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意外なメーカーの意外な作品

どんな企業であろうと、リスクはできるだけ避けたいと思うものだ。それはほとんどの自動車メーカーも同じである。しかし、時には彼らも「羽目を外す」ことがある。非常に奇妙なクルマを生産したり、大胆すぎるコンセプトを発明したり、そして戦略的なミスを犯したりすることも。

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良識的なメーカーがこのような「冒険」をするのは大変面白く、興味深いものだ。今回は、ちょっと意外で驚くようなクルマをいくつか紹介しよう。

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一般のブランドイメージとは異なる意外なクルマを紹介する。

ボルボ1800(1961年)

1950年代後半にごく少数生産されたファイバーグラス製ボディのP1900を除けば、ボルボが流麗なスポーツクーペを作るような気配はまるでなかった。しかも、十数年にわたって生産することになるとは、誰が想像できただろう?

1800のデビューは当時多くの人を驚かせた。生産後期には派生型のワゴンボディも追加されている。その後のボルボにも良いクルマはたくさんあるが、1800の繊細なエレガンスにかなうものはなかった。

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ボルボ1800(1961年

ヒルマン・インプ(1963年)

シンガー・シャモアやサンビーム・スティレットなど、さまざまな名で販売されたインプ。その最大の特徴は、コベントリー・クライマックス社が設計した全合金製オーバーヘッドカムエンジンで、トランスアクスルのすぐ後ろの車体後部に、右側に傾けて搭載された。

ヒルマンの非常にオーソドックスなイメージから考えると、ロールス・ロイスが商用バンを出すくらいの驚きだった。これまで一度もこのようなものを発表したことがなかったし、これからもすることはないだろう。インプがまだ生産されていた頃、ヒルマンは新生クライスラー・ヨーロッパの一員となったが、すぐに瓦解し、1970年代後半にはプジョーに救済されることになった。

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ヒルマン・インプ1963年

プリムス・プロウラー(1997年)

クライスラー傘下のプリムスのブランド末期には、消費者を期待させたり興奮させたりするような発表はほとんどなかった。唯一の例外は、古風なホットロッド的スタイルを持つプロウラーで、ミーアキャットの檻にいるキリンのように、プリムスの中では際立っていた。

さまざまな議論を呼んだが、V6エンジンとオートマチック・トランスミッションについて文句を言いたい人が多かったようだ。派生モデルとしてV8も計画されたが、こちらが量産化されることはなかった。

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プリムス・プロウラー1997年

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI W12-650(2007年)

高性能なGTIやRを除けば、ゴルフは初代が発売されて以来半世紀近く、真面目で実用的なクルマであり続けている。フォルクスワーゲンは2007年、この絶対的なモンスターを生み出すことで、世間の常識を一時的に覆した。

エンジンは、アウディベントレーで使用される最高出力650psの6.0L W12ツインターボで、ボンネットの下ではなく、通常リアシートがある位置に搭載された。最高速度325km/h、0-100km/h加速3.7秒と謳われていたが、W12-650はワンオフモデルであるため、消費者が体験することはなかった。

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フォルクスワーゲン・ゴルフGTI W12-650(2007年)

トヨタ・アイゴ・クレイジー(2008年)

アイゴ・クレイジーは、性能的にはゴルフGTI W12-650よりも控えめだが、その背後にある思想は同じように自由奔放だ。欧州向けの小型車アイゴにミドシップ方式を採用し、エンジンはMR2セリカにも搭載された1.8Lユニットをターボ化して最高出力200psを発生させる。参考までに、標準のアイゴに搭載されている1.0L 3気筒エンジンの最高出力は69psに過ぎない。

0-100km/h加速は5.75秒、最高速度は204km/hと推定される。推定にとどまるのは、試乗時に「誰も確認する勇気がなかった」からだ。

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トヨタ・アイゴ・クレイジー(2008年)

アストン マーティン・シグネット(2011年)

アストン マーティンがシグネットを発表したとき、人々は驚きのあまり眉をひそめ、テーブルの下に潜り込んで震えた。コンセプトはともかく、実物は1970年代に物議を醸したラゴンダよりもさらに奇妙なクルマである。トヨタiQをベースに、装備レベルを上げ、マイルドなスタイルに変更し、価格を上乗せしただけのものだ。

従来の小型車の中では、「今世紀で最もダサいクルマの1つに数えられるに違いない」と本誌は判断したが、アストンは需要があると信じていた(あるいは、そう主張していただけかも)。そして実際、需要はある程度存在したのだが、それはアストンが期待していたよりもはるかに小さなものだった。

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アストン マーティン・シグネット(2011年)

ダッジ・チャレンジャーSRTデーモン170(2023年)

誤解を恐れずに言うと、ダッジに「真面目」で「お堅い」イメージを抱く人はそれほど多くないはず。どちらかというと、パワー追求型のマッチョ(親しみを込めて「脳筋」と呼びたいくらい)なブランドだろう。そんなダッジでも、チャレンジャーSRTデーモン170(北米向けに3300台が生産予定)をデビューさせたとき、驚かなかった人は世界中にどれほどいるだろうか?

適量のエタノールが含まれる燃料(E85)を使用した場合の最高出力は1025psに達し、理想的な条件下で0-100km/h加速はわずか1.66秒と謳われている。自動車業界全体に電動化が広まる中、今後ガソリンエンジン搭載の市販車がこれに対抗できるとは到底思えない。

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ダッジチャレンジャーSRTデーモン170(2023年)

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