺道路も含めて混雑し、追突事故も多いエリアです。新大宮上尾道路の整備により、中長距離の交通を自動車専用道が分担することになり、周辺の渋滞緩和が期待されるといいます。

事業費に対して得られる便益(B/C)は、約600億円の増額となっても1.5を確保、総便益は「3315億円+その他の効果」と試算されています。

また、現在の事業区間は上尾南出入口までの事業化ですが、さらに圏央道桶川北本IC)までの早期事業化を埼玉県知事、さいたま市長ともに要望しています。

新大宮上尾道路の起点となる首都高の与野JCT(画像:Google earth)。