これほどのスターならば、指導者として引く手あまたのはずだ。メジャーリーグで金字塔を打ち立て、国際大会でもその勝負強さを発揮。「世界のイチロー」の経験値は驚くほどに大きい。当然ながら、侍ジャパン指揮官就任も期待されたが、フタを開けてみれば、井端弘和監督がその座に収まった。その舞台裏は…。(11月8日配信)

 米大リーグマリナーズ会長付き特別補佐兼インストラクターのイチロー氏が11月14日、都内で株式会社ワコールのコンディショニングブランドチーム「Team CW-X」の発足、キャプテン就任の発表会に出席した。

 日米通算4367安打を誇る世界一のヒットメーカーの、国内での人気は相変わらず。11月21日には、イチロー選抜チームが高校野球女子選抜との試合を東京ドームで行うことが決まっている。

 2019年に引退してから翌年2月に「学生野球資格」をあえて取得し、全国の高校生を中心にした指導に力を入れているが、今回の発表会では「この前、高校に教えに行ったら、半分以上の子は(イチロー氏の現役時代を)リアルタイムのことは知らなかった。結構ショックだった」と自虐ネタも披露していた。

 引退から4年。50歳を迎えたイチロー氏だが、マリナーズでの現役時代の年俸があまりに高額だったことで、給料の一部を59歳まで受け取る契約を結んでいる。

「その金額は年間で約2億円と言われ、62歳になってからは、メジャーリーグの年金受給も始まる。10年以上メジャーに在籍したので、満額の年間21万ドル(約3100万円)が支給されるはずです」(メジャーリーグ担当記者)

 イチロー氏は栗山ジャパンの次の監督として名前が挙がったが、

「ありえませんね。マリナーズから2億円近い年俸も今ももらっていることが、大きな理由です。イチロー氏がWBCの監督を受けるはずがないと思っていました」(前出・メジャーリーグ担当記者)

 同時期にメジャーしのぎを削った松井秀喜氏には、巨人から何度も監督就任のラブコールが送られたが、イチロー氏には日本のプロ野球監督の正式オファーは一度もない。

「国内でも海外でも『一匹狼』でやってきたイチロー氏を支えるコーチ陣がいないからです。皮肉なことですが」(前出・メジャーリーグ担当記者)

 イチロー氏と松井氏の指揮官どうしの対決などは、夢のまた夢の話だ。

(小田龍司)

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