大みそかには鉄道の終夜運転が行われる。コロナ禍の2020年には小池百合子東京都知事や国土交通省の要請で中止されたが、22年から23年にかけては再開。23年の大みそかにはJR東日本京王電鉄京阪電気鉄道近畿日本鉄道などが終夜運転を実施する。

 終夜運転を毎日実施してほしいとの声は以前から根強い。毎日は無理でも、毎週金曜日から土曜日にかけては行ってほしいという意見もある。実施されれば飲食店の売上増など経済効果は高いが、行われないのはなぜか。鉄道ライターが説明する。

首都圏の場合は線路と住宅の距離が近く、列車の走行音が問題になる。沿線住民の理解が得られれば実現できるかもしれませんが、現実的ではありません」

 であれば騒音が問題になりにくい地下鉄ならできそうだが…。実際にニューヨーク市の地下鉄では終夜運転が行われているが、やはり日本では難しいという。

ニューヨーク市の地下鉄は片側2本、合計4本の軌道が敷かれた『複々線』です。夜間は4本のうちの2本を使って運行し、残りは線路の保守を行っている。それに対して日本の地下鉄は2本の『複線』で、終夜運転をすると保守点検ができなくなってしまうんです。これは地下鉄だけではなく、JRや私鉄にもあてはまる。この解決は難しく、毎日終夜運転をするのはまずありえません」

 もし金曜日に終夜運転が実施されれば、終電を気にすることなくお酒が飲めるのだが、とても残念だ。

(海野久泰)

アサ芸プラス